From:北岡秀紀
「勝って兜の緒を締めよ」
ではないですが、儲かっている時こそ気をつけろ、というのはよく言われることです。
では、具体的にどこに気をつければいいのでしょうか?よく言われるのはキャッシュフローです。数字上は黒字だけれど、生産のためや販促のための現金がないということが起こります。
ただ、このあたりは大抵の人が指摘していて、なんとかなるものですが・・・意外と指摘する人が少なくて考えにも入っていない。でも、かなり重要な儲かっているときにこそ起こる問題があります。
それは、お客によってビジネスが崩壊させられるというパターンです。
儲かっているということは、大量のお客が入ってくるということ。それは非常に嬉しいことではあるわけですが、それに比例して(ブーム的に儲っている場合は、それ以上の割合で)悪いお客、自社に合わないお客が入ってきます。
この数が増えるほど、一気に対応コストがかさむことになります。
結果、あなた自身やスタッフがストレスフルになり、会社の雰囲気が悪くなったり場合によっては病気が頻発し、組織が内部崩壊するという会社を私はたくさん見てきました。
小さな会社の商品・サービスを購入してくれるお客というのは、「応援」という意味も含めてちょっとした不具合なども笑って見逃してくれているということも少なくありません。
しかし、一気に流入してくるお客は、そういうマインドではありません。なので、今までと同じものを提供し満足してくれていた商品を提供したにもかかわらず、満足してもらえない。そのようなことが起こります。
それだけで済めばいいですが、ソーシャルメディアで評判を大きく傷つけられ、再起不能に陥る可能性も十分にあり得ます。
マーケッターとしての社長からすれば、儲かっているときこそイケイケドンドンでしょう。 しかし、その陰で様々な歪みが出ていることも忘れないでください。 集客を倍にすると、問題も倍もしくはそれ以上になります。
ですから、集客する場合は、悪いお客、自社に合わないお客が入ってこないように、繰り返し自社のメッセージを伝えることが重要です。 ただ、どうやってもそのようなお客は必ず入ってきますから、紛れ込んでいると感じたらそのお客はスッパリと切るようにすることです。
そして、クレームに関しては謝罪や対応はもちろんですが、それ以上に根本的な発生原因を探りクレームが発生しないようにしていくことも重要です。(ちなみに根本的な原因の大半が、「社長」であることは付け加えておきます。)
どうしても儲かっているときは、売ることにどうしてもフォーカスしがちですが、少しスピードを落として、ビジネスの改善をするという選択肢もアリです。
このネット時代、ボカンっ!!!と突然売れるようになり、嬉しい悲鳴をあげられるチャンスは増えています。なので、今は「まだまだ」と思っていても、ぜひ今日の話は頭に入れておいていただきたいと思います。
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