From:ジョン・カールトン
From:ジョン・カールトン
今日はセールスライティングのテクニックについて簡単なレッスンをしましょう。きっと楽しんでいただけると思いますよ。「世の中には2種類の人がいます」というフレーズは、話のポイントを明確にするためにちょっとしたショート・ストーリーとともに、本やスピーチ、セールストークなどでもよく使われています。2種類というのは、もちろん、あえて過度にシンプル化しています。
人間という生き物は複雑で個性も豊かなので、本来は2つのカテゴリーに分けるなんてことはできません。
しかしながら、相反する2つのグループやカテゴリーを作り比較することで、その違いが明確になり、相手に伝えたいことをとても分かりやすく伝えることができるのです。セールスにおける心理学では、これを「未来の対比」とか「コントラスト」と呼んでいます。セールスでこのテクニックを使うのはとても簡単です。例えば、次のように2つのグループを分けてみましょう。
グループA)カテゴリーの”内側”の人達:これはあなたのターゲットとするマーケットにいる人々です
グループB)カテゴリーの”外側”の人達:この人達はあなたのメッセージを明確化するために”サンドバッグ”として使います
このテクニックを使った最も有名なサンプルが「ウォール・ストリート・ジャーナル」のセールスレターです。このセールスレターは、同じ町で育ち、同じ学校を出て、同じ夢を持ち、同じ会社に入った2人の男のストーリーから始まります。ところが数年後には、一方は社長になり(グループA)、もう一方は部長止まり(グループB)でした。いったい何がこの違いを生んだのか?
それは、ウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいたかどうかの違いだった、というわけです。
このセールスレターは20年以上にもわたって使われ続け、大量の購読者を獲得しました。
このシンプルなセールスレターの中で、このライターは、獲得衝動、失うことへの恐怖、他の誰よりも良い条件で取引をしたいという欲求、、、といった人間が生まれ持った様々な欲求や感情を刺激しています。
これは古代から使われてきたテクニックです。哲学者は、「他の多くの人が選ぶ道」に対して「誰もが通ったことのない道」について語り、兵士は「やるかやられるか」を教えこまれ、革命家は国民に「自分たちとともに戦うか、それとも対立するか」を迫ります。
両者の間に中間地点はありません。グレーの領域はなくして、両極化することがポイントです。
これは、あなたのメッセージを明確にするのに、とても簡単に使えるシンプルな方法ですが、一歩使い方を間違えるとそれが台無しになってしまう場合もあります。人を説得するためには、相手の心に響くような共感の持てるグループを作り、かつ相手にとって直感的に分かるグループを作らなければなりません。例えば、やってはいけない間違いを紹介しましょう。
「あなたは私たちの意見に同意しますか?それとも、あなたは共産党の犬なのですか?」
これは本当によくあるタイプの間違った使い方です。もちろん、これでは誰も説得することはできません。実際、このようなヘッドラインでは相手は逆に反感を抱き、あなたが望む結果とは正反対の結果をもたらすことでしょう。
このテクニックは正しい方法で使ってください。そして、使い過ぎには注意しましょう。そうすれば、相手は抵抗心をやわらげ、あなたの説得を自然と受け入れてくれるはずです。
John Carlton
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