From:北岡秀紀
イタリアンを食べに行くたびに、不満に感じることがあります。
それは、パスタやピッツァの後にメインディッシュが出てくること。最後がメインだと「食べた!」という感覚がなく、お腹はいっぱいだけれど不完全燃焼という感じがします。
聞いてみると、これは私だけでなく、結構多くの人が思っているようです。
和食なんかだと締めはご飯になりますから、炭水化物は最後という習慣、常識に縛られている、と言えます。
ビジネスにおいても、締めは炭水化物である的な習慣、常識、慣習は結構あります。
例えば、電話が鳴ったら取る。
当たり前のように感じますが、取らないといけないという法律はありません。実際、携帯電話がなっても気付かずに取らなかったことは、何度もあるはずです。
でも、電話が鳴ったらなぜか取ってしまう。無視しようと思っても、なぜだかそわそわして、早く折り返ししないと・・・という気になっています。
見えないルールに縛られている
まさに、電話が鳴ったら取るという習慣、常識、慣習、ひとことでまとめるなら「見えないルール」に縛られているのです。
でも、この「見えないルール」に気付き、これを破って良いんだと気付いた時、ビジネスが一気に飛躍します。
電話の例で言えば、携帯電話はサイレントモードにしておいて、鳴ってもスグ出ない。時間を決めて折り返す。ただこれだけで生産性がグンとアップします。
なぜなら電話を取るたびに仕事が中断され集中力が削がれています。それがなくなるからです。
面白い事に、これをやるようになると、かかってくる電話の本数が減ります。
ちょっと困っただけで電話していた周りの人が、電話がつながらないということで、自立で解決策を見つけたりするようになるのです。
つまり、周囲の人にとって「電話がつながる人」というルールが壊れ、「電話がつながらない人」というルールにとって変わったということです。
私が金持ちヅラをして、札束を踊らせ、外車に乗り、「コピペで稼げます」みたいな人をアチコチで小馬鹿にするのは、コピペで稼げるはずがない、という思い込みを持っているからです。この思い込みもまさに「見えないルール」と言えます。
でも、私が小馬鹿にするコピペ起業家たちは、本当に「コピペで稼げる」のかもしれない。本当に稼げるのだとすれば、私の「見えないルール」が間違っている、ということになります。
また、私は思いっきり働いてビジネスで成功してから、基本的に午前中しか働いていません。同じ時期に起業した友人は、それを見て、コピペ起業家を見るように私を見ます。彼は経営者が最もハードワーカーであるべきと思っているからです。私は、考える時間をたっぷりとることがスタートアップを終えた経営者の仕事であると思っています。
どちらが正しいとかはなく、それぞれのルールに縛られているのです。
あなたは何を選ぶのか?
人が人である限り、何らかの「見えないルール」に縛られているのは間違いありません。
でも、「見えないルール」はどれが正しいとか正しくないということはありません。ベジタリアンとそうでない人のどっちが正しいのか?という議論と同じです。
「コピペで稼げる」世界が本当にあるかもしれない。
だから、結局はどちらを選ぶか、でしかありません。
もちろん『7つの習慣』でいうところの「原則」のように、どんな時代、世界でも普遍のルールもあるはずです。
しかし、それ以外のルールは、単なる常識、慣習に過ぎません。
経営者をしているということは、何かに縛られたくない、という動機は少なからずもっているはずです。
ならば、自分でどのルールを選べばビジネスがうまくいくのか?という観点で、ルールを変えることです。
それができるとビジネスが激変します。
そのためには、まずあなたはどんな「見えないルール」に縛られているのか認識することです。
認識できれば、あとは簡単。
違うルールを上書きすればいいだけです。
もちろんベジタリアンが肉を食べるような背徳感を初めは感じるかもしれません。(実際、電話を取らないことをクライアントに教えても、なかなかできません。)
しかし、それを乗り越えたところに、大きな成長が待っていることが、しばしばあります。
あなたの成長を妨げている、上書きすべきルールはなんでしょうか?
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