From:山田光彦
「人は感情でモノを買う」
マーケティングやセールスライティングを学んでいるなら、この言葉をきっと聞いたことがあるでしょう。この言葉は有名な一方で、実戦で活かすのが結構難しいもののひとつでもあります。
というのも、僕もセールスライティングを学びはじめたとき「人は感情でモノを買う」というのは、なんとなく大げさに伝えたり、感情的な言葉を使って煽ったりするものかな、と思っていたんです。でも、残念ながらそういう意味ではありませんでした。残念。。。
この結構、奥が深い「人は感情でモノを買う」という言葉。この力がよくわかる、ちょっとおもしろい事例があるので、今日はそれをシェアしますね。
コンビニなどで売っているコカ・コーラ。
あなたもきっと買ったことがあるでしょう。
たぶん、今でもいろんなコーラがある中で一番人気があると思います。ですか、、、昔、コカ・コーラ社が商品を売るときの感情を間違ってしまったせいで、急激に売上を落としてしまったことがあるんです。
というのも、昔、コカ・コーラのライバル会社であるペプシが「ペプシ・チャレンジ」という広告キャンペーンを実施したときのこと。ペプシ・チャレンジというのは、コカ・コーラとペプシ・コーラをどっちかわからない状態で、飲み比べてもらう。そして「どちらがおいしいか」聞いてみた結果、ペプシ・コーラの方がおいしい、という評価が出た。
その事実をペプシがアピールすることで、ぐんぐんシェアを伸ばしていった広告キャンペーンがペプシ・チャレンジです。1990年ぐらいの話だったと思うので、あなたが僕と同世代なら、なんとなく覚えているかもしれませんね。確か、ペプシマンとかが出てくるちょっと前ぐらいだったと思いますw
ペプシマンって懐かしいなー、という話は置いておいて、話を戻すと、、、ペプシに味が劣っているという評価をガンガンアピールされていたコカ・コーラ。そのコカ・コーラがこのペプシに対して反撃に出たんです。それが、、、
コカ・コーラ社が味のおいしいコーラを新しく開発し、市場へ投入したのです。昔ながらのコーラを売らないようにしたんです。ニュー・コークの味の方がおいしいかどうかを確かめた方法は、ペプシと同じような、どちらのコーラかわからないようにした味覚テスト。
昔のコーラよりもおいしいニュー・コークを投入したわけですから、売上が伸びるはず、、、だったのですが、実際はまったく逆。具体的にいうと、発売当初は売れていたニュー・コークの売上はすぐに失速。しかも、昔のコーラをたくさん家に買い貯めする人が出てきたり、消費者から抗議が殺到したということなんです。
味は新しいコーラの方が、おいしいということはテストで明らかだったのに、、、です。
そして、コカ・コーラ社はすぐに昔のコーラを「コカ・コーラ・クラシック」として再販売することになったんです。
もし、人が単純に物理的な性能・スペックのみで商品を買う生き物なら、、、人がコーラを単なる飲み物として買っているだけなら、ニュー・コークが古いコーラに負けてしまうわけはありません。
ですが、結果、ニュー・コークは大失敗。
つまり、人はコンビニで買うような飲み物ですら、物理的な性能だけではなく、感情や気持ちなどで商品を買っているわけです。そして、コカ・コーラを買うお客さんが感じていた感情・気持ちはおそらく「本物を味わう」ということでしょう。本物だから一番おいしいに決まっている、という思い込みというもあったのかもしれません。
もちろん、これは物理的な性能がどうでもいいという話ではありません。特に、その商品が世の中に出た当初というのは、物理的な性能が重要なことが多いです。ですが、徐々に基本的な性能が上がってくるにつれて、感情的・主観的なもののウエイトが大きくなってきます。一般論なので、例外もありますが。
たとえば、家ももともとは雨風をさけたり、財産を守ったり、安心できるスペースを確保するみたいことで作られるようになったと思うのですが、今、家を買うときに、これを基準に買う人は、、、あんまりいないですよね。
話を戻すと、コーラのように100円ちょっとで買うものを選ぶときでも、感情や気持ちは購入を左右する大きな影響力を持っています。それなら、きっとあなたが売っている商品・サービスをお客さんが買うときにも、何らかの感情や気持ちが大きな影響力を持っているんじゃないか、、、と思いませんか?
あなたの売っている商品・サービスを買うときや、使うときに、お客さんが感じたい感情や気持ちはなにか?
ぜひ一度、時間をとって考えてみてください。
これが明確になれば、セールスレターはもちろん、あなたが対面で商品を売るときの成約率もググッと上げてくれるはずです。
ー山田光彦
PS.
コカ・コーラってもともと薬で、コカ・コーラの「コカ」の部分はコカインって意味というのを知ったときには、ちょっと驚きました。もちろん、今ではもう入っていないとのことですw当たり前ですがw
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