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不純な動機

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From:寺本隆裕

From:寺本隆裕大阪のプライベートオフィスより、、、

ぬぉぉぉぉっっ、、、
仰るとおりです。。。

すみません(T_T)(T_T)(T_T)

っと思わず泣いた顔文字→(T_T)を3つも使って返信してしまいました。

というのも(ちょっと前の話なんですが)、セールスレターのライティングをしていたときのこと。新しい商品を売るためのプロモーションで、クライアントの期待も高かったんです。

僕も当然気合も入ります。

社員にも、コーチングをしていたセールスライターのお客さんたちにも「さすが寺本さん」ってところを見せたいと腕が鳴る。鼻息荒く商品をリサーチをスタートしましたが、僕にはそのとき、既に決めていたことがありました。

それは「このスワイプファイルを使おう」ということです。

ちなみにスワイプファイルとは、過去に上手くいったセールスレターや広告のこと。人間の心理はずっと変わらないから、過去にうまくいったものはそれを真似ればまた繰り返しうまくいく可能性が高い、ということで、それをスワイプ(借用する)して自分のセールスレターや広告を作る、というのがスワイプファイルの考え方であり、セールスライティングの基本です。

(ただ、スワイプする場合には細心の注意が必要です。競合のものをそのまま真似たらトラブルになります。なので、昔のものとか、異業種のものとか、海外のものとか…そういうものを真似るのが原則です)

で、そのスワイプファイル。

僕は「海外の」「過去の」「異業種のもの」でとても気に入っていたものがあったので、「それ」を使いたい、という思いが最初から頭にあったのです。そのプロモーションはかなり有名なセールスライターが作ったもので、大ヒットしたとても有名なものでした。若干作りが複雑なのですが、、、それゆえ、それを真似て僕が「日本で初めて」そういった複雑なプロモーションを作ることができたら、、、

うししし…

僕の株も上がるというものです。(大ヒットすればクライアントも大喜びするでしょう)

何度も何度もスワイプファイルを読み、リサーチを進めていく。スワイプファイルを横に置きながらリサーチすると、まるで「穴埋め」のようにリサーチが進みます。最初からスワイプファイルが決まっているので、「どう言うか」は決まっている。だからあとは、その枠組にあわせて、内容(何を言うか)をリサーチで探してくるだけ、だからです。

作業は順調に進んでいます。
なかなか、充実した日々です。

スワイプファイルに合わせて「書く前提」でリサーチして材料を集めてきたので、ライティングの作業も楽ちんです。つなぎあわせて、日本語的におかしくないようにしていくだけです。

・・・・できた!

できました。あの難しいスワイプファイルを使った、日本初のプロモーションが。。。

でも…

・・・ん?

・・・・・んん??

・・・・・・・うーん、、、

でも、何かが違う…

どうもパンチに欠けるというか、面白くないというか、何というか、、、一言で言うと「売れなさそう」なプロモーションな気がします。

でもなぁ。そうは言ってもなぁ。。。

もしかすると、これは日本初の試みだから、見慣れないだけで実は相当「売れる」のかもしれません。が、明らかに僕の直感は「売れへんで~」と言っています。

・・・だんだん不安になってきました。

そんな時は、人に聞くのが一番いい!そう思って僕が最も尊敬するセールスライタにメールでレビューを依頼。

「作ってみたんですが、どうもしっくり来ません。レビューしてもらえませんか?」

すると翌日、返事が来る。

reply message

なんだこれ。ヒドい出来だな。
基本的なことが抜けてる。

寺本さんが作ったと思えない。

一応、途中まで赤ペン入れたけど、全部やり直したほうがいいだろうな。

ぬぉぉぉぉっっ、、、
仰るとおりです。。。
すみません(T_T)(T_T)(T_T)

・・・・

具体的な指摘はほとんどありませんでしたが、このようなストレートなレビューをもらい、根本的に間違っていたことに一瞬で気が付きました。

あきらかに基本的なことが抜けていたのです。。。勉強熱心なレスポンス読者なら気づいたでしょうが、僕は最初のスタート時点から間違っていたのです。

一つ目は、

「このスワイプファイルを使いたい」

という気持ちありきでプロジェクトをスタートさせたこと。

それによって、リサーチにバイアスがかかってしまっていました。本来であれば、その商品の魅力を最大限伝えるためにはどんなアイディアがいいか、という企画があって、それに合ったスワイプファイルを選ぶべきです。時にその企画やアイディアとスワイプファイルをあーでもないこーでもないと行ったり来たりしながら、マッチさせていくべきです。

が、、、今回の場合は最初から「これで行く」と決め打ちでした(しかもちょっと特殊なスワイプファイルだったというのが余計に悪かったところです…)。

二つ目は、

「みんなを驚かせたい」

という気持ちです。

「みんな」がもし「顧客」なら問題ありません。顧客を驚かせたいというのはセールスライターとして素晴らしい心構えです。でも僕の場合は「みんな」=社員やコーチングのメンバーなどの「同業者」でした。同業者を驚かせたいというのは「エゴ」でしかありません。。。

というわけで、不純な目的でスタートしたプロジェクトで、いい成果物ができるはずがなかったわけです…。

大反省…(T_T)

いつか読んだ本に、こんなフレーズがありました。

「大胆なことをするには、謙虚になる必要がある。」

オレは何でもできるんだぜ、魔法使いだぜ。顧客のことなんて何でも知ってるぜ。

そんなやり方ではビジネスはうまくいきません。大胆な結果は得られません。たとえ一時うまくいったとしても、長続きするはずはありません。

人間は、基礎的なところから崩れていきます。基礎の重要性は初心者だろうが上級者だろうが変わりません。

重要なことはいつも重要なのです。

ビルを建築し終わったからといって、基礎を取っ払っていいはずがないのと同じで、基礎を卒業する、ということはありえません。

あのプロモーションをそのままリリースしていたら、、、経済的に大損していただけでなく、周りにも相当の悪影響があったでしょう。。。(僕に「レビューしてもらおう」という、わずかな謙虚さがあって助かりました(笑))

大事なことを思い出させてくれたレビューに感謝ですね。

謙虚さを持ちながら、基本に忠実に…

fasdf

寺本 隆裕

ダイレクト出版取締役。セールスライター兼マーケター。クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、プロジェクト1件で、一流企業のエリートサラリーマンの年収を軽く超える額をチャージ。さらにそこから売上からのロイヤリティがかかる。これほど日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず「書いてください」という人が後を絶たない。著書には『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』『ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)がある。

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