From:小川忠洋
シカゴのスタバより、、、
先週、久しぶりに海外のセミナーに出てきた。昔はダン・ケネディのカンファレンスに毎年毎年行ってたんだけど、やっぱ小さい子供ができると、なかなか一人だけ海外に一週間も、、、ってワケにはいかなくなる。。。
ダン・ケネディの商品を日本で販売するようになってからは、カンファレンスに毎年招待されていたんだが、子供がいるから何度も断っていたら、最近では招待も来なくなった…(;´Д`)
ま、そんな話はどうでもいいんだが。せっかく海外セミナーに出てきたんで、その話でもしようかと思う。。。と言っても今回は、実に7日間くらい連チャンでセミナーだったので、正直、最後の方は「もうええっちゅうねん!」状態だった。もう、ビジネスの話とかどーでもいい…お腹いっぱい…こんだけたくさん学んでも絶対、実践できねぇーし。。。とかいう状態だった。
しかし、こういうセミナーに行って何が一番の収穫になるかと言えば、セミナーで紹介される内容そのものよりも(実際、今回の内容はかなり微妙なものが多かった)その場にいて受ける”刺激”の方なのだ。
起業家、社長は、誰もモチベーションを上げてくれない。社員のモチベーションを上げるのは仕事だけれども、自分のモチベーションは誰に上げてもらうのか?…答えは自分でやるしかない。
特にある程度、成功した起業家は、モチベーションが下がる。金銭的に満たされないうちは、それがモチベーションとなって動けるが、金銭的にある程度、満たされてしまうと、それは何のモチベーションにもならない。さらにはそれなりの成果を上げたという事は、実力もついてきたという事だ。それはどういう事かというと、全力で仕事に取り組まなくても、7割くらいの仕事ぶりでも成果が出てしまう…という状態になる。
これが羨ましいと思うかもしれない。しかし実情は真逆だ。この状態は、僕も経験した事があるが、一言で言えば「クソ」である。精神状態は腐っている。だから女とかに逃げる。過去、お金がなくて必死でやってたころが懐かしく、あの頃のほうが充実してたな…とか思っちゃったりする。(ちなみに嫁のランが読んでたら大変だから一応言っておくが、僕は女に逃げてないよ(^^;)
そんな時にもっとも効果的なのは、自分より頑張っている人、自分よりステージが高いなと思う人と会うこと、その人たちとの時間を共有することである。そうすると、、、おれはたかだかこの程度の成果しか出してないのに、7割ぐらいで手抜きの仕事をして、、、、みたいな状況になり、また頑張れる。
結局は目標設定の話だと思うんだが、目標設定というは実はかなり難しい仕事なのである。ドラッカーがマネジメントの6つの役割という事を言っていて、その6つの中に目標設定がある。つまり、かなり難しく、エネルギーを要する仕事なのだ。。。単純に売上10億目指すぞ!と作ることはできる。しかし、心の底からそれに共感して感情移入してなければ意味がない。人間は感情で動く生き物で、数字で動く生き物ではない。
そういう意味でいうと、自分よりステージが高いな、自分より凄いビジネスやってるなと言う人と会ったり、喋ったりすることは、「感情」を動かすことができるので、意味があるというわけだ。。。
ま、だらだらと喋っちゃったけど、要は自分より凄いビジネスしてるって人と会う、話すチャンスがあったら、それを逃さない方がいい。特に、業績がそれなりにいい人は、それに投資しあほうがいい。業績が悪く、赤字の状態の人は、そんな事に投資する必要はない。マインドとかモチベーションとかどうでもいい。スキルやノウハウ系の情報を求めたほうがいい。
業界なんか存在しない
昨日もある人に言われたんだが、ダイレクト出版、業界の中でもそれなりのポジションだし、ポッと出とかと違って会社も安定してるのに、何でそれ以上を目指すの?というような事を聞かれた。常に自分より凄いビジネス、素晴らしい事業をしてるなぁって人を見ていたら、「業界」なんてものには縛られない。そもそも業界なんてものはこの世に物理的には存在しない。ここからこっちが、Aと言う業界で、この線を超えたらBという業界ね。なんて事はない。ただ単に、人の思い込みでなんとなぁーく概念的にできてるのが業界ではないか。その業界で1位だ2位だと、、、常に他の素晴らしいビジネスをみてたら、あまりに考えが小さく感じるだろう。個人的には自社がどの業界にいるかなど、一度も考えたことはない。それよか業界、というより産業を作るというくらいの気持ちでやったほうがオモシロイ。
さて、つまらない話をさんざん我慢して聞いてくれたあなたに(笑)その海外セミナーで参考になった事をいくつかシェアしたいと思う…
たくさんありすぎて1回のメルマガで書くのは豆粒くらいの情報でしかないが、(TopGunマスターマインドとかでもっとシェアできれば、と思う)これからのトレンドというのがとても参考になったのであなたにもシェアしよう。
講師の中に全米の急成長企業でNo.9になった人がいた。その人の話を聞いたからという訳ではないが、これからもテクノロジーが時代を変えていくというトレンドに終わりはなさそうだ。
見てみると、グーグルが世界の頂点に立ったと思ったのは2年ほど前だろうか?その時、僕はグーグルの株を買おうかななんて思ったが、頂点だから落ちるしかないだろう…となんとなく思ったので、積極的には何もしなかった。あの時、グーグルの株を勝っていれば、今では2倍ちかくになっていた…あれから2倍になるなんて想像もつかなかった。さらに驚いたのは、ヤフーだ。ヤフーといっても日本市場を独占して元気な.co.jpの方ではなく.comの方だ。もう存在価値なくなったんじゃねーのか、ヤフーメールもGメールと比較にならんし…とか思っていた、あのヤフーでさえ、この2年間で株価は3倍近くになっている…え?マジで!?むろんAppleの事は言うまでもない。
よくよく考えてみればipadのようなタブレットが出てきて、どーこーっていってるのもここ1,2年。まだまだテクノロジーによる世界の変化ってのは起きそうだ。
何が言いたいかというと、大きな視点で見て「技術」テクノロジーの価値はまだまだ上がりそうだ…という事。これがあなたにとってどういう意味かというと、「技術」の知識を身につけたほうがいいという事だ。しかも圧倒的にいいと。おれは技術の事なんか分かんねぇ。マーケティングだけが仕事だ。それはそれでいい。しかし、それなら近くに技術に強い人間を置いておくべきだ。インターネットを使って商売するなら、技術知識は避けて通れない。技術に弱いというのは、競争上、とても不利になる。特に会社をデカくしていきたいなら不可欠だ。なので長期課題として、ここは抑えておいたほうがいい。
ちなみにだが、ウチの場合、技術者が6,7人社内にいる。さらには、マーケティング担当している人間にも元技術者がとても多い。(寺本なんかも元技術である)つまり知識はみんなある。(自社アフィリエイトのASPを作って売ったのも多分、ウチが最初だ)
マーケティングさえ分かっていれば、HTMLとか知らなくても儲けられます。。。確かにそうだ。しかし、それはその欠点を補ってくれる人材がいての話。事業として確立させたいなら技術はとても重要である。
※ちなみに、そんな訳で、ウチも優秀な技術者を常に求めている。さらに言えば、ソフトウェア会社作りてぇなぁなんてここ最近思ったりしている。興味があれば連絡してほしい
売れてるソフトを見てみよう。みんなデザインが優れている。これからの時代、デザインというものの価値がもっともっと見直されていくだろう。
昨日、佐藤可士和がTVでデザインとは何じゃらみたいな事を話していたが、デザインを変える事で売上は変わる。これは事実だ。
つまりデザイン自体に付加価値があるという事だ。たいていの社長はデザインを「贅沢品」か何かだと思っている。社長や起業家は本質を好む傾向があるので、デザインはプラスαのあればいいよね的な感じにしか捉えてない。しかしそれは間違いである。
デザインは価値である。
本質的な価値そのものである。
なのであなたがやるべき事は、いいデザイナーには高い報酬を払ってつかまえとくべきだ。そして、高いカネを払っていいデザインに投資をする。いいデザイナーを探し続ける。これで大きな違いが出るだろう。
B級デザインとC級デザインは大した変わりはないが、B級とA級には大きな違いがある。そして、A級とA+級にはとんでもない開きがある。A+を見つけたら、放してはいけない。
ニッチを狙え。みたいな事を聞いたことはあるだろう。これからの時代は超ニッチの時代になる。セミナーの中で面白い事例が出ていたんだが。「ヘッドフォン専門サイト」というのがある。
そのヘッドフォン専門サイトでは何千種類ものヘッドフォンが取り扱われていて、ヘッドフォン・コミュニティなるものが存在する。そこではヘッドフォンオタクが、ヘッドフォンに関して熱いディスカッションを繰り広げていて、自作のヘッドフォンなんかを披露したりしている。完全に理解できない世界だ。
しかし、その世界が存在している。そして、ヘッドフォンが好きな人は、ヤマダ電機なんかよりも、そっちのコミュニティに完全に魅了されて、ヘッドフォンに考えられないお金を払い、一度入ったら抜けられなくなるだろう…
あなたのビジネスでも同じで、ターゲットを拡げようとして、大衆に受けようとすればするほど、それは大きな社会のトレンドとは逆になっている。
もっとターゲットを絞って、もっと専門分野を狭めていくべきだ。例えば、
アクセスアップ>PPC>アドワーズ>ディスプレイ>リマーケティングの専門というような感じに。
見込み客が、リマーケティングでもっと利益を上げることができるんじゃないか、、、と思った時、アクセスアップの会社とリマーケティング専門の会社では、百戦百勝で超専門会社の勝ちである。
もう一つはこれからは起業家、スモールビジネスが社会を動かすということ。
面白かったのが、たまたまセミナーで横に座ってた人がシリコンバレーでコンサルしてた人で、1000億企業を7社も育てた人だった。しかも大抵の人が知ってる企業、たとえばリンクトイン、アップル、グーグル、シスコとか、しゃれにならん企業ばかり。そこのCEOとか創業者をコンサル・コーチした本物の人だった。その人が、起業家向けのビジネス・コーチングをやると、日本でやらないかと。やりましょうと。受けてしまった…どうしよう。。。
それで日本で売るっつても、そんなね。1000億企業を育てた人がなんで小さな会社向けにビジネス・コーチングなんかやるのって話で、信じられないでしょ。なので聞いてみた。「なんで大企業からスモールビジネスの世界に降りてきたのか?」すると答えは面白かった。「これからの時代はスモールビジネスが世界を動かす」翌日、彼は壇上でプレゼンをしていた…
彼の話だけじゃない。ロジカルに考えても、これから超専門化の時代。個人のニーズはすごく多種多様になって、ユニバーサルに同じような価値を求めるという方向とは逆だ。(たとえばコーヒーとかなら同じ価値をユニバーサルに求める。だから大企業になれる)
なので小さい会社が増えていくはずである。これはまさにインターネットの技術のおかげだ。データもあって、過去10年間で大きなイノベーションの90%は従業員20人以下の小さい会社で起きてる。
アイアンマンという映画を見たことがあるだろうか?ついに映画さえも、起業家をヒーローとして扱ってる…
起業家の時代だ。
つまり、われわれの時代だ。
長くなってしまったが、細かい話をするよりも、これらの事を頭に入れて、ここ5年くらいは活動してみてはどうだろうか?短期的には大きな違いは出ないだろうが、長期でみると、全く違う方向に行ってるかもしれない。。。
-小川忠洋
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