From:北岡秀紀
先日、「プロダクトローンチマネージャー」なる謎の職業の方にお会いしました。
要は、プロダクトローンチを代わりにやってくれる、という人だそう。
ここでいうプロダクトローンチはIT系界隈で使われる新商品の販売開始のことではありません。
短期間で一気にリストを集め数本の動画などで”見込み客教育”をして、数日間でン千万円単位での売上を目指す手法のこと。
情報系の人たちがよく使っている手法ですね。
彼の話を聞いていると
などなどたくさんの人が関わっています。
これらは全員マネージャーが準備します。
で、彼らはマネージャーがクライアントから得た成果報酬を分配するのだそう。
「そんなの手元に大してお金残らなくないですか?」と聞くと、案の定「YES」ですって。
以前はプロダクトローンチで億単位が売れたり、数千万円単位でも1億に近い金額にいったそう。
だから、みんなで分配してもそれなりの金額になったらしく。
けれど、みんなが同じ手法をやり倒してうまみがなくなってきた、と。
彼と話をしていて一番気になったのは「自分ではできないから、やれる人に任せる」という言葉でした。
自分ができないから「やれる人に任せる」って普通のことのように思えます。
が、誰かに任せるというのはその分、人件費がかかるわけで。
その人件費を十分に回収できるだけのビジネスモデルを作っているなら、もちろんそれはそれでいい。
けれど、当たるか当たらないかよくわからないプロダクトローンチで人件費を増やすなんて、自殺行為にしか思えません。
苦しい窮状を訴えられましたが、まァ、そりゃ自業自得でしょう、と。
固定費もかからないわけだから、そんな烏合の衆とは手を切って一人で別のことでもやれば?とアドバイスしてお帰りいただきました。(実際には、もうちょっと丁寧に話してますよ。念のため。)
自分ができなければ、人に任せる。
この考えって素晴らしいことのように思えます。
しかし、その仕事について全く理解しないまま任せてしまうと…
効率の悪い働き方をしていても
任せた人から金額をボラれても
問題が発生して原因を発見しようとしても
あなたでは全くわからない、対処できないということが起こります。
他に責任者がいればいいですが、30億円程度までの中小企業であれば通常社長がすべての責任者です。
責任者であれば、ある程度、その仕事の内容について理解しておくことが必要ですよね?
その意味でいうと、できないから短絡的に任せるのではなく、一度概要でもいいから理解する。
これだけで無駄な費用や余計な遠回りを減らすことができます。
実際、優秀な社長って、実は全行程を全部やれるって人めちゃくちゃ多いです。
しかも、人並み以上に。
嫌いだろうが何だろうが、とりあえずできる。
「苦手なことは任せよう」
事務作業とかをやりたくない私たちにとっては甘美な響きで信じたくなりますが…それはその仕事を一定以上理解してからのことって理解したほうがいいです。
-北岡秀紀
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