From:小川忠洋
西宮のオフィスより、、、
先週、英雄のダメな広告の話をしたよね。(こちら)いつもダメな広告ばっかりいじっているのでは申し訳ないから、今日はとても良い広告を紹介しようと思う・・・こないだ郵便局に振り込みか何かで行った時に見つけた広告。
売ってる商品には全く興味がなかったんだけど(ここ重要)広告があまりに良くできていたので、素晴らしいと思って手にとってしまった・・・広告が素晴らしいと思って手に取る人はまぁわれわれザレスポンス・コミュニティの奇人たちだけだろうけど、何だろうな、オモシロそうだな、と思って手に取る人も多いはず・・・その広告がこれだ・・・
ごらんのようにアフラックのがん保険の広告。がん保険って売るのめちゃくちゃ難しいよね。だって欲しくないもん。いわゆるニーズ型商品なので、欲求を刺激して売ることができない。(ちなみに世の中にある高額商品はほとんどウォンツ型の商品。「欲しい!」って強く思う方が価格が高く売れる。「買わないとな」と思う商品はできるだけ安くすましたいと思う。これが人間の性)
がん保険を見て、テンションが上がる人はなかなかいないと思う。つまり大抵の人は普段からがん保険なんかには興味がないわけで、、、そんな人たちを惹きつけてしまうのが、この広告だ。
いわゆる記事広告(エディトリアル)というやつで、お笑い芸人の宮迫が、実際にがんになったときの話をしている。ふつーの雑誌の記事のように読める内容なので、読んでいても抵抗を感じない。(ここも重要:一般的に人はセールストークに対しては心理的抵抗を感じる。お店で接客されたらプレッシャーを感じるのと同じ。なぜなら、そうしないと次から次へと何かを買わされて、生存の危機に陥る。つまり防衛本能が働いてるわけ)
しかしこのような記事広告はその防衛本能をステルスのようにかいくぐってメッセージを相手に届けることができる。素晴らしい。
もう一点素晴らしい点は、やはり「家族」や「子供」の事を持ち出していること。「パパは大丈夫や」という息子の話。これがあるのとないのでは大違いだし、恐らくアフラックのセールスライターは、がん保険に入る「動機」を調べて、その一番トップに来ていたのが「家族のため」「子供のため」だったんだろう(まぁ容易に想像がつく)だから、そこの動機を押さえるため、このような息子の話を宮迫にしてもらう必要がある。
非常に短い文章ではあるが、この中で、キッチリ、相手の関心を引いて、相手にその状況をイメージさせて、購買動機のトリガーとなる感情を刺激している。素晴らしい!素晴らしい!あっぱれとしか言いようがない。
もちろんがん保険なので、必ず販売員の説明が必要だから、説明につなげるようにしなければいけないが、これと同じ方法はあなたの商品でも使えるんじゃないだろうか?宮迫までのタレントを使うことはできなくとも、顧客の中の有名人であったり、あるいは有名人である必要もない。
ぶっちゃけ何かをセールスするときに最も信用ならないのは売り手である「あなた本人」だ。だから、あなた以外だったら誰でも良いいくらい。(残念なニュースではあるが何度も言うようにこれが人間の性w)あなた自身の人格が疑われているわけではないから、その辺は気にしないように(笑)
この広告の素晴らしいところは、がん保険にまったく意識のいっていない潜在顧客が、がん保険(商品)やがんになった時のこと(商品がない事で起きる問題、緊急事態)について、意識に上ってきて、行動につながるように設計されていることだ・・・
エーユーもこういう人を雇った方がいいんじゃないかな(笑)あなたはどう思うかね?
ーおがわ
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします