From:ダン・ケネディ
今回は悲劇が襲った時にどうするべきかについてまとめたいと思います。あなたが自分を守り、罪悪感を持つことなくその悲劇から恩恵を受けるにはどうしたら良いのでしょう。
非常に実用的な提案をしましょう。悲劇が襲った時は、とにかく自分にできる良い行いをすることです。ただの義務感や仲間のプレッシャーからではなく、あなたの心に従って行動するのです。必要とされる物やサービスの販売者として、もしくはここぞとばかりにチャンスに乗る投資家として、またはビジネスと慈善活動を繋げることによって宣伝して利益を得るビジネスマンとして、恩恵や利益を受ける機会があるのならば迷うことなく実行するのです。
それを神経質に気にしたり、後ろめたく感じたりしてはけませんよ。あなたとあなたのご都合主義は私たちの経済を回していくために絶対的に必要なものなのです。それなしでは、どんな良い行いも決して資金援助を得られず、成し遂げられないのです。起業家の逆境とチャンスの原理の解釈、その利用方法、機敏性、そして儲け話を嗅ぎつける力は、ただの個人的財産ではなく、社会的財産なのです。
ハリケーン災害に襲われたニューオリンズの救済義援金を集めるため、全国放映されたコンサートに出演した歌手やグループについて考えてみてください。よく考えてくださいよ。そう、彼らは無償で働きました。彼らは我先にと名乗りを上げたかもしれませんね。そして率先してそのような番組に出演したいと強く望んだのは、本当に慈善の心と思いやり、そして何か建設的なことがしたいという思いからだったかもしれません。
しかし私はエンターテイメント業界の末端で働いた経験も十分にあるのでわかるんです。エンターテイナーやミュージシャンについている数え切れないほどのエージェント、マネージャー、広報係たちは、それぞれの影響力を利用してそのようなステージや番組に出演させようと躍起になっていたはずですよ。
そのポジションを巡っての争いは、ハリケーンの後に避難所となったヒューストンのアストロドームで起こった水のボトルの奪い合いと同じくらい、悪意に満ちたひどいものだったでしょう。
なぜでしょう?
それは、そのような番組に出演することによってCDが売れるからです。いたって単純な理由ですよ。そしてどんなアーティストだってゴールデンタイムに出演後、惨事を利用して利益を得るのを避けるために1週間CDを店で販売するのを自粛したりなんかしません。するべきでもありませんね。
これは、最も動きが速くて強いものが生き残り、最も遅くて弱いものが絶滅するというジャングルの掟と何ら変わりはありませんし、むしろ物事のあり方という観点から言えば現実的で合理的だと思いますよ。これは事実なんです。同様に、悲劇とチャンス、慈善とお金儲けの関係も、現実としてそこに存在するのです。
これらは信条によって変わるものではありません。無視することはできますが、その存在を否定したり消したりすることはできないのです。少なくとも直接的に関わることを拒否することはできますけれどね。しかし目をふさいだり、関与しないという選択をしたとしても、そうした世の中の動きを止めることはできないのです。
それに、私欲を抑制したり否定したりすることは、性的欲望を抑制したり否定したりするのと同様なのです。人としてもっと合理的なのは、機会あるごとにチャンスを求めることです。他の人の利益にもなり、悲劇や逆境を和らげ、何かを得たら極力同時に何かを与えることができるようなご都合主義に徹し、成功し、感謝し、寛大になるべきです。
「どうやって力になろうか?」、「何か自分にできないだろうか?」といったことと、「どうやって利益を出そうか?」ということを同時に考えることに問題なんて何もないのですよ。
また、チャンスはあっという間に通り過ぎてしまうものだということも言っておきましょう。ためらいは時に神経質な人に見られることもありますが、それは神経質であることそのものと同じくらい損害を与えるものなのですよ。
– ダン・ケネディ
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします