From:中森清久
「塵も積もれば山となる」
非常によく知られたことわざです。
ですので、今さら何をと思っておられることと思います。
意味は、もちろん、
塵のような小さなものでも、積もり積もれば山のように、大きくなる
ということです。
どういうわけか、わかりませんが、最近、同じような意味のことわざが目の中に飛び込んできます。
たとえば、「小さな流れも大河になる」「雨垂れ石を穿つ」「ローマは一日にしてならず」
日本語だけではありません、英語にも出会いました。
「Light gains make heavy purses.」(わずかな利益が重い財布となる)
でもどうして、こんなにも同じ意味のことわざがたくさんあるのでしょうか?
少し気になって、ググってみました。
ことわざとは何か?
言語由来辞典(http://gogen-allguide.com/)によると、
ことわざとは、昔から人々の間で言い習わされてきた、風刺・教訓・知識・興味などを含む言葉。
独特の定型と背景になる説話をもち、形式的にも内容的にも人の記憶にとどまるような言語芸術
とあります。
すごいですねぇ~。
ことわざって、芸術だったんです。知りませんでした。
でも、そう言われてみれば、
先に挙げたことわざもそうですが、
とても言いやすく覚えやすい文になっています。
これなら芸術といっても納得できます。
しかも、教訓たっぷりの芸術です。
小さいことでもコツコツと続けていればいずれは大きいことにつながる
という意味のことわざが多いということは、
古今東西を問わずこの教訓がとても大事である
ということを示しています。
我が身を振り返ってみれば、
師匠である北岡さんに教えていただいた時間管理術である
付箋仕事術を毎日コツコツと続けています。
どのようにしているかを簡単に書きますと、
付箋1枚に1つのタスクを書きます。
タスクが終わった付箋を1冊40ページのA4ノートに、1枚ずつ貼っていきます。
1ページには、1列15枚で横に3列分貼ります。
そして、先日、このノートが、ついに2冊目を終了しました。
つまり、合計で、15枚×3列×40枚×2冊=3600枚
を貼り終えたということです。
付箋を貼ったということは、タスクが終了したということですから、これだけの仕事を成し遂げたということです。
・・・・
と書くと、何だかすごいことを成し遂げたようですが、
実際は、、、、
めちゃくちゃです(汗;)
毎日、毎日、付箋を張っている月があるかと思えば、
3ヶ月ほど、付箋を貼っていない時期もあります。
要するに、仕事術をしたりしなかったりの日々があったということです。
もちろん、付箋を書いていないからといって、その間仕事をしていないわけではありません。
が、
忙しいことを言い訳に、付箋に仕事をメモせず、頭の中に仕事をおいて、作業をすすめていたわけです。
そうするとどうなるか。
・・・
ご多分に漏れず、
重要ではないにもかかわらず急を要する仕事にばかり、時間が費やされていきます。
逆に言うと、
重要であるにもかかわらず、急を要さない仕事にかける時間がなくなってしまうので、
仕事に面白みを感じなくなってしまいます。
そうなると、作業効率も急速に悪化していきます。
仕事がつまらない↓やる気が起きない↓仕事がはかどらない↓ますます仕事がつまらなくなる
・・・・・
気がつけば、売上は急速に低下しています。
このときになって、ようやく気づきます。
このままでは、ダメだということを。
・・・・
社長の仕事は、マーケティングです。
ですので、
目先の単純作業に追われてしまうと、売上などアップするハズありません。
そこでどうしてこんなに忙しいにもかかわらず売上がアップしないのか?
どうして、目先の仕事にばかり集中してしまうのか?
どうして、重要な仕事ができないのか?
ということ考えるわけです。
わたしの場合、この結論はいたって単純です。
付箋にタスクを書いていないことが最大のミスだ
ということです。
頭の中に、仕事をおいて作業を進めるとどうなるか?
作業中に、仕事のことを忘れます。
その結果、急ぎの仕事が終わったら、すべてのタスクが終わった気になってしまうので、
すぐに次の仕事に行くことができません。
ここにタイムロスが生じます。
具体的には、
リサーチという名目で、無駄なネットサーフィンをしたり、
気分転換と称して、長時間の散歩に出かけたり、
という無駄な時間を浪費することになってしまうわけです。
すぐに気付けばよいのですが、
「考える」という最も辛い作業から逃げるためなら何でもする愚か者ですので、
売上が下がるというピンチが来るまでは、
なかなか気づきません。
でも、幸いなことに、これまでは、手遅れになる前に、
再び、付箋を取り出して、タスクを書き出していく作業に戻ることが
できました。
ホッ
たった1枚の付箋。
価格にすれば、わずか0.2円ほどのものです。
しかし、この付箋こそが、大きな山になる塵です。
表現を変え、言語を変え、時間を超えて、
語り続けられているよく知っているハズのことわざの怖さを改めて、
気づかせてくれたそんな最近の出来事でした。
ー中森清久
あなたにとって将来大河となりうる小さな一滴はなんですか?
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