From:ダン・ケネディ
今日は私が一番気に入ってるセリフについてお話ししたいと思います。
「君はクビだ!」
私の資産運用コーチグループと一緒に、アトランティックシティのトランププラザで、「The Apprentice」のプレミアを見ていた時のことです。
(訳注:Apprentice=アプレンティスとは見習いのことで、当時のアメリカ不動産王のドナルド・トランプ氏をホストに、彼の右腕として働く人材を発掘する番組。「You’re Fired!=君はクビだ」は番組内のトランプ氏の決め台詞)
ドナルド・トランプは正しい選択をしたと、我々は皆同意見でした。
クビになった男は、自分をうまく使ってくれなかったから活躍できなかったと文句を言っていたのですからクビになって当然です。
翌日のミーティングで、マイク・ウォルターズが新しく採用した男の話が上がりました。
マイクは彼の新しいオフィスに事務用家具を届けに来た男を高給で採用し、その男をプロジェクトマネージャーに指名したというのです。
その男の資質とは一体何だったのでしょう?
彼は自分が売った事務用家具が運ばれているのを見ながら、他の運搬業者やパーティション業者、電話業者、工事作業員たちが入り乱れる中を、誰に言われるでもなく全ての業者に指示を出し始めました。彼の監督のもと、10時間以上かけてオフィス全体がきちんとセットアップされたのです。
彼は、与えられた以上の仕事ができること、責任を取ること、そして「ガルシアへの手紙」を受け取るにふさわしいことを自ら証明したのです。
(訳注:ガルシアへの手紙とは、米西戦争中に米国大統領が所在不明のキューバ反乱軍のリーダー・ガルシアへの手紙を託した男ローワンの逸話。手紙を受け取った時にガルシアの所在を聞くこともなく、命令通りガルシアを探し出して手紙を届けたという)
多くの人は、何をすべきか詳細な指示を待つばかりで、言われたことしかせず、責任も取らず、文句ばかり言っています。
マイクは、彼が見つけた逸材に新しい役職を作って与えました。
トランプは、無能な男を即座にクビにしました。
人間とは自分の仕事を外注化されたとか、自分の仕事がなくなったとか、文句を自らかき集め、不幸のぬかるみにはまっていきがちです。
クリーブランドでは、いまだに鉄鋼所の作業員たちが、海外に仕事を取られていくことに文句を言っています。鉄鋼業界は、もう10年以上前に終わったのも同然なのにも関わらずです。
航空管制官たちはレーガン大統領が彼らを解雇したことに文句を言っています。何年前の話をしているのでしょうか。
まったく、私は文句言いが大嫌いです。
ーダン・ケネディ
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