From:リッチ・シェフレン
自分のビジネスにおいて「自分は何者であるか」ということについて私が書いた記事に、ある読者から次のような書き込みがありました。
「本当ですね。私はおそらく自分が何者であるか、という認識が誤っていたんだと思います。というのも、私は自分が何でも屋だと思っていたのですが、それはただ必要に迫られたからそう思っていただけで、実際の私は何でも屋ではないからです。ですからうまくいくわけがありません。
本当の私はアイデア・マンであり、自分のニッチ市場に関する素晴らしいプロジェクトをどんどん思いつき、実行に移していくタイプです。
また、私はかなり優秀なセールスライターでもあります。しかし、実際には有能なバーチャル・アシスタントがいなければやっていけません。リードページやオプトイン、ファネル用サイトなどを作成してくれる優秀なITエンジニアが絶対に必要なのです。私はこの手のことには全くお手上げだからです。
しかし、これらを確保するためにはお金が必要です。私は当初の資金を使いきってしまったので、実はこのビジネスと関係のない仕事をして、そのお金を稼いでいるところなのです。
問題は、そのためにこのビジネスから離れることになってしまい、本来のビジネスにかなりの遅れが生じてしまうことです。
他に手はないのでしょうか?この遅れは、もしかしたら失敗を恐れるなどの心理的な作用によって生じているのではないでしょうか?リッチ、何か他に良い手はありませんか?」
ありません。それがあなたのやるべきことなら、そうするべきなのです。その時点であなたにできることがそれしかないなら、リーン生産方式、つまりトヨタのカイゼン手法は本当に良い手だと思います。やるべきことをやってください。小さなカイゼンを積み重ねてください。集中し続けてください。そうすれば、最終的に目的地にたどりつけるはずです。
ですが正直言って、それはこの読者にとって問題ではないと思います。この書き込みには、それとは全く異なる課題が隠れています。
私があの記事であなたに考えてもらいたかったことは、「あなたは何者であり、あなたのビジネスにおいてあなたは何者になる必要がありますか?」ということです。
あなたは、この2つの質問の両方について、あなたなりのビジョンを描いて自問自答したはずです。別の言い方をすれば、あなたに必要な人はどんな人で、その人がいない場合にあなたは何者になる必要があるか、ということでした。
しかし、私がこの読者の書き込みから、それよりもっと重要であると思った課題は、自分が物事について「これはこうなるべき」とか「あれはこうなるべき」というように思い描いているビジョンのことです。
そして、これこそあなたにとって、はるかに大きな行き詰まりの原因になっていると思います。ここで朗報です。この課題の回答は、実はこの読者の書き込みの中にあるのです。
私がどのようにストラテジック・プロフィッツをローンチしたかは今までに何度も話しました。当時目標にしていた収益を達成するために必要なありとあらゆる種類のフロントエンド商品や、つなぎ商品をかなり綿密に計画したにもかかわらず、たいして成果がなかった、という話です。
なぜそうなったかというと、私は物事に対して「これはこうなるはず、あれはこうなるはず」という固定観念があり、そこから抜け出すことができなかったからです。結局、物事とは自分が思うようになる必要などまったくないものなのです。
私が必要だと思っていたものは、1つも必要ではありませんでした。私に必要だったものと言えば、無料レポート1本と、IT技術的は洗練されていないだけでなく、体裁も相当ひどい、ライブのコーチングプログラム1つだけでした。それにもかかわらず、最終的にはこのローンチによって数百万ドルを稼ぎ出しました。これが私のストーリーです。私にとっての「他の手」の1つの例です。
起業家にとって、自分は何者か、自分のビジネスにおいて何者になる必要があるのかを考えるときに、よくやってしまう間違いがあります。
その間違いは、実は自分の考え方の中にある、もっと大きな間違いから生じています。つまり物事に対して「これはこうなるはず」という固定観念です。あなたを行き詰まらせているのは、この固定観念かもしれません。
というのも、自分は何者であり、何者になる必要があると思うのかは、自分がとっている、ある1つの手法から得られる成果によって、限定されてしまうからです。そして、それが自分のあらゆる可能性を制限してしまうことになります。
物事がどのように起こるかによって、自分が何者であると思うか、そして自分が何者になる必要があると思うか決まってしまうのです。
ということで、読者の質問に戻ります。「他に手はないのでしょうか?」でしたね。私にはわかりません。ですが、きっとあなたには他に良い手があると思います。
あなたは実際には「行き詰まって」いない、と考えるようにしてください。あなたはまだ、最終的にとるべき道を決める前の段階にいるのです。「行き詰まっている」と思っているのは、その道しかないと思っているからです。他にもあらゆる可能性があるというのに、それが見えていないのです。
私は別に、「あなたはあなたのビジネスやあなたのニッチ市場、ましてやあなたのゴールまでも変えるべきだ」などと言っているわけではありません。ただ、「あなたのゴールへとあなたを連れて行ってくれる可能性のある他の道、他の可能性はないかと探してみるべきだ」と言っているのです。
ちょっと頭がくらくらしてきますよね。わかります。でも、怖気づかないでください。起業家とはクリエイティブなものですし、きっとあなたもその一人でしょうから。
大きな利益とその向こう側へ
リッチ・シェフレン
【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします