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ベッドを捨てる男

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From:北岡秀紀

From:北岡秀紀

友人の紹介である会社の社長とお会いしました。

社長と仲良くなろうと思ったら一番の手は起業当初の苦労話を聞くこと、です。なぜならビジネスを自分でしているもの同士、シンクロする部分も多くかなり短い時間で仲良くなることができるからです。

もちろんそれだけでなく、ビジネスで苦労している時期にどんなもがき方をしてきたのか、このサンプルを集めることはコンサルタントという仕事柄、非常に有用です。

たくさんのヒント、ノウハウが詰まっています。

というわけで、今回もいつも通り、起業当初の話に持っていきました。そして、昔の苦労話を聞いたわけですが。。。彼は、寝ている時間以外を全て仕事にあてるために、事務所の近所に自宅を引っ越したそうです。そして、次に、テレビも捨てました。

・・・とここまでならよくある話です。というか、「私もテレビ捨てましたよ」という話が盛り上がりました。

しかし、彼はそこに留まりませんでした。家を近所に引っ越して、テレビを捨てた。起きている時間はこれで有効に使えるようになった。そうなると、寝ている時間ももったいないと感じるようになった。

で、ベッドを捨てたそうです。

ふかふかのベッドで寝ると気持ちよく寝てしまうから、という理由です。それで、ソファで寝るようにしました。

その後・・・

いや、ソファで寝るのも贅沢すぎる。

だから、結局、ソファも捨て床で寝るようにしたそうです。

結局、寝る時間も減り、働く時間が増えて、「当時は、めちゃくちゃ働いたよ〜」と豪快に笑っていました。

成功のテンプレート

さて、あなたはこの話をどう思いますか?
時間がもったいないからテレビを捨てた、というのは、私も含め起業家の自慢話の筆頭にあがるもの、と言ってもいいでしょう。

その意味では、テレビを捨てるというのは想定の範囲内、まァ、テンプレート通りなわけです。しかし、彼はそれを上回りベッドを捨てソファを捨ててしまったわけです。

起業したらベッドやソファも捨て寝る時間を減らせ、と言いたいわけではありません。どちらかというと私は、どれだけ働いても睡眠時間だけはしっかりと取るべきだ、という考え方です。

しかし、一方で当時、「寝ている時間がもったいないな」とは感じていました。でも、「生理現象だから」と考えるのを止めてベッドを捨てる、という選択肢があることに全く気付くことができなかったわけです。

自分で自分をダサいな、と感じました。

なぜならベッドを捨てるという選択肢もあるけれど「やっぱり寝るのが大事だからベッドを捨てない」と考えることができていなかったわけですから。テレビを捨てて「他と違う」ということに酔ってしまったが為、それ以上考えることを止めてしまっていたな、ということに気付かされたわけですから。

自分の成長であれ、ビジネスであれ、「そんなもんだろう」と思った時に成長は止まります。自分で選択して成長を止めるのであれば、それは構いません。

しかし、多くの場合、成長できる選択肢もあるのに、意図せず成長しないという選択をしてしまっています。成長しないことより、選択できないことの方がよほど怖いです。自分の意志で生きていないわけですから。

「そんなもんだろう」と思い込みで、自分の選択肢を奪っていませんか?その思い込みがダメだ、と絶えず言い聞かせる以外、自分で選択肢を奪ってしまっていることに気付く術はありません。

気がつくたびに、ぜひ自分で自分に問うてみてください。その繰り返しが、自分の人生の、そしてビジネスの選択肢を増やすことになります。

北岡 秀紀

マーケティングコンサルタントであり、コンサルタントを指導するコンサルタントでもある。これまで約900以上のクライアントのコンサルティングを実施し、数々の店・中小企業・オンラインショップの売上改善を果たす。その成功率は91.7%を誇る。(2011年10月現在)単に机上の空論ではなく、「自身で実証済みのノウハウだけを伝える」ことを信条としている。年商1億円を突破したい社長向けの情報サイト『オクゴエ!』を主宰。また、自身のノウハウを受け継ぐコンサルタントを育てるプログラムを主催しており、一人あたりの参加費は350万円という超高額にも関わらず、申込が殺到。参加希望者の77%以上を断っている。

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