From:リッチ・シェフレン
あなたは今、疲れで充血した眼をしていて、頭にはデータがいっぱい詰まっているはずなのに、思考回路が働きたくないと言ってストライキを起こしていませんか。
あるプロジェクトのために必要な重要なデータを検索していたところ、6時間、8時間、あるいは12時間も経っていた、と気づいたところかもしれません。あるいは、ある戦略について詳細を学ぼうとしていたとか、次のローンチのマーケティングで使うあるテクニックについて、あれこれ調べていたところかもしれません。
困ったことに、あなたは自分がたった今読んだ内容をほとんど何も思い出せません。さらにひどいことには、頭に浮かぶことは、あなたが今取り組んでいることと関係のないことばかりなのです。
実を言うと、自分がそもそも何に取り組んでいたのかも、わからなくなる時があります。そんな時、あなたはいつもこうつぶやいてきませんでしたか。「少し眠って、朝起きてから、続きをやろう。」
もしかして今もあなたは、疲れ眼が痛むのではないですか。これは「情報依存症」という「あなたが成果を生むことを妨げている病気」の1つの症状に過ぎません。
この病気にかかると、あなたが追い求めていることが何であれ、それを成し遂げるためには絶対に知っておかなければならないと、あなたが勝手に思い込んでいるデータや物事の詳細、事実や手段などの山が次々と目の前に出現し、その土砂崩れに押しつぶされるような心境に追い込まれます。
今日は、この「あなたが成果を生むことを妨げている病気」を克服する方法を教えたいと思います。あなたをイライラさせ、困惑させ、動けないように麻痺させて、何もアクションを起こせないようにしてしまうこの障害を、完全に叩き潰す方法です。
でもその前に、情報依存症について話しておきたいことがあります。この問題についての、どちらかといえば不愉快な真実をもう1つ伝えておきたいのです。それは、情報依存症は情報のせいではないということです。
あなたの部屋の本棚にある本があなたに向かって大声で、「警告しますよ。まだ行動を起こさないほうがいいです。この本に書かれていることをひとつ残らず読み終わってからにしてください!」と叫んだのを耳にしたことはありますか。本はそんなことを言いませんよね。
情報も同じです。情報があなたに「どんなトピックについても、できる限りのことに目を通して情報を検索し尽くすように」と要求しているわけではありません。それを自分に要求しているのは、あなた自身です!
収集した情報をどんどん高く積み上げていって最後にはその情報の山が自分の上に倒れてきて自分が埋もれてしまうまで、情報に目を通し続け、学び続け、検索し続けることにこだわっているのは、あなたですよ。
「最初のステップとしてこれだけは知っておかなければ」とあなたが勝手に考えているレベル、そのレベルで物事の詳細をすべて吸収し、そのレベルで物事のありとあらゆる側面を把握するまで、知識を検索し続けるようにプレッシャーをかけているのは、まぎれもないあなたですよ。
その通り、私はあなたを指差して言っているのです。しかし、悪いニュースはこれだけではありません。
あなたが情報依存症にかかっているのは、あの恐ろしい「すべて知っておかなければシンドローム」のせいです。「知る必要があると自分が勝手に思っていることをすべて知らなければならない」と考える症候群です。
・まだ現れていない問題に対する解決法を捜していることがある。
・その使い道について確信がないまま、書籍やコースをオンラインで購入している。
・仕事をするより何かを学んでいる時間のほうが長い。
・あるタスクについて、まず自分ができるようになるまでは、人を雇って任せたり、アウトソースに依頼することができない。
・その他何であれ、役に立たない知識を獲得することに没頭してしまう。
優れた成果を上げる人たちはこういうことをしません。
大成功した伝説の起業家について、手短かにお話ししましょう。1919年、ヘンリー・フォードは名誉毀損でシカゴ・トリビューン紙を訴えました。同紙が社説の中で、「歴史は全て戯言」という広く知られている彼の主張を理由に、彼を「無知な理想主義者」と断じたからです。
ところがフォードは証人席で、自分は歴史を軽蔑していることと歴史について無知なことを自ら証言しました。実に、自分がほとんどの科目をあまり理解していないことを認めたのです。当時の教育水準に照らして、ヘンリー・フォードは決して高等教育を受けたとは言えませんでした。
しかしフォードは裁判官にこう主張したのです。「私は自分の机の上のボタンを押せば、必要な情報は何でも専門家から手に入れることができます。」だから、やはり名誉棄損だという理屈です。フォードはこのようにして得た知識だけで、産業界に革命を巻き起こしました。
ちなみに、フォードはこの訴訟に勝ちましたが、裁判官が新聞社に支払いを命じた賠償金の額はたった6セントでした。
もしフォードがビジネスを始める前に、「ビジネス全般について、また彼が立ち上げようとしていたビジネスについて、ありとあらゆるコンセプトやニュアンス、物事の詳細を理解しておかなければならない」と思っていたら、どうなっていたでしょうか。きっと私たちは、いまだに馬車に乗っていたかもしれませんね。
実際のところ、あなたがマスターする必要などまったくないことが確かにあります。何だかわかりますか?それについては次回の記事で答えを明かしますので、ぜひそれまでに自分自身で考えてみてください。ヒントは、情報依存症の人がよくやってしまうことです。
より高い利益のために
リッチ・シェフレン
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