From:ダン・ケネディ
前回、成功する人たちには共通点があるということを話しました。
今回から、その共通点について説明していきます。
ビジネスの世界、または別の分野で今日大きな成功を収めている人たちを観察し、それをお伝えしながら解説していきましょう。
まず一つ目として、成功を収めている人たちに共通している点として挙げられるのは、非常に革新的な姿勢を持って物事に臨んでいるということです。
それは非常に大切なことです。
なぜならば、周囲を見渡す限り、全てのことが、かつてないほど急激に変化しているからです。つい5年前には存在しなかった産業やビジネスによって、巨大な富が生み出されているのです。
革新的な姿勢に関する実例
先日、あるマーケティングのセミナーで、
オイル交換を迅速に行う企業についての話をしました。
20年前には、オイル交換を迅速に行う業界などありませんでした。
このビジネスは、「サービス・ステーション」が取り扱う区分だったのです。
今日では、サービス・ステーションと呼ばれる業界はなくなってしまったといえるでしょう。ガソリン・スタンド業界は存在しますが、サービス・ステーションと呼ばれる業界は姿を消しました。
後者は前者に取って代わったのです。
サービス・ステーションといったマーケットは取り残され、誰かがその市場を取り扱う全く新しい産業を作り上げ、マーケットを育て上げ、成功していったのです。
もし20年前に、得意先の銀行の担当者のところに行き、
「オイル交換の店を開こうと思っています」と言ったところで、
担当者はおそらく真剣に対応してはくれなかったでしょう。
なぜならば、当時そのような店は存在していなかったからです。
しかし、今、その産業は拡大し、さらに成長を続けているのです。
もうひとつ革新的な姿勢に関する別の例として、
Federal Express(フェデラル・エクスプレス)を取り上げてみましょう。
同社は空輸貨物運送業の会社ですが、この業種はフェデラル・エクスプレスが創造し、一般化させるまでは、全く存在しなかった新しいタイプの産業ということができるでしょう。
その後すぐに別の業者が参入し、取って代わろうとしていますが、
フェデラル・エクスプレスも切磋琢磨しながら生き残りをかけています。
今日、そして将来的に大きな成功を収めようとするならば、
革新的であり続けるという姿勢が大切です。
なぜなら、新しい産業、新しいビジネスを新しい方法で行うといった変化が
常にあなたの周りで起こっており、また、いとも簡単に時代遅れになってしまうご時世なのですから。
私が気に入っている素晴らしい革新的な姿勢に関する実例
私が最も気に入っている大変素晴らしい「革新」の実例として、
ドミノ・ピザのトム・モナハンのことをご紹介しましょう。
私は、マーケティングのセミナーで10年もの間、
彼のことについて話をしてきました。
トムはとても革新的で、クリエイティブな男性であり、
その革新的な姿勢は彼の地位をそのまま物語っています。
ドミノのフランチャイズ権を獲得した人が、
湖のリゾート地にドミノ・ピザの出店地を見つけ、店を開きました。
そこで、まず問題として浮上したのは、彼の商圏内ではほとんどの住民が、
一年の内わずか半年しか、そこに滞在しないということでした。
その場所は夏の期間だけ人々が訪れ、
冬にはほとんど誰もいないリゾート地だったのです。
2つ目に、店を開業してすぐに発覚した問題がありました。
それは誰もがご存知のドミノ・ピザの保証に関するものですが、
30分もしくはそれより短い時間でピザを配達する方法が見つからなかったのです。
そこは大きな湖で、家々は湖を囲んで広範囲に分布している上、
車での配達は不可能だったのです。
一体、彼はどうすればいいのでしょうか?
画期的な解決策
これらの問題に直面して、彼は、店と配達先の2箇所を結ぶ最短ルートを見つけ、
ピザをボートで配達することにしたのです。
全ての家は湖に面しており、小さな船着場を備えていました。
そこで、彼はドミノ・フランチャイズ店として初めて、
ピザをボートで配達するサービスを始めたのです。
しかし、またもや問題が浮上してきたのです。
それは、ボートは自動車のように安定性がないため、ピザは30分以内に配達されたとしても、ピザが箱の片方に寄ってクシャッとなり、蓋にくっついた状態になってしまうのです。
これでは宣伝とは違ってしまいます。
そこで彼らは何をしたと思いますか?
ドミノのエンジニアが結集して、彼の店のためだけに、
ピザをボートに固定するための新しい装置を開発したのです。
ボートをどのように運転しても、ピザを温かいまま安定した形で運べる装置です。
おそらく、姿勢制御装置のようなものでしょう。
ただ、またまた問題が浮上してきてしまいました。
一体、その問題とは何だと思いますか?
独創的な発想
その問題とは、夜間、照明や住所を掲載する標識がある道路と違い、
船着場や湖は真っ暗だったということです。
配達担当者は、ピザと共に湖で迷子になってしまいました。
そこで彼は、彼の負担で全ての船着場に照明をつけて、
それぞれの家のデッキに番号を付けていきました。
これでピザをオーダーする人達は、自分のデッキの番号を伝え、ボートで配達する人はそれを標識にしてピザを届けるということにすれば良くなったわけです。
ピザ・ビジネスを軌道に乗せるためになんと多くの発案をしたことでしょう。
これが功を奏しました。
このフランチャイズ店は、ドミノ・フランチャイズ店の
年間売上の3分の2を6ヶ月で達成しました。
彼の店の6ヶ月間の売上を2倍して年間売上として換算し、
他の店と比較した結果、2,999店舗ものドミノ・ピザのフランチャイズ店の中で、
彼の店は去年の売上の第一位を獲得したのです。
湖を渡ってボートでピザの配達をする彼の店が、、、
革新する能力と熱意が、物事を達成するために非常に
大切な特性であるということがお分かりいただけたでしょう。
次回は、成功している人物が持つ2つ目の共通点についてお話したいと思います。
ダン・ケネディ
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