FROM：北岡秀紀

セールスやダイレクトマーケティングのメッセージを作る際に、重要で当たり前だけど忘れがちなポイントが２つあります。

ひとつめが、商品の機能ではなく、見込み客のベネフィットを伝えること。
つまり、その商品を使うことでどういう未来が手に入るのか、それによってどんな感情が得られるのか、ということですね。

見込み客が商品を使ってどんな理想の未来を得られるのか？
五感で感じさせることが重要です。

それだけでは、商品は売れません。
なぜなら、理想の未来を得られるにも関わらず、買わないのには何らかの理由があるからです。

払っても成果が出ないんじゃないか？と心配しているのかもしれません。
得られる未来に対して、払うお金が高いと感じているのかもしれません。

ですから、得られる未来を伝えることは重要ですが、それだけでなく見込み客が買わない理由を考え、それを先回りしてつぶすことも必要になります。

例えば、効果がわからないというのが買わない理由だとすれば、お試し版を作ったり、返金保証を付けたりすることができるかもしれません。
高いというのが買わない理由だとすれば、買いやすいように分割払いにしたり、エントリー版を準備したり。

この「買わない理由を潰す」というのが、メッセージ作成の２つめのポイントです。

これ考えた事あります？

で、ここからが本題。

この「買わない理由」というのは、一部、セールスやマーケティングの本でも言われていることですので、ご存知かもしれません。
当たり前のこと今更言うな、と思うかもしれません。

しかし、この「買わない理由」の中で、めちゃくちゃ重要なのに、ほとんどで触れられていない、触れられていてもほんの少し、という扱いをされているものがあります。

それが、「変化しない事で得られるメリット」です。

繰り返すまでもありませんが、商品を購入する、使うということは、それを通じて理想の未来を手に入れるということです。
ダイエットサプリであれば、ヤセた自分。ヤセて自信を取り戻した自分。ヤセてモテモテの自分。みたいな未来を手に入れようと買っているわけです。

お客さんは確かにヤセるという理想の未来を手に入れるのは素晴らしい、と感じています。
しかし、一方で理想の未来に行くことを拒む自分もいます。

その理由は変化しない事で得られるメリットがあるから。
そのメリットを得続けるために、変化しない、変化したくない、つまり商品を買わないという決断をすることがあります。

ダイエットの例でいけば、
太っていれば好きなものを好きなだけ食べられる
太っていれば今さら外見を気にしなくていい
「ヤセたいわ～」という会話（コミュニティ）に参加できる
などなど様々なメリットを得ています。

「変わらないメリット」
これを手放したくないから、理想の未来に行く（＝商品を買う）ことを拒むのです。

コミュニティの力

ちなみに、儲かっていない経営者というのは、大抵、儲かっていない経営者といつも飲んでいます。
「政府が悪い」「景気が悪い」などと外部要因のせいにしてクダを巻くコミュニティに参加している訳です。
しかし、自分が間違って（？）稼いでしまうとそのようなコミュニティから阻害されてしまうことになります。
それが事実かどうかは別として、そこに潜在的な恐怖を感じているのです。つまり、ひとりぼっちになるのが怖いのですね。

何かを共感するコミュニティがあって、そこに満足を感じている…
これは多くの人がもっている「変わらないメリット」です。

（ちなみに、この話を逆に考えると・・・
あなたが儲かっていない経営者だとすれば、思ったような自分になっていないようであれば、それを正当化させるコミュニティに満足を感じてませんか？ってことです。）

今見込み客が変化しないことで得ているメリットは何でしょうか？
それをつぶさない、尊重できるようなオファーやメッセージは何でしょうか？

立ち止まって考えてみてください。
メッセージが一気に伝わるものに変わるのを実感できるはずです。

– 北岡秀紀