From:北岡秀紀
From:北岡秀紀
先日、たまたま父親が事務所に来ました。そして、事務所のオクゴエ!サポートチーム篠原でございますの壁が全面、本棚なのですが、それを見て、「今までオマエなら絶対に読まない本が並んでるなぁ」と言われました。
あまり実感がなかったのですが、よく考えれば2,3年ほど前の本棚と比べれば明らかに違います。
2、3年前は、並んでいる本が全てマーケティングや自己啓発のようなビジネス書ばかり。しかし、今は、世界史、科学、文学、社会学、経済学などなど、昔では絶対読まなかった本がたくさん並んでいます。
もともとこのような書籍が増えたのは自分の意志ではなく、私が学んでいる先生からの課題図書として読まされるわけです。先生曰く「東大を目指すような高校生ならみんな読んでいる」ような入門書でもなかなか進みません。
1章読むのに丸1日かかるほど。中学、高校でもっと勉強しておけば良かったと、人生ではじめて思いました。
しかも、ビジネスに関係するような本であれば多少難しくても読もうと思いますが、全く関係ない本を読まされるわけですが、驚くほど気が進みません(笑)結果、もっとスピードが遅くなるという悪循環に陥ってしまいました。
それから2年が経ちました。いわゆるビジネス書を読む量は激減しました。月1,2冊読めばいいところです。(以前はビジネス書だけで3、40冊読んでいました。)一方で、全く関係のないような本を10冊程度は月に読んでいます。
午前中しか働いていないという話をすると、じゃあ、午後は何しているの?と聞かれるわけですが、トレーニングや習い事を除けば、ほとんど本を読んでいます。
その結果・・・2年前と比べて利益は7倍になっています。
ビジネス書の詰め込みの悪循環
私のクライアントでもビジネス書を読まなくなってから業績が上がるようになった、という話はよく聞きます。儲かるようになったからビジネス書を読まなくなったのかな、とはじめは考えましたがそうでないようです。
大量にビジネス書を読みまくり、教材を購入し、セミナーに参加。で、実践もできないまま消化不良。それでも、何か不安で勉強していないと気が済まない。だから、またまた消化不良に陥る・・・
こんな悪循環に陥っている人は少なくありません。
でも、読む本を絞るようになることで、今本当に課題となるような本だけを読むようになる。数が少ないから実践できる。だから、成果が出る、という良い循環に入ります。
また、全く違う本を読むのも意外と勉強になります。
例えば、「エントロピーの法則」という熱力学の法則があります。熱湯の入ったコップに氷を入れると、氷が溶けてぬるま湯になります。一方で、ぬるま湯が熱湯と氷に分離することはありません。
こんな風に大きなエネルギーと小さなエネルギーをひとつのところにまとめると均一になる、ということ定義したものなのです。
聞いてしまえば当たり前のことです。でも、こうやって名付けられて、自分のビジネスを見ると・・・
何もせずに放っておくと他と一緒になってしまう。他と違う存在でありたいなら、それだけの意志が必要である、ということに改めて気付くわけです。
差別化、USPを作ってもどんどん陳腐化してしまうのは、自然の法則からすれば当たり前なんだ、と納得します。
いつの間にか役に立っている
専門家からすればこの「エントロピーの法則」の理解では浅すぎるのかもしれません。しかし、私たちはビジネスパーソンです。知識をひけらかしたり、学問の研究をしたり、どこかで発表したりすることが目的ではないですから、別に構わないわけです。
全くビジネスとは関係ないというような本を読むことで、ビジネスに活かせたり、これまで学んだ事の納得度が高まったりすることは少なくありません。
もちろんそれを目的にするのではなく、楽しく知識を広げようという感じで構いません。どうせビジネスパーソンというフィルタであらゆるものを読むわけですから、ビジネスに役に立つところを勝手に見つけていますから。
ビジネス書は月に数冊しか読まず、行動はこの本で学んだ事に絞る。そして、全く異分野の本を読み、自分の見聞を広げていく。そうすれば消化不良を起こさず行動ができると共に、視野も広くなります。
だから、ただビジネスのことしか考えていない時よりも、不思議と成果も出やすくなります。なんでか?と言われても論理的に説明できる術はなく、みんなそうだからとしか言いようがありませんが、実際にやってみたら「あぁ」と皆納得します。
ビジネス書を熱心に勉強することを否定するつもりはありません。そういうステージは絶対に必要です。でも、長い人生で読んだ本がビジネス書だけ、というのは寂しい気がします。ホンのちょっとでも気になった異分野の本、ぜひ読んでみてください。
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