From:北岡秀紀
From:北岡秀紀
先日、カフェでオーナーと打ち合わせをしていた時のこと、ちょっと小休止して雑談しながら何気なくスタッフが働いているのを見ていました。お客は7割くらいで、まァ、賑やかかなというくらいの状態。まだまだ満席ではないのに、スタッフがてんてこ舞いの状態でした。
あきらかにあたふたしていて、お客に声を掛けられると、悲壮感漂う顔でテーブルに向かいます。
通常であれば、楽々まわせるくらいの客数です。(飲食店を含む店舗のオペレーションマニュアルを作成の仕事をしていたこともありますから、その辺はかなりわかっているつもりです。)
どうもおかしい・・・ということはオーナーも気づいたようでした。そこで、私はこのアルバイトをテーブルに呼んで、一言だけアドバイスをしました。
すると、彼の動きはみるみる良くなりました。私がしたアドバイスとは「このダスター(ふきん)はずっと持っておいて。で、一度、厨房から出たら2つの仕事を完了するまでは厨房に戻らないように」でした。
彼の動きをよく見ると、あきらかに効率が悪いのがわかったのです。お客に食べ物を持って行ったら、そのまま厨房に戻ります。で、厨房においてあるダスターを持って、テーブルを拭きに行く、というようなことをしているのです。よく考えれば、ダスターを持ち歩いておけば、食べ物を持って行った、そのついでにテーブルを拭くことはできたはずです。
案の定、ダスターを持たせるようにしたら、別人のように動きが良くなりました。
ひとつの業務に複数のゴール
飲食店のアルバイトに限らず、たくさんの仕事をこなせる人とそうでない人には仕事の仕方に大きな差があります。
その仕事の仕方とはひとつの業務に2つ以上のゴールを持たせるかどうか、です。
例えば、私の場合、セミナーを一度すると、セミナーを受講生に納品するというのが最も重要な目的になります。(1)
しかし、そこで撮影をすれば販売する教材もできてしまいます。(2)
セミナーの構成をはじめの方で、お客の問題を提起したり、お客の共感を得られるようなことを伝えておけば、その動画がそのままセールスビデオになります。(3)
そして、スタッフに参加させることでマーケティングの知識の教育をすることもできます。(4)
(しかも、スタッフは受付などもするので、スタッフ自身も2つのゴールを持つことになります。)
1回のセミナーに4つのゴールを持たせることができました。
オフラインのビジネスをしていて、お客に商品を納品するという主業務があるなら…紹介を促す前フリをしておく、お客の次の課題を確認しておく、といったことができるはずです。
複数ゴールのポイント
ひとつの業務で複数のゴールを持たせるポイントは、一工夫を入れることです。冒頭の飲食店の例であれば、ダスターを持たせること。セミナーの例であれば、撮影隊を入れたり、セミナーの構成を変えたりすることです。納品であれば、前フリトークを決めておいたり、課題発見用のシートをもっていくなど。
ただただ何気なくやっている業務に複数のゴールを持たせることは、まず無理です。しかし、ほんのちょっと一工夫入れることを考えれば、複数のゴールを一気に達成できます。
あなたの生産性を3倍にも4倍にもしてくれますから、自分のビジネスに何か一工夫入れられないか、考えるクセをつけてください。
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