From:北岡秀紀
先日、ある中小企業経営者の会合からの依頼で講演をさせていただきました。講演後の懇親会の中で「今、途上国に学校を建てるという慈善事業をしているから、手伝ってもらえないか?」というオファーをいただきました。
もちろん答えはNOです。今までの講演者に断られたことがないようで、相手もポカンとしていました。
理由はカンタン。会合に来ていた人たちが、大して儲かっていないから。
物価の安い途上国ですから、ちょっとお金を払えば学校を建てるのは簡単でしょう。でも、学校は建てて終わりじゃありません。先生を呼んで、教科書を準備して、給食を出して…当たり前ですが維持費がかかります。
むしろ学校を機能させるならば、維持・継続の方が重要でしょう。極論、別に校舎なんてなくても、先生がいて、教科書があれば最大の目標である子供達への教育を提供もできますから。
儲かっていなければ、その維持・継続のための支援がいつストップするかわかりません。特に、烏合の衆が集まったグループです。ちょっとした話でモメたりして、どこかで空中分解するのがオチです。
その時に、この社長たちがどうなろうと知ったことではありませんが、子供達はどうするんでしょうか?全く教育を知らないよりも、一瞬でも教育を受けたことがある子供が受けられなくなる方がよほど残酷だと私は思います。
「社会貢献」とのたまう経営者は多いです。しかし、それを実現するためには利益をあげ続ける必要があります。先にやることをやってください。
やらないよりマシなんていいますが、やらないほうがマシなこともあります。
社会貢献ってやっている側も気持ち良いし、面と向かって批判をしずらいからタチが悪いんですが…極真空手の始祖・大山倍達の「力なき正義は無力 正義なき力は暴力」と言いました。社長にとって最も強い「力」とは、利益とそれをあげ続ける仕組みです。なにか正義を成し遂げたいなら、力をつけてください。
追伸
どうもこの会合から出禁になったようです。
出禁、これで二回目(笑)
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