From:小川忠洋 ダイレクト出版

大阪のスタバより、、、

　ちょっと誤解を与えてしまったかもしれないので修正しよう。

　先週のザ・レスポンスの記事で「起業家ってのはチャレンジ精神が旺盛で、周りが止めてもやっちゃう。だから成功する」みたいな事を言ったが、これはもしかしたら間違った方にあなたを導いてしまうかもしれないので、解説しよう…

　確かに起業家・社長はチャレンジ精神が旺盛だ。一般の人よりもずっとずっと新しい事が好きだし、新しい事をやりたがる。そして、行動力もハンパない…

　しかしそれは、リスクをがんがん取るという意味ではない。リスクを気にしないという意味ではない。実際のところは逆で、成功する社長・起業家はリスクに敏感である。

「このアイディア(商品)絶対ヒットするから人生かけてやります！」

　なんて言ってるのは、大抵、うまくいってない人。どこかの自己啓発セミナーか何かで”情熱が大切だ！”なんて習ってきたもんだから、人生かけてやるなんて言っちゃってるけど、、、バカも休み休み言えって感じじゃないか。

　新しいアイディアや商品がヒットするのは、情熱が強かったからではない。情熱なんて、ヒットさせるのに大した役割ではない。商品がヒットするのは、そのコンセプトやベネフィットを「顧客」が受け入れたからであって、ソレ以外の何ものでもない。顧客が受け入れた商品なら、情熱を持って売ればもっともっと売れるだろう。しかし顧客が受け入れてない商品ならどれだけ情熱を持って売ったとしても絶対に売れない。

　つまり成功するかどうか？は、顧客が決めるのであって、売り手が決めるのではない。買うかどうかは顧客が決めるのであって、売り手が決めるのではない。

　結局のところ、売れるかどうか？は蓋を空けてみなければ分からない。

　成功する社長・起業家はそんなリスクは犯さない。大成功した起業家の伝記なんかを読むと、人生なげうった、手持ち資金、全部つぎこんで、大逆転！なんて話があるが、そんなのは現実世界ではほとんどない。確率の問題で、その方法で上手くいく確率はめちゃめちゃ低い。だいたいそんな話がエピソードになるってことは、珍しい話だって証拠だ。

　リスクを犯すのではなく、リスクを管理する。ビル・ゲイツだってハーバード大学を辞めて、マイクロソフトを起業して大成功したってなっているが、ほとんどの人が知らないのは、彼はハーバードをスグには辞めてないと言うこと。マイクロソフトが失敗したら学校に戻れるようにしておいて、スタートしている。

　リスクを犯すのとリスクを管理するのは違う。リスクはもちろん取らなきゃいけない。そうしなければ、成果は生まれない。投資で考えるとよく分かる。投資で成功する秘訣はリスクを犯す事ではなく、リスクを管理すること。この投資がダメになったとしても、バックアップできるプランがあったり、損切りして他にいけるだけの余力を充分に残したり、そうしてリターンをあげていく。全財産、ぶっ込んで大成功なんてのは、投資ではなくギャンブルである。

　事業の運営も同じ。

　事業をギャンブルにしてはいけない。あなたの事業はリスクもあるが、上手にコントロールして、毎年、毎年安定したリターンを上げれるようにしなければいけない。

　僕がダイレクト・レスポンスが大好きな理由がこれだ。つまり、ダイレクト・レスポンスでは、リスクの管理が非常によくできる。AのオファーとBのオファーを１０万円の予算でテストして、Bのオファーが勝ったら、Bの広告を100万分出す。さらにBのオファーにCのオファーをテストしてみたり、、、あるいは、Bのオファーが勝つには勝ったがそれで採算が取れなかったら、Cのオファーをもう一回予算１０万円でテストする。そんな事の繰り返しだ。

　最終的にこのオファーが毎年1000万円分の広告を出して、売上で3000万円毎年稼げるようになった。そのリスクを２，３０万円で管理することができる。

　広告キャンペーンに限らず、どんな事でも、プランBを用意しておこう。プランBがある事によって、A（マイクロソフトを起業）で失敗したとしても、B（ハーバードに戻る）ことができれば、失敗はしない。

　よくあるサクセス・ストーリーからすれば、本当につまらない話かもしれない。ワクワク感の全くない話かもしれない。しかし、これが現実のビジネスで、これが現実に最も成功する企業を生んでいる手法であると、僕は考える。

　あなたはどう思うか？

ー小川忠洋
ダイレクト出版