From:ダン・ケネディ
毎年恒例のインフォ・サミットに参加するために、シカゴに行ってきました。
シカゴといえば、ためになる教訓や歴史から学ぶことの多い都市です。
その一つがイリノイ大学出身で、アメフトチームのシカゴ・ベアーズのハーフバック、ハロルド・“レッド”・グレンジ(1903年6月13日~1991年1月28日)の逸話です。「疾走する幽霊」の異名を持つ彼は、NFLの発展に寄与したと共に、「プレーへの報酬」の正当な価値を勝ち取るという功績を残しました。
シカゴ・ベアーズのオーナー兼コーチ兼選手だったジョージ・ハラスは、イリノイ大学の「疾走する幽霊」を目当てにスタジアムに大勢の観客が押し寄せていることに注目していました。ハラスはベアーズの試合も同様に、グレンジのプレーに魅了されたアメフトファンを集客できると期待し、入団契約を交わしたのです。
プロのアメフト選手の平均的な報酬が1試合につき100ドル(1万円)にも満たなかった時代に、ハラスはグレンジに年間19試合の契約料に入場料の売上配分をプラスした10万ドル(1000万円)に相当する年俸を約束しました。
学生選手を卒業したグレンジは1925年の感謝祭の日、カブス・パーク(現在のリグリー・フィールド)でのシカゴ・ベアーズ対シカゴ・カーディナルスとのデビュー戦に出場しました。その日の入場券の売上枚数は3万6000にも及びました。その後も「疾走する幽霊」は数カ月にわたり40万人以上の観客をスタジアムに動員し、プロスポーツ選手の「プレーする報酬」を確立したのですよ。
どんな分野においても「古き良きもの」が存在します。何事にも先駆者がいて、最長記録、最高記録、最大記録を打ち立てる者が続くのです。特にビジネスやキャリアにおいて、まだあなたが目標とする地点に到達できないでいるのなら、物事がどのようにステップアップしていくのかを知るためにほかの事例に目を向けることは非常に価値のあることですよ。
例えば、一昔前のマーケティングモデルや古い媒体を使ったマーケティングにもまだまだ有効なものがありますよ。ある会社が何年もの間、数百万のリードと数百万ドル(数億円)の収益を獲得していたら、どうやって成功しているのかを調べてみるのです。それはたった一つのマーケティングキャンペーンが大当たりしたおかげだと突き止めることができるかもしれませんよ。
過去の事例を知らないということは、何が成功して何が失敗するかの最適な判断基準を奪われているも同然ですね。過去の正確な事例と知識があればこそ、望み通りの最適な結果を導くことができるのです。
実際の所、過去に売り出されたサービス、広告の見出し、保証サービス、製品などがどうマーケットに受け入れられたかを知らなければ、新しいマーケティングや製品やサービスに対する反応を予測することは不可能です。過去の事例研究を怠っていては、顧客からの不満やビジネスの失敗、はたまた不愉快な反応を招くでしょうね。
マーケティングにおいては、スワイプファイル(テスト・実証済みの広告やセールスレターを使った参考資料)が新しいプロモーションを産みだすアイディアの引き出し作りにとても役立ちます。でも、それ以上に過去の成功事例やダイレクトメールについての知見を深めることが、おそらくダイレクトメールマーケティングをマスターする確実な近道なのです。過去の事例を調べれば、同じパターンが何度も繰り返し成功していることにびっくりするでしょうね。
それからスワイプファイルについて、ぜひやって欲しいことがあります。特にマーケティング担当者としてオリジナルのセールスライティングをしている人は、毎週最低1つは過去に成功したダイレクトメールのプロモーション事例を読むべきです。もしあなたが読んでいるのが、「Lifetime of Work Deluxe Archives Collection」(ダン・ケネディ事例集アーカイブコレクション)で私が紹介しているような画期的なプロモーションであれば、尚さら完璧ですね。
「古き良きもの」は存在します。「疾走する幽霊」が選手の報酬を上げるために成し遂げた功績が良い例です(スタジアムとチームオーナーにも雇用と収入をもたらしました)。結果から報酬を引き出すビジネスモデルについては言及するまでもないでしょう。過去のベストな事例について学ぶことは、成功への何よりの近道なのですよ。あなたは大丈夫ですか?成功事例の研究をしたことがないという方は、今すぐ始めましょう。
-ダン・ケネディ
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