From:小川忠洋
東京のオフィスから、、、
一週間ほど前の話。僕の愛用のペンが壊れたので、大阪のモンブランに修理を出しに行った。コピーライターとして、紙とペンで稼ぐ的なイメージがあるので、ペンはいいモノを自分へのご褒美として買っていた。
そのペンのキャップの部分が壊れたので、受付の女の人に状況を説明した。彼女は僕のペンをもって奥へ下がった。その日は雨だったんだけど、僕がお店に行った時は雨は一時やんでいた。
僕がボーっと商品の棚を見ていると男性の店員が近づいてきた。恰幅のいい40代半ばくらいの、いかにも紳士って感じのオジサンだ。そして、
『雨、止んでよかったですね…』と声をかけてきた。
『そうですね。チャリだったんで雨だったら最悪でした…』
『寒いですよね』
というような何気ない会話をしながら、しばらくすると、さっきの女性が戻ってきた。修理の見積りを出すのに、1週間ほどかかるという。「ありがとうございます」と言ってその店から出て行った。。。
お店から出て、恰幅のいいオジサンに妙な親近感を感じた。
これはセールスでとても重要な事だ。人は、嫌いな人からはモノを買おうとしたり、お金を使おうとしたりはしない。つまり、見込み客には嫌悪感をもたれてはいけないのだ。
ところが、普通のお店に行くとどうだろう?今回のように、商品の棚を見ている見込み客がいたら、、、店員はどんなふうに声を賭けてくるだろう???
『違う色もありますよ』
『このデザインは◯◯なんですー』
『このモデルは限定で、これが残り一点なんですよ』
と、あなたも経験はあるんではなだろうか。ほとんどの店員は、お店に入ってきたら、途端に商品を売ろうとしている。そして、「営業マン対見込み客」の構図を作ってしまう。
あなたも今までにこんな経験ないだろうか?ゆっくり商品をみたいのに、店員がやたらと話かけてきて、お店を出たり、、、聞いてもない事をしゃべりだしたり、、、用もないのにストーカーのように後をつけてきたり、、、そんな店員に嫌気がさして、お店をでた経験はないだろうか?
セールスの最初のフェーズ
優れたセールスマンは、最初から「売り」「売り」モードには入らない。最初は、モンブランのオジサンのように『暑いですね』とか『雨が止んでよかったですね』という、イエスと答えられるような質問で、ラポールを築く。
ラポールが築けて、相手が商品選びで迷っているとか、、そういう事があった時にはじめて商品のセールスをする。つまり、相手があなたのセールストークを聞くための土台作りをしてから、実際のセールスに入るのだ。
これはセールスレターでも同じ事が言える…
セールスレターでも、売られるための土台作りが必要だ。見たことも会ったことも一度もない見知らぬ人に商品を売るためには、セールストークを聞く、準備をしてもらわなければならない。
セールスレターの最初の部分で、その土台作りができてなければ、見込み客は、それ以上、続きを読もうとはしないだろう。
『このモデルは限定なんですよ♪』
と、こちらが嫌がっているのにも気づかずに、嬉しそうに語りかける店員と同じだ。
あなたのセールスレターはどうだろうか?最初からウリウリになっていないか?セールスレターの最初の部分で、ラポールを築けているだろうか?
ー小川忠洋
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