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シンプルの危険

2014.9.12 | ,
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From:北岡秀紀

From:北岡秀紀

「結局、お客さんを理解することが全て」

マーケティングに詳しい人に、マーケティングの秘訣を聞くと十中八九、そんなシンプルな答えが返ってきます。

だから、あなたもマーケティングで成功したいなら、お客さんを理解することに全力を傾けましょう・・・ というのは、早計です。

なぜならマーケティングに詳しい人にとって「お客さん」「理解すること」という言葉の裏には、彼らの今までの経験や苦労が含まれています。

  • お客さんに振り回された経験・・・
  • お客さんに売れた経験・・・
  • 誤解してメッセージを伝えた経験・・・

などなど。

こういう一言で真理をついた言葉というのは、非常にシンプル。 字面だけ見れば、まァ、意味も分かります。 なので、分かった気になりやすい。

でも、ほとんどの場合、分かっていません。 なぜなら重要なのは、その言外の意味、表面に見えている一言の裏に隠れている膨大な経験や知識だからです。 全く同じ言葉を発していたとしても、その人の経験やその深みによっても本当の意味するところは変わってきます。

なので、もしあなたが本当に素晴らしいなと思う人が「シンプルな一言」「意外と普通」なことを言っていたとしたら・・・その背後の意味は何だろうか?と考えてみてください。

それを考えるだけでも、スキルがあがってくるはずです。

シンプルを捨てる

一方で、伝える側も「●●が全てだよ」と一言で言おうとしないことです。確かに、自分と同じレベルの経験をしてきた人にそれを伝えれば、間違いなく伝わります。

しかし、そうでない人に真理を伝えたとしても、多くの解釈の余地を残し、誤解を招きかねません。場合によっては、「当たり前のことを言うなよ」と無意味な反発を招くこともあります。

シンプルに伝えることをやめろ、というわけではありません。相手に理解させる、相手を動かすにはシンプルな方が効果的であることも間違いありません。しかし、一方で、そのために本当の理解を捨ててしまっていることも事実です。

難しいことをカンタンに伝える人がエラいという風潮がありますが、(あるレベルに到達していない人にとっては)難しく、複雑にしか伝えられないことだって実はあります。

ですから、本当にお客さんやスタッフや家族や友人に理解してもらいたいなら、シンプルに伝えることは諦めることも一案です。そして、「相手がシンプルに伝えられるようなレベルになること」を目指して接触頻度を増やして働きかけようとしてみてください。

そうすることで、自分が発するシンプルな一言の中に、どんな意味を含ませているのかを言語化することになります。結果、さらに自分のスキルもあがることにもなります。

北岡 秀紀

マーケティングコンサルタントであり、コンサルタントを指導するコンサルタントでもある。これまで約900以上のクライアントのコンサルティングを実施し、数々の店・中小企業・オンラインショップの売上改善を果たす。その成功率は91.7%を誇る。(2011年10月現在)単に机上の空論ではなく、「自身で実証済みのノウハウだけを伝える」ことを信条としている。年商1億円を突破したい社長向けの情報サイト『オクゴエ!』を主宰。また、自身のノウハウを受け継ぐコンサルタントを育てるプログラムを主催しており、一人あたりの参加費は350万円という超高額にも関わらず、申込が殺到。参加希望者の77%以上を断っている。

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