From:小川忠洋
From:小川忠洋 ダイレクト出版
大阪の病院より、、
生まれた!!とうとう僕とランの第一子が生まれました。
と言うわけで、今日のメルマガは、いつもと違って僕の日記的な出産の一日の話をしたいと思う・・・
17日朝、起きたら、ランがお腹が痛いと苦しんでいる。
「もしかしたら、陣痛かも、でも、分からない」との事。
話を聞いてみると、朝方の3時ごろから周期的に痛みが来ていると言う。
そして、その痛みが今までの痛みと違い、激しい痛みだと言う。
今までもお腹が痛いと言う事はあったんだけど、
周期的に来る事はなかったのでコレは陣痛だろう、と判断。
朝10時からヤニクシルバーと電話ミーテイングの予定が入っていたが、
ヤニクにキャンセルのメールを打つ。まさにドタキャンってやつだ。
ヤニクも子供を2人持っていて家族を大切にするタイプなので、
「Good Luck」と言うメールがスグに帰ってくる。
それから、ランの横にいる。が、キホン的に何もできない。
病院に電話した所、陣痛が10分間隔になったら来て下さい。との事。
まだ、この時点で間隔はバラバラだったので、家で待機。
12時:お昼ご飯を食べても、まだ間隔はバラバラ。
7分の時もあれば20分以上かかる時もある。
ランは「まだ、病院行けないから会社行って来たら」と言ってくれる。
その日の午後は、HPの制作取材にユナイテッドリンクスの原田さんが
東京から来てくれる予定だった。なので、自分の取材だけ受けに会社に行く。
15時:会社ではいつものように話をして仕事を終わらせた。
原田さんにはかなり無茶を言ったが快く引き受けてくれた。ありがとう。
取材を受けていると、僕のケータイに「病院に来てって言われたから行ってくる」
とのメールが、、、ダッシュで家に戻る。
18時:家に戻り、荷造りをしたら、タクシーを呼ぶ。
所が、この日は雨で、時間は夕方の6時頃。タクシーがなかなかつかまらない。
結局、6、7社に電話してやっとつかまった。
19時:病院に着くと、ランはスグに病室に入り、僕は待合室。
なんか看護婦が着てるような服に着替えた。
「イヨイヨか・・・」
子供が生まれるってどんなんだろうな?
その子とこれからずっと一緒に人生を過ごしていくわけだもんな。。。などと考えてみる。
ラン、大丈夫かな・・・と思うとちょっと胸の内に不安がよぎる。
でも、誰もがやってる事だし大丈夫だろう。
ランが出て来てLDRと言う部屋に移る。ここで出産を迎えるようだ。
そして、ここからがまた大変な時間になる
定期的な陣痛に、ランが激しく苦しんでいる。
そういえば、お昼に陣痛が来ている時に、
「陣痛ってこんなに痛いのかな・・・だとしたら耐えられないかも・・・」などと言っていた。
僕の妻のランは、決して痛みに弱い方ではない。どちらかと言うとかなり根性のある方だ。
(ちなみに僕自身は根性なしで痛みに弱い;-)
昔、麻酔なしでちょっとした手術みたいのを3、4日連ちゃんでやった経験もある。
僕には無理だ。
そのランが痛みに耐えられないかもって、どんだけ痛いんだろう・・・と、
考えようにも恐らく僕の経験や想像を超えているので何のイメージも浮かばない・・・
21時:10分間隔の激痛は続く。
両親学級の時に教わった事だが、お尻をテニスボールで押し込んでやると痛みが和らぐらしい。
なので、僕は横で激痛が来るたびにテニスボールをお尻に突っ込む役。
かなり本気で力を入れないとダメなようで陣痛が来る度に僕も踏ん張って入れていた。
なので、この頃には疲れきっている。
ランの痛みもずっと続いているので、助産婦さんに「あと、どれくらい続きそうですか?」
と聞いたら、「うーーん。多分、早ければ夜明けか今日中に生まれるといいね。」
マジで!まだ、そんなにかかんの?と驚き。
しかし、この驚きはスタートに過ぎなかった・・・
24時:相変わらずランはのたうち回っている。
傍目で見てて、「コイツ、大丈夫かな?」と思うくらいの絶叫を上げる。
「もうすぐだからね」と横で声をかけるが果たして聞こえてるかどうか。
日付が変わって夜中の2時:あれーもう生まれてもいいんちゃーうん?
と、思いつつ助産婦さんに検診をしてもらうと、
「うーーん、もうちょっとだねーもう半分まで来てるからここからは早いよ」
えええーーー半分かーーい!!
さっき、日付変わる頃には生まれるって言ったのに、、
ま、もちろんこんな事が正確に予測できるわけないのは頭では分かっている。
が、あまりにも大変なので助産婦さんに「オイ!」と突っ込みを入れたくなった。
夜中の3時:ランが陣痛を感じてから24時間が経った。
と言う事は、彼女は24時間この激痛を味わっている事になる。
うーーん。あきらかに顔が衰弱した表情になっている。
「もう無理」とか言う時もあって、その度に「大丈夫だよ」と言ってはみたものの、、
(本当に大丈夫か?)と思ってしまう。
この陣痛フェーズが終わったら、次は出産フェーズに移るんだけど、
今の状況を乗り越えたとしても、出産するだけの体力が残ってないんじゃないだろうか?と思った。
でもそんな事は僕が考えても仕方ない。
助産婦は余裕の表情で、「初産はこんなもんですよ。
明るくなる頃には赤ちゃんの顔を見れるといいですね」
ええーーー!!さっき夜中って言ってたじゃーーーん!
朝方5時もう、病院に来てから10時間が経つ。
病院からもらったテキストには、初産は10時間くらいって書いてあった。
その10時間も過ぎたし、もう生まれるだろう。
ランはもう疲れきっている。
様子を見ていると、激痛の時は目が覚めて激痛に耐えいてるが、
それがやんだ時は疲れて眠ってしまっているようだった。
眠って激痛で目が覚める。数分間続く激痛に耐えて、数分間の休息が与えられる。
この激痛は赤ちゃんが降りて来ている事らしい。
僕もここに来てから10時間ずっと、テニスボールを全力でお尻に押し込んでいる。
横から押すので姿勢が上手く取れず、何度も姿勢を崩しながらの作業。
なので、かなり疲れた・・・。
が、そんな事は言ってられない。ランに比べれば僕の方は屁みたいなもんだ。
僕は自分の意思で手を休めたりする事ができるが、ランにはソレは許されない。
朝7時:すっかり明るくなってきた。
外を見ると、車の量も増えて来て、1日が始まったって感じだ。
眠い・・・
この頃から強烈な眠気に襲われる。
ランの激痛が終わって休息の時間の時に、僕も横でウトウトしてしまう・・・
おおっと。ここで寝てたら最悪やな。と思って目を覚ます。
って言うか、すっかり明るくなってるで。
夜明けくらいには生まれるって言ってたのに、、
激痛の間隔はだんだん縮んで来てる。
当初は10分間隔だったのが、5分間隔になり1分間隔くらいにもなった。
1分間隔ってことは、1時間に激痛を30回も耐えるという事だ。
「痛いよぉー痛いよぉー」
いつもは強いランが泣き言みたいな声を出している。まだ、痛みが続くのか・・・
朝9時:同じ事の繰り返し。激痛、休息、激痛、休息、激痛、休息、、、
11時:この頃からだったかな、
僕の押しているお尻のテニスボールに大きな感触を感じるようになる。
赤ちゃんが降りて来ているらしい。
陣痛の度にスゴい勢いで降りてくるような感じだ。
それを押し返してやるのが僕の役目。押し返してあげると妊婦の痛みが和らぐらしい、、、
なんか降りて来てる赤ちゃんを押し返すなんて、何かに反しているような感じがするが、
それでいいらしい。
ところで、出産の時には助産婦さんがずーーっと一緒にいてくれるのかと思った。
しかし、実際には意外に放置だった。
こっちからナースコールで呼ばないと来る事はほとんどない。
「こんなに放置されんの?」と内心思った。
初めての事なので不安だらけなのに放置されっぱなしだった。こんなもんなのか・・・
13時:いよいよ出産が始まった。
ベッドの下の部分が取り外されて、そのまま分娩台に変形。
「もう生みましょうね」と数人の助産婦さんと医師が集まって来た。
よく出産シーンとかで出てくる機材のようなものも出て来た。
「ようやくか・・・」
と思ったが、後々ランに聞くと、ここからがまた痛かったそうだ。
「フーフーフー」と休んで「イィィィィーーーーーィィ」と踏ん張る。
途中で何度も過呼吸になりそうになりながら、これを繰り返す。
僕の役目は横で水を上げたり呼吸を整えたり声をかけたり。
大した事はできない。
ランが絶叫する。絶叫しても絶叫しても許してくれない。
「次で赤ちゃん出るからね」と助産婦が言う。
イヨイヨか!って言うかそんな事分かるんだ・・・
と思ったその次、「イイイイィィィィォォォォーーー」とランが踏ん張った時、
下を見るとなんとランの足の間から頭が出ている。
決してキレイな光景ではない。ホラー映画とかで見た事のあるシーンだ。
そして、その次にニョキニョキっと体も出て来た!パチン!
その瞬間に助産婦さんが、ボタンを押して、「14時7分出産でーーす」と言う。
赤ちゃんは速攻運ばれて、体を洗われている。
体を洗ってみたら赤い肌をしていてさっきより、ちょっとかわいい姿に変身していた。
ランは引き続き、胎盤というのを排出する。
出たものを見たけど、これがまたとてつもなく気持ち悪い。
内蔵が出て来たみたいだ。何だか肉屋にありそうだな・・・と内心思った。
赤ちゃんがランの上に乗る。それで匂いとかを覚えるらしい。
病院に来てから19時間。やっと赤ちゃんが生まれた。
出産はとても感動すると言う。
寺本に聞いても、感動で泣きました。と言っていた。
僕も泣きそうになった。
しかし、それは赤ちゃんが生まれた事への感動というよりは、
ランのがんばりに対してだ。
ずーーっと苦しんでいる彼女がかわいそうでかわいそうで
仕方なかった。
生まれた時は「よかったね。」と言った。
自分が父親になった事よりもランが母親になった事が嬉しかった。
何故なら、ランは小さい頃からママになるのが夢だったというから。
子供を欲しがっていたランが無事、ママになれた事がとても嬉しかった。
その後、僕も赤ちゃんをだっこする。
2700グラムだけど、思ったより重く感じる。
いつもマカロン達をだっこしているときよりもずっと重い。
体重は軽いはずなのに。
きっと頭が重いからだろう。人間は頭が重いなーと感じた。
生まれた子は女の子。彼女は一体、何を考えているんだろうな?
病室で、助産婦さんが手形と足形を取る。
USJとかディズニーランドみたいにコレを売って来たら
オモロいな・・・と思ったがそんな事はなかった。
普通にくれた(ちょい残念)
16時家に戻る。家で待っている6匹のワン子達がご飯抜きで待っている。
こいつら、新しい家族と仲良くやっていけるかな・・・
ー小川忠洋
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