From:北岡秀紀
「数字に弱い」って社長さんは多いです。
集客さえできれば困ることはないんだから、とうそぶく社長さんもいます。
そして、実際「集客さえできれば…」とおっしゃる有名マーケッターもいて、それを正当化する材料にしている社長さんもよくいます。(というか、それが私でした。)
が、ビジネスを適切に運営していくうえで「数字」は欠かせません。
儲け「続けて」いる社長で数字を見れない社長って、よほどの管理者がいるか、ビジネス構造上粗利額が大きくて先払いのビジネス以外では見たことがありません。
もちろん管理者がいてもウソをつかれるかもしれません。
粗利が大きくてキャッシュフローが読めたとしても、社長が「数字」を読めれば打ち手は増えてきます。
さらにいえば、数字は正解のないビジネスの世界の中で唯一の正解です。
マーケティングはやってみないと当たるかわかりません。
が、数字は結果ですから動かしようがありません。
さらにビジネスで出てくる数字って、足し算、引き算、掛け算、割り算しかありません。
そう考えれば、数字は苦手でもそこそこまでは理解できます。
数字が読めないという人はまず2つ「比」を意識すると数字が見えてきます。
ひとつ目の「比」が「比較」。
過去との比較。同業など他との比較です。
ほとんどの場合、単体の数字があってもそれは意味をなしません。
例えば、セールスレターの成約率が5%だとして、その数字が良いのか悪いのか?
それは過去の同じようなお客さんに向けて同じような価格やタイプの商品を売った時の数字と比べる必要があります。
あなたがセールスコピーを書いていれば「5%」と聞いた瞬間「良い」と判断する人は多いと思います。
そういう方はセールスレターで1%程度の成約率みたいな経験則を持っているはずです。
けれど、しっかりとリストをスクリーニングして優良客だけに販売すれば、20%くらいの成約率が出ることもあるわけで…そこが比較対象だと「低い」と判断することも可能です。
つまり、数字は比較することで意味をなす、ということです。
今月の売上、利益、利益率etcだって、昨年や一昨年と比較して伸びているか見ないと意味がありません。
そして、もうひとつの「比」が「比率」。
数字を見るとき、分母はどれくらいなのかを知る必要があります。
例えば、商品が3つ売れた。
そのとき、5人に営業をかけて3つであれば、成約率60%。
けれど、100人に営業をかけて3つであれば、成約率3%。
もちろん同じ商品という前提ですが、前者であれば「良い」と言えるでしょうし、後者であれば「悪い」。
また、売上、利益、利益率が、昨年や一昨年と比較して伸びているか見ないと意味がないと前述しましたが…
その伸び率が業界の伸び率よりも低ければ、あなたの会社は業界から置いていかれていると考えられます。
いかがでしょうか?
もちろん数字はいくらでも細かく見る余地があります。
例えば、成約率60%と成約率3%それぞれの分母になるお客さんの質はどうなのか…とか追求すればキリがありません。
それを追求できるようになるためにも、正確に何かを読むためにも、まずは「比較」と「比率」を意識してみてください。
たったそれだけで数字の見方がかわるはずです。
-北岡秀紀
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