From:北岡秀紀
最近、大手企業や自治体などとの非常に大きな仕事に携わっている友人と食事していた時のこと。
「最近、誰にどんなお土産を渡せば喜んでくれるとか、相手の家族構成はどうだとか、そういうのに詳しくなってきました。マーケティングとかセールスとかそういうのじゃないところで仕事が決まっていく。」という話をしていました。
私はこういういわゆる「大きな仕事」はほとんどやっていませんが、この感じよくわかります。
なぜなら私自身も同じような経験があるからです。起業して、かなり早い段階でフィクサーみたいな人のお宅に招かれた時、「靴を正しく脱いだ」という理由だけで信頼していただき、えらく大きな仕事をいただくことができた、ということがあったからです。
振り返れば、この大きな仕事を得ることができたのは私が新入社員の頃の上司のおかげです。
上司は仕事のやり方以上に
「靴を綺麗に磨け」
「スーツのパンツは毎日プレスして折り目(センタープリーツ)をつけろ」
「シャツは新しいのを着ろ」
「上司のカバンを持て」
「お客様と飲みに行く時は先方の吸うタバコの銘柄を覚えておいて持っていけ」
とか、そういうことばかり言っていました。
その上司曰く「ステージがあがれば、仕事のスキルとかじゃなく、こういうところが一番重要なんだ」ということでしたが、若かりし北岡は「イヤ、実力でしょ。実力があれば全部ねじ伏せられる。」と心の中では反発していました。
でも、大好きな上司でしたし、スーツはかっこ良く着たいと思っていましたし、やっていても損はないだろうということで、割と言う通りにしていました。
結果…起業直後に大きな仕事をいただくことができたわけです。
今なら「大きな仕事をしたいとき仕事のスキル以上に大事なものがある」ということは断言できます。それは、自分自身の経験だけでなく、クライアントを見ていてもです。
礼儀礼節であったり、筋を通すことであったり。こういうのができる人が大きなチャンスを手に入れています。
だから、私はクライアントにやたらと細かい指摘をします。例えば、スーツやジャケットスタイルの時にカバンをたすき掛けしていることだったり、スーツのボタンの一番下が止まっていることだったり、香水の匂いだったり、ノートにカバーがついていないことだったり…
おそらく他のコンサルタントならあえて目をつぶるところも、イチイチ指摘します。実際、「細かいですね」と言われることもあります。
確かに、それは目の前の売上がどうのこうのではありません。でも、大きなチャンスが来た時に、そんな小さなところで決まる可能性が大だからです。
あなたにもそのチャンスが必ずやって来ます!と断言はできません。でも、少なくとも自分でビジネスをしているなら、一般の人と比べれば、そういうチャンスはやって来やすい環境にあります。
そして、そんなチャンスがやって来た時に、付け焼き刃の行動ではうまくいきません。相手が「わかる人」であればある人ほど、自分の芯から滲み出てくる所作になっているかどうかがバレてしまいます。
ですから、あなたが新入社員時代の私のように結局スキルでしょ!?と思っていたとしても、礼儀礼節、筋とかそういうのを大切にしてみてください。運良くやってきたチャンスをモノにできます。
言い方が悪いですが、現実に社会の中枢を担っている人たちは「ジジイ」たちです。そのジジイを殺せる人は、実力以上の仕事ができます。
あなたが大きな仕事を望むなら…
ぜひ覚えておいてください。
追伸
最近、美術や世界史のような、いわゆる教養も同じように重要だなって最近感じています。
コピーライティングやマーケティングといったスキルを学ぶのに忙しいと思いますが…
余裕があれば、そういうのを学んでおくのもいいと思います。
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