From:北岡秀紀
最近、大阪の経営者が集まる会に何度か呼ばれる機会がありました。そこでの飲み会でやたらと話に出るのが「大阪を盛り上げよう」という話。この話を聞くたびに、シラける自分がいます。
面白いことに、こういうこと言う社長ってまァ、儲かってません。儲かってそうなフリはしていますし、威勢のいいことは言いますが正直たいしたことありません。
「いやいや、大阪盛り上げる前に稼ごうよ」
「稼いで税金払うのが一番じゃないの」
というのが私の本音です。
冷静に外から見れば、誰もが私と同じことを感じるはずです。でも、当の本人たちは気付かない。
それはなぜか?理由は2つあります。
ひとつめ、儲かっていないのを外部要因のせいにしたい。大阪の景気が悪いから自分が儲かっていない。自分は悪くない、という正当化です。しかも、無意識だからタチが悪いわけです。
ふたつめは、気持ちいい。自分以外のもののために、しかも、仲間(っぽい人)と盛り上がるって、何か自尊心が満たされます。特に大阪を盛り上げるって、明確なゴールもなく、達成できるとしても相当長い期間かかるでしょう。となると、この気持ちいい期間が長く持つ、というオマケ付きです。
そもそも「大阪のために」なんて思って起業した人はいないはず。ステージがあがって「日本のために」って言う社長は多いですが…これとは別次元の話です。
「大阪のために」と言う社長って、なんとなく耳障りが良さそうだから寄り道している感がプンプンです。寄り道をしているから、自分が本当にやりたかったこと、もしくは本当にやりたいことがうまくいかないのは当然です。
念のためですが…「私は大阪在住じゃないから関係ない」という話じゃないですよ。自分が本当に心からやりたいこと、でも、なかなかそれが難しいことから目をそらすために、どうでもいいことに目移りしてない?ってことです。
私は職業柄たくさんの社長とお会いしていますが、意外とやっちゃってますよ。私も油断しているとやっちゃいそうになります。
だからこそ、自分を客観的にみて、もしくは誰かに客観的にみてもらって、気持ち悪いことになっていないか、確認するようにしましょうね。でないと、どうでもいいことばかりやって、本当にやりたいこと・やるべきことがいつまでもやれませんから。
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