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絞り出す VS 選び取る

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From:寺本隆裕

From:寺本隆裕

「講演の帰り道。ほかにもこんな良い話があったのに言い残してしまったと、自分を責めるようでなければ、その講演は失敗だったと思う。」

これは、今までに3000万人以上に向けて講演をしてきたトップ講演家の言葉。なぜ、言い残してしまったことを後悔しなければ、失敗なのか?あなたはわかりますか?そしてなぜこれが、いいコピーライターになるための秘訣なのか、わかりますか?

人に何かを伝え、人の心を動かす講演家と、我々コピーライターの仕事にはとてもたくさんの共通点があります。

どうやって聴衆の気を引き続けるのか、というのは、どうやってコピーを読ませ続けるのか、というのと似ていますし、どうやって「行動したい」と思わせるのか、というのは、どうやって「今スグ注文したい」と思わせるのか、というのと似ています。どうすれば難しい事をいかにシンプルにわかりやすく、インパクトを持って伝えられるのか、という部分も同じです。

最初に紹介したこの言葉、

「講演の帰り道。ほかにもこんな良い話があったのに言い残してしまったと、自分を責めるようでなければ、その講演は失敗だったと思う。」

は、一体どんな意味なのか?それを尋ねると、講演家の彼はこう答えました。

「長年の経験から私は、まちがいなく聞く値打ちのある話には、持ち時間に話せるものよりはるかにたくさんの材料が、余分にたっぷりと蓄えられているものだ。」

ある有名記者の秘密

ある有名記者も、彼と同じような事を言っています。記者は頼まれた短い記事を書くのに必要な情報を集めても、それで決して満足しません。その後もそれに関する情報(記事に使える量の十倍にも及ぶ膨大な情報)を集めているのです。

なぜか?

理由は簡単。実際に記事として読者に紹介できる知識がわずかだったとしても、表に出さない(記事に書かない)色々な情報は、実際に表に出たわずかなものに迫力や深みを与えるからです。

トップコピーライターの秘密

同じように、成約率の高いコピーが書けるトップコピーライターは、実際にコピーに使う量よりもはるかに多くの情報を収集します。いわゆる「リサーチ」ですね。コピーの最初の一言を書く前に、あらゆることを徹底的にリサーチします。

  • 見込み客が考えている事、悩んでいる事、望んでいる事は何?
  • それを、商品がどのように解決する?
  • マーケットの状況は?タイミングは?競合のオファーは?

などなど、、、書くべき事を、実際に書く量よりもはるかにたくさんリサーチし、材料を集めるのです。

コピーライターは、何か頭の中から新しい発想を生み出して、聞いた事のないような文章で表現する「クリエイティブ」だ。と思っている人がいるかもしれませんが、実際はそうではありません。あるコピーライターは「コピーライティングに必要なのはコネクティブだ」と表現しています。コネクティブとは、つなげる、という意味。リサーチした内容をつなぎ合わせて、一つのコピーに組み立てていくのです。そこにいわゆる、「クリエイティブ」は必要ありません。むしろ邪魔なだけなのです。

絞り出す VS 選び取る

よく、「コピーは才能だから書けない」とか「なかなか書く事が浮かんでこない」という話を聞く事があるのですが、その理由は簡単。書くべき事を書く前にリサーチして集めていないからです。あるいは、集める量が不足しているからです。

そういう人は、コピーライターとは、白紙にペンを持って向かい合い、頭から絞り出して書くものだ、というようなイメージを持っているのだと思います。マンガでよくあるような、締め切りに追われている頭ボサボサの作家が、ぐちゃぐちゃに丸めた失敗原稿の山に囲まれているようなイメージでしょうか。でも実際は違います。

コピーは頭から絞り出して書くものではありません。大量の材料を集め、その中から書くべき事を選び取る。あるいは組み合わせていくものです。

どれくらいリサーチすればいいのか?

これはあなたのそのマーケットへの知識量や、書くコピーの内容によりけりなので、何とも言えないところです。とはいえ何らかの参考が欲しいと思うので、あるトップコピーライターのリサーチ量を紹介しましょう。

  • 彼は実際に書くコピーの数十倍の文字数の材料を集めます。
  • 例えば、本に関するコピーであれば、その本を4回は読みます。
  • ノート1冊が埋まるほどリサーチします。
  • コピーを仕上げるまでのトータルの時間の30%~40%をリサーチに使います。

あなたのリサーチは十分ですか?

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寺本 隆裕

ダイレクト出版取締役。セールスライター兼マーケター。クライアントのためにセールスライティングを請け負う場合、プロジェクト1件で、一流企業のエリートサラリーマンの年収を軽く超える額をチャージ。さらにそこから売上からのロイヤリティがかかる。これほど日本で最高クラスの料金設定にもかかわらず「書いてください」という人が後を絶たない。著書には『ウェブセールスライティング習得ハンドブック』『ダン・ケネディから学ぶ「稼ぐ社長」の作り方』(集英社)がある。

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