From:北岡秀紀
先日、あるセミナー講師に自慢をされました。スマホの写真には、講師への寄せ書きが写っていました。誕生日にこれだけの受講生に祝ってもらえる私は幸せだ、と。
私は全く共感できせんでした。
なぜなら、受講生全員の寄せ書きということですから、講座の休憩時間に色紙を回していたはずです。場合によっては、講座中に回していた可能性もあるからです。
寄せ書きって盛り上がっているのは「やろう」と言った言出しっぺとその周囲の数名ほど。その他の人間は、グループの同調圧力だけで書いているわけです。まァ、心なんてこもっていません。ってことは、数名をのぞけば、復習したりリラックスしたい休憩時間に邪魔をされているだけ。
私がその講師の立場なら、その受講生に注意します。「大切な受講生の時間を奪わないで」と。もし講座中に色紙を回していたら…私なら出禁にしますけどね。
せっかくのプレゼントなんだから、それは言い過ぎと思われるかもしれません。というか、その場にいたもう一人にそう言われました。
でも、プレゼントであげるべきものは、相手が欲しいと思っているものです。もしくは、欲しいものでなくても「あぁ、自分のことを考えてくれているんだ」と感じられるものであれば、喜んでくれるでしょう。
と考えれば、(まともな)講師相手なら「自分が成果をあげて報告すること」以上のプレゼントはありません。
少なくとも、その講師の大切な受講生の大切な時間を奪うなんて行為は絶対にできないはずです。
つまり、このプレゼントのベクトルは相手に向いていない、ということ。こういう企画をした、サプライズでこれをプレゼントする自分自身にベクトルが向いてしまっている、自己満足に過ぎないわけです。
当然、プレゼントするのに自分が気持ち良いということは重要な基準です。気持ち良くなければ、貴重なお金や時間を割いてプレゼントなんてできませんから。
でも、それはプレゼントをすることそのもので気持ち良くなるのではなく、喜んでくれることで気持ち良くなるべきです。
コピーが書けない人。
コンサルティングができない人。
マーケティングやセールスができない人。
成果の上がらないダメな人は例外なく相手のためではなく自分の自己満足のために行動しています。
あなたがやっているその施策…
「お客さんのため」と言っていますが、本当にお客さんのためなんでしょうか?
「従業員のため」って言っていますが、本当に従業員のためなんでしょうか?
そして、お客さん、従業員は本当に喜んでくれているのでしょうか?
もしくはお客さん、従業員に本当に役にたつのでしょうか?
「人の立場になる」
幼稚園から散々言われ続けていることですが、これできている人は意外に少ないです。
そして、これができれば相手が喜ぶこともわかるし、相手が欲しいものもわかる。そりゃ成果も出ます。
100%カンペキに人の立場になることはできません。でも、それを100%に近づけていこうと研鑽することが、ビジネススキルを磨くことがセールス、マーケティング、コピー、そしてコンサルティングが上手になる最大の秘訣です。
− 北岡秀紀
追伸
こういう話って、理解すべき人が理解できなくって、理解しなくてもいい人が「オレ気をつけないと」とか思っちゃうんですよねぇ。。
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