From:山田光彦
※実践ダイレクト・マーケティングより
この掃除機を売るための2つの広告。
これはお正月休みに僕が読んでいた本に載っていたものなんですが、同じ商品を同じ値段で売っているのに、驚くほど効果に差があった事例とのこと。広告の1つは、広告を掲載するための費用すらカバーできなかったにもかかわらず、、、もう1つは驚くほど成功した広告になった、ということなんです。
今日は、正月休みの後の三連休明け。なので、仕事をはじめるウォーミングアップ的な感じで、この広告Aと広告B、どっちが売れたか、ちょっと考えてみて下さい。
では、この2つがどんな広告なのか、もう少し詳しく説明していきますね。
この広告で売っている商品は同じ掃除機。ジェットストリームという名前で、土埃や液体でも吸うことができるという当時としてはユニークな点を持っている掃除機です。そして、、、
広告Aに書かれているヘッドラインは、、、
「ジェットストリームは、ほとんど何でも食べる。たったの54.95ポンド」
と書かれています。
そして、広告の1番上にはイラストが書いてあって、そのイラストの中にこんな事が書かれています。
「土をむしゃむしゃ!」
「葉っぱをバリバリ!」
「水をガブガブ!」
「ガラスをごっくん!」
この掃除機はなんでも吸い込む、ということをちょっと頭を使った表現でアピールしているものになっています。
もう1つの広告Bに書かれているヘッドラインは、、、
「さあ、液体まで吸うハイパワー掃除機。シェルトンのジェットストリーム850。たった54.95ポンドで普通の掃除機より安い」
となっていて、広告Aに比べると商品について詳しく書いたものになっています。
そして、広告の一番上にはイラストではなく写真があって、その写真ではこの掃除機がどんな場面で使えるのか、ということをストレートに説明しています。たとえば、、、
「カーペットの奥までキレイに」
「詰まったシンクもスッキリ」
「建築材のゴミもキレイに」
「排水口の詰まりも解消」
「庭のゴミも吸い取る」
「車も強力に掃除」
こんな風に広告Aと比べると、直接的なアピールになっています。
さて、、、
同じ商品を同じ価格で売っている広告Aと広告B。
驚くほど売れた広告はどっちだと思いますか?
ちょっと考えてみて下さい。
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(答えは決まりました?)
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現代広告の父とも言われるオグルヴィが「世界の誰よりもダイレクト・マーケティングについて知っている」と言ったドレイトンバードによると、、、
1つ目の広告(広告A)は想像力豊かなイラストがあり、キャプションが添えられている。我々のエージェンシーのスタッフの多くが、この広告は賢くクリエイティブで、売上が良かっただろうと考えた。
広告の結果は、率直なー単調でさえあるー後者(広告B)のアプローチの方が、驚くほどの成功を収めた。賢いアプローチ(広告A)は目も当てられないほどで、売上で広告の掲載費用を賄うことさえできなかった。
なぜか?
それは、成功したほうの広告(広告B)は、製品が何であるかをすぐに示していた。また、見出しの中で買うべき理由をいくつか示していた。情報は誰もが素早く理解することができるように表現されていた。より多くのことがわかるようになっていたのだ。
実践ダイレクト・マーケティングからの抜粋・要約
つまり、直接的なアピールになっている広告Bが大成功した、ということです。
(当りました?おめでとうございます!、外れたなら、残念。。。)
ドレイトン・バードは、この事例を「賢くなり過ぎない」ということのルールをよく表している、という風に言っています。
実は、セールスライターは、この賢い広告を書いてしまいたくなる、かなり強い誘惑にさらされています(意識していないかもしれないですが…)。賢い広告をカッコイイ広告という風に言いかえるとわかりやすいかもしれません。
たとえば、あなたが社長なら、カッコイイ・セールスレターをあなたが書けば、会社の社員に「いやー、いいっすね!絶対売れますよ!」なんてことを言われるかもしれません。あなたがセールスライターなら、セールスライティングを学んでいる仲間に「あのセールスレター、**さんが書いたんですか?あれはよかったですね!」なんて話題になるかもしれません。
僕で言うなら、社長の小川さんや寺本さんに「いやー、あれはよかったねー!」なんて言われるみたいな感じです。
一方で、顧客にとってわかりやすいけど、単純な内容だったり、テンプレートの通りに書いたものだとしたら、セールスライター仲間からは「あのテンプレですね。いいんじゃないですかね」みたいなことを言われるのがオチでしょう。
そうなってくると、やっぱりカッコイイ・セールスレターを書きたいという風に思うのが、人間というもの。ですが、、、はっきり言って、こんなことはどうでもいい話です。
セールスライターは、売れるか、売れないか。基本、これがすべてです(会社の信用を傷つけるようなセールスレターといった例外は置いておいて)。同業者やまわりの人がなんて言おうが関係ありません。見込客がすべてです。
同業者やまわりの人を驚かせたい。しょーもないセールスレターだと思われたくない。セールスレターを書いているときに、こんなことが少しで頭に浮かんだら、、、要注意です。
商品を買ってくれる可能性のないまわりの人たちのことは完全に忘れて、顧客に伝えたい内容をしっかり伝えられるかどうか、これだけに集中してセールスレターを書いていきましょう。
自戒の念を込めて、、、
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