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米空軍が発見した勝利の秘訣

2017.6.27 | ,
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From:山田光彦

「なぜ、アメリカ空軍は性能の低い戦闘機で、敵を圧倒できたのか?」

このちょっと不思議なことが起きたのは、朝鮮戦争。

当時は、アメリカ空軍が使っていたのはF-86戦闘機。

このF-86戦闘機は、敵国だった旧ソ連側のMig15戦闘機よりも、加速、旋回、上昇など物理的な性能面で劣っていました。なので、普通に考えれば、旧ソ連空軍が勝つのが自然です。

ですが、実際に交戦してみると、アメリカ空軍が旧ソ連空軍を圧倒。諸説あるようですが、アメリカ空軍が1機撃墜される間に、敵戦闘機10機撃墜するぐらい圧倒的に勝利したんです。

なぜ、こんな結果になったのか?

この答えを探すために、米軍のパイロットだったジョン・ボイド氏が調査を開始。最初は「単純にパイロットの腕なんじゃないか」というような話だと思われていたようなのですが、、、実際には少し違いました。

具体的には、パイロットの「視野の広さ」と「操縦が軽い」ことがポイントだ、という結論が導かれました。

パイロットの視野が広いことで、敵機の様子がよく見えるようになる。なので、次にどういう動きをすればいいのか、というのがすぐにわかります。それに、戦闘機の操作に大きな力が必要になると物理的・心理的にパイロットにかかる負担は大きくなりますし、操作性が低くなってしまう。でも、操作にほとんど力が入らなければ、操作性が高くなる。

この2つの要因が、加速や旋回、上昇などの物理的な性能で上回る敵戦闘機を打ち破った原因だという結論に至りました。

つまり、戦闘機の性能よりも、パイロットが、状況に合わせて意思決定をして行動するためのスピードを上げる。スピードを上げることが、勝利の秘訣ということがわかったんです。

そして、この勝利の秘訣などを元にジョン・ボイド氏は軍事理論を構築するなど、アメリカ陸軍や海兵隊やビジネスの世界にも影響を与えるようになりました。

スピードが勝敗を決したある巨大市場争奪戦

少し前。

次世代の音楽ディスクの覇権を争っていた2社がいました。

その覇権を握ることができれば、巨大市場を手に入れることができるのは明らかで、2社に技術的な大差はありませんでした。なので、その競争は激しいものになるだろうと予測されていたのですが、、、一気に決着がつき、一方が覇権を手に入れました。

その争奪戦に勝ち、覇権を握った側が使ったのがスピードを重視した戦略でした。

この次世代の音楽ディスクはまったく新しい技術。なので、通常であれば、だれに、どんな訴求で、いくらで売るのか、といったことを時間をかけてリサーチするのが普通です。ですが、そんなことはすっ飛ばして、市場に素早く商品を投入して、反応を見てみるやり方を採用。

次々に商品を市場へ投入したことで、低価格の商品がよく売れることが明らかになってきたんです。そして、ここでもスピードを重視して、低価格帯での新商品をどんどん投入。売上を伸ばし、一気に市場を自分たちの次世代音楽ディスクで埋め尽くしていき、覇権を一気に握ってしまったんです。

これは少し前まで、音楽ディスクのスタンダードだったCDプレイヤーの話。ちなみに、争っていたのは日本ビクターのAHD(Advanced High Density Disc)。僕はこの話を知るまで、AHDというのは聞いたことがありませんでした、、、それぐらいCDプレイヤーの勢いがすごかったんでしょう。

スピード

ビジネスでスピードを追求することで、大きな成果を上げた事例は本当にたくさんあります。スピードをあげれば、効率的に仕事をこなせるというだけではなく、様々な効果があることがわかっています。

たとえば、お客さんが商品を買いたいと決めてから、それを手に入れるまでの時間が短ければ短いほど、お客さんは高い価値を感じます。代表的なものはFedex。翌日配送のサービスを打ち出すことで、普通よりも高い料金をもらうことができています。日本でも、普通郵便よりも、速達の方が高いですが、まあ、そりゃそうだろうな、と思いますよね。

Amazonも配送時間の短縮に力を入れていますよね。僕もはじめて、本を買った日の夜に、本が届いたときはびっくりしました。ですが、今テストが行われているドローンが配送をしてくれるようになれば、おそらく、もっと配送時間が短縮されることになるでしょう。ちなみに、ドローンの配送はイギリスでテスト的にスタートしているようです。

他にも、セールスレターを1通書くのに、30日かかる人と、3日しかかからない人がいるとすれば、その成果は単純計算で10倍になります。でも、それだけじゃありません。3日しかかからない人は、30日でセールスレターを10回書く経験値を積むことができます。どういうセールスレターが売れて、どういうものが売れないのか、10倍のデータが自分に蓄積されることになります。

そうなると、1年後、3年後、、、5年後にどれぐらいのスキルの差になるのか?ということを考えると、当然、恐ろしいぐらい差がついていることになるでしょう。

現状維持のリスクが増加…

それに、今は昔に比べて変化のスピードが圧倒的に早いと言われています。そうなると、当然ですが、その変化に合わせて自分たちのビジネスのやり方もスピーディーに変化させていかなければ、生き残れない、ということにもつながります。

「やりたいことはあるけど、なかなか行動できない」「やろうかどうか迷っているうちにどんどん時間が過ぎていってしまう」といったことが、環境の変化が早く、スピードが重要な世界では、こんな状態が一番のリスクになってしまう。そんな時代になってきているのかもしれません。

さいごに、、、スピード、時間といったことについて、僕がとても気に入っている言葉をご紹介します。

「人生を大切にしたいなら、時間を無駄遣いしてはいけない。
 人生は時間によってできているのだから」

By ベンジャミン・フランクリン(アメリカの実業家)

-山田光彦

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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