From:北岡秀紀
「会社を成長させるためには社長が人格を磨け」
こういうことを言うエラい大先生っていますよね。
結論から言うと、こんなのウソです。
もしコレが本当だったら徳の高いお坊さんは全員大金持ちです。
良い人だけれど、儲かっていない社長もいますよね。
それに、ものすごーいイヤな感じの儲かっている社長と会ったこと、あるはずです。
社長としてビジネスを成功させるスキルと人格は全く別物です。
それでも「会社の成長=人格」という人は、宗教的な観点をビジネスに持ち込んでいたり、下の人間が「こうあってほしい」という願望に過ぎません。
人格的に未熟だと周囲の人間から足元をすくわれて最後は失敗するなんて言われます。
でも、死ぬまで帝国を維持し続けた横暴な社長はたくさん存在しますし、周りからいい人と言われていた社長がダマされたなんて話はゴマンとあります。
ビジネスの成功と人格に論理的な整合性は全くありません。
では、人格なんてどうでもいいのか?というと、それは違います。
結局、あなたの美学次第です。
人格なんかより、周りの人間なんかより、とりあえず会社が儲かって、社会から注目され、「成功者」と言われれば満足である。
こう考えるのなら、ひたすらビジネスの成長を追えばいい。
せっかく生きるなら人格も磨いて、素晴らしい人物になりたい。
葬式で本当に泣いてもらえる人物になるほうが気持ち良い。
そう思うなら、自分の人格を高めるべくビジネスの時間も含め日常生活を過ごしたほうがいい。
それだけのことです。
だから、自分の信条として「会社の成長=人格を高めること」と考えるのは好きにしていいでしょう。
私自身も仕事を通じて人格を磨いていくことができればいい、とは思っています。
でも、それは葬式で泣いてくれる人が多いほうがステキな人生だと思うからであって、会社を成長させたいからでは一切ありません。
因果関係がないものを、さも関連性があるかのように考えることはあなたの意思決定を歪めます。
極端な話、「今日は黒猫が目の前を横切ったから売上が下がるな」と考えるようなものだからです。
この話だったらおかしいと言えますが…
ここに道徳・キレイゴトを含めた瞬間、誰も否定できなくなります。
その思考停止のほうがよほど危険です。
正直、「ビジネスの成長には人格を高めることだ」と言うほうが何かと都合はいいんですが…
関係ないものは関係ありません。
そもそも会社を成長させたいという下心のために人格を磨くって何か矛盾しているような気がするのは、私だけでしょうか。
-北岡秀紀
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