From:ダン・ケネディ
前回の投稿では、価格についての問題、そして自分の時間と専門知識の価値を知ることについて書きました。今回はその続きとして、時間と専門知識の価値に見合う価格決定をする勇気についてお伝えしたいと思います。
CBSニュースのメインキャスターだったダン・ラザーが、彼の長い長いキャリアを終える時に語った言葉はどんなものだったでしょうか?まず私が言いたいのは、彼がいなくなってせいせいします。誰かが来た時のためにトレーラーハウスの掃除と犬を繋いでおくのを忘れないように。
冗談はさておき、ラザーは番組の最後に真っすぐにカメラを見据え「勇気」という言葉で締めくくったのです。
ダンは非常にリベラルな思想で、アメリカ社会に対し憂慮を抱き、批判的な発言もしてきました。誰もが立ち向かう勇気を持つ必要があると感じていました。もし「勇気」以外の自己肯定を表現する言葉が必要であれば、「喜び」「感謝」「楽観」「信頼」「期待」もしくは「お金と好機、そして権力と功績」の中から選んでもいいかもしれませんね。
ビジネスに必要なのは勇気です。価格設定や自分のビジネスの方向を決定づけるとき、自分のビジネスには合わない顧客を拒むとき、そして望む方向にビジネスを具現化するとき。こういった場面では、特に勇気が必要なのですよ。心理サイバネティクス(心理学理論の基本原理)の手順に従ってセルフイメージを高めることで、活気ある説得力のあるプランや知識と能力を基盤とした自信を持つことができるのです。
必要だとわかっていても、勇気を持つことは簡単ではないですよ。需要と供給の関係が自分にとって有利に進んでいるときには、とても簡単だと感じるでしょうけどね。勇気を持つことで、自分の広告、マーケティング、広報活動、ポジショニング、販売戦略ができるようになり、経済的な成功と自分の思いを体現する世界を実現させることができるのです。
簡単にいうと、ディールフロー(仕事が入ってくる流れ)が勇気を生み出すのですよ。
ビジネスでの目標の達成に必要なものや供給量に対してサービスや商品への需要が上回れば、自然に勇気が出て自信に満ちた状態になるはずです。
「成功する環境づくり」については、今まで繰り返し伝えてきました。けれど、「自信を生み出す環境づくり」について重要な部分の説明は、特にきちんとした形で伝えてこなかったように思います。
例えばあなたが馬車レースで数多く負けを喫してきた馬のオーナーだとしましょう。どうせ今までと同じように負けるだろうと全く期待しない状態で、その馬がスタートのゲートに向かっているとします。その馬はすぐに諦めて、負けてしまうでしょうね。でも、レースの階級を落とすことでライバルが減り実力がなくても力強いレースができるようになれば、馬は自信をもって走り始めるはずです。
そして、低い階級のレースで勝利を経験した後、以前の階級に戻すことで、さらに勝利を掴む馬へと変身を遂げるでしょうね。たとえ疲れきった馬だったとしても、心からこの馬のオーナーになれたことを幸運だと感じ、その馬を元気づけることができるなら、その馬には新たな力がみなぎり、自信が満ち溢れてくるはずですよ。
勇気とは、環境によって生み出されるものなのです。
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