From:小川忠洋
From:小川忠洋
大阪のスタバより、、
先週、社内のスタッフのセールスレターのレビューをした。彼はまだ、セールスレターを書き始めて、間もない。2、3ヶ月目だ。しかし、今回、彼が書いたセールスレターは、とても上出来だった。何故なら、ある秘訣を使ったからだ。。。
それが、これだ。。。
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高校1年間で1勝もできなかった男がなぜ、レスリングチャンピオンになれたのか?「あの男には勝てないだろう」誰もが私にそう言った・・・しかし、その試合の残り13秒で…!
ウェインは、前年の大会で優勝した州のチャンピオン。昨年は18対1というものすごい差での優勝であり、2年間負けたことが一度もなかった。しかも、アメフトでも州代表チームのランニングバック、更には、100メートル走の州チャンピオンでもあった。とにかく驚異的なアスリート。
私の準々決勝の相手は、その「最強の男」ウェイン。
州チャンピオンを目指していた私は、この大一番に向けて集中力を高めた。
「おっ、いよいよウェインの登場だ!」
会場中が、「最強の男」ウェインの登場に沸いた。観客達はウェインの強さを一目見るために集まっていたのだ。
「次の対戦相手は誰?」
「マット・ヒューリーだって。聞いたことないな」
「これまでの成績も大したことないみたいだぜ。高校1年の時は0勝11敗だって!これはダメだな。一瞬でケリがつくよ」
会場からは、私に対する嘲笑が聞こえた。その日会場にいた観客の誰もが口を揃えてこう言っていた。
「この試合はウェインが勝つさ。準決勝進出は間違いないね。」
私は、自分がすべきこと、この試合に自分の力を最大限発揮し、ウェインに勝利することをイメージしていた。試合が近づき、私とコーチは選手控え室へと移動を始めた。そしてその時、コーチの口から信じられない言葉を聞いた。コーチは私にこう言った。
「マット、おそらくお前は勝てないだろう・・・」
私は愕然とし、一瞬言葉を失った。しかし、気持ちを立て直し、力強くこう言いきった。
「みんながビックリする結果にしてみせます」
試合会場につき、私は目を閉じ勝利を祈った。
「なんだ、あれは!?何かのおまじないか?」という笑い声が聞こえた。
「そりゃ、相手がウェインなら勝つためには、神様にお願いするしかないからな」と会場の観客のあちこちからは、嘲笑がおこっていた。
試合は始まった・・・
観衆は水を打ったように静まり返っていた。笑いは魔法のように会場から消え去った、そのとき誰もが目を疑っていた。観衆が驚きで息をのむのが聞こえてきた。目の前に繰り広げられている光景がまるで信じられないようだった。
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この後、マットはウェインに勝利する。そして、マットフューリーの勝利の秘訣から、商品のベネフィットに続き、セールストークに変わる。
想像してみて欲しい。あなたが、見込み客だったとして、この商品のセールスレターを読んでいる所を・・・このセールスレター、このオープニングは、とても読みやすく、、引き込まれるように読まれるような感じがしなかっただろうか?
それが、ストーリーの力だ
ストーリーは、セールスレターの中でも、最も強い、最もパワフルな技術である。人は、誰だって、何かを売られると思ったら、自然と防衛本能が働く。「売られまい」として、警戒するようになるのだ。
ストーリーはこの防衛本能を呼び起こさない。レーザーがガラスを突き抜けて隣りの部屋に行くように、この大きな壁があたかも存在しないかのように、突き抜けてしまうのだ。そして、相手の心に直接、響き渡る。
コピーライターとして、このストーリーを語る能力はとても重要だと思わないか?実際、トップセールスマンは、みんなストーリーを語る事に長けている。ストーリーを通して、自分の伝えたいメッセージを、ストーリーに乗せて、相手の心に届けるのだ。決して、防衛本能と戦う必要はない。
ちなみに人は一度、防衛本能が呼び起こされると、それを解除するのにはメチャメチャ苦労する。下手なセールスマンは、一方的にメリットを伝えて、それを解除しようとするが、それは逆効果で、壁がどんどん厚くなるだけだ。
村上春樹にならなくてもいい。パターンがある
しかし、ストーリーを語る能力と言うと、村上春樹のようなベストセラー作家にでもならなきゃいけないんだろうか?と言うような疑問がわく。もし、そうだとしたら、ほとんどの人には優秀なコピーライターになる望みはないだろう。
しかし、そうではない。村上春樹になる必要はない。セールスに使うストーリーと言うのは、1Q84のような長編である必要はない。ほんのちょっと、2、3行だっていいのだ。それが、メッセージを伝えてさえいれば・・・
今回、採用したストーリーは、『弱者が強者に勝つ』と言う典型的なストーリーのパターン。このストーリーはどの業界でも、どんな商品でもほぼ使えるだろう。これの変形で、『バカにされてた人が、周りを見返す』とか。
こういった感じで、どのケースでも使えるし、どのケースでも、見込み客の防衛本能の壁を素通りすることができる。売れるストーリーには色んなパターンがあって、これはパターンの一つだ。
売れるストーリーは見込み客があなたや商品に感情的に結びつきを感じる事ができる。
だから、売れる。人は感情的になった時にこそ、行動をする。
泣いたり、怒ったり、悲しんだり、喜んでテンションがあがったり、、、そんな時にこそ、行動する生き物なのだ。
ダンケネディのコピーライティング33のトレーニングを見れば、そのパターンを学んでストーリーを語るスキルを身に着ける事ができるだろう。その中のストーリーのセッションを見て行くうちに、自分の商品、自分の会社に合うストーリーのパターンが見つかるだろう。
ー小川忠洋
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