From:中森清久
こんにちは。
【ザ・レスポンス】認定コンサルタントの中森です。
このメルマガでは、コンサルタントとして、中小企業の売上アップを支援してきた中で、実際に遭遇した、様々な事例をできるだけわかりやすくお伝えしていきます。
これらの事例を参考にしていただければ、あなたのお役に立つことは、間違いありませんので、ぜひ、じっくりお読みください。
今月、弊社のあるクライアントに「売上はどうですか?」と質問したとき、
返ってきた答えは「ほとんど売れませんでした」というものでした。
あなたなら、どのようなアドバイスをしますか?
情報化社会の今日、世の中にたくさんの情報が飛び交い、似非コンサルタントが氾濫しています。
似非(えせ)とは、「似て非なるモノ」という意味ですので、似非コンサルタントというのは、表向きはコンサルタントを装いクライアントのためのアドバイスと言いながら、裏では自社商品のサービスを売り込もうとしている輩のことを言います。
似非コンサルタントのタチが悪いのは、自社サービスを利用しさえすれば、それなりの結果を出す事ができるので、クライアントが騙されたと感じない点です。(そしておそらくは、似非コンサルタント自身も騙したと感じていない点です。)
さて、似非コンサルタントをどのように見分ければ良いのでしょうか。
見分け方は、実に簡単です。
それは、「ほとんど売れませんでした」という答えに対して、
SEO対策をしましょう。
PPC広告を出しましょう。
Facebookで集客しましょう
といった提案をスグに出す人が、似非コンサルタントです。
なぜなら、このアドバイス。
成果を出すことはできますが、決してクライアントのためのものではないからです。
その理由を順に説明してきます。
コンサルティングの場面では、気をつけるべきことが2つあります。
1つは、とにかく曖昧な部分、特に、曖昧な言葉を徹底的に具体化していくということ。
なぜなら、曖昧な言葉のままでコンサルティングを進めていくと、間違った答えにたどり着く事があるからです。
例えば、冒頭の例ですと、“ほとんど”という言葉です。
とても曖昧ですよね。
“ほとんど”って何個のことでしょうか?
0個、2個、10個?
わからないです。
ですから、「ほとんどって、具体的にはいくつですか?」と数値化していくわけです。
今回の場合ですと、弊社のクライアントは「2件でした」という返答でした。
2件。確かに少ないです。“ほとんど”売上を上げることができていません。
ということは、悲しむべき結果なのでしょうか?
この段階でも、結論に飛びつくのは早すぎます。
なぜなら、「2」という数字が良い結果なのか、悪い結果なのかがわからないためです。
2という数字は確かに小さな数ですが、Webサイトで大事なのは、売上の個数よりもむしろ成約率の方です。
ですから、もう少し詳しく聞いていく必要があります。
これが、コンサルティングの際に気をつけているもう1つのポイント、深掘り行為です。
この場合ですと、Webサイトへのアクセス数を尋ねる必要があります。
例えば、この売上個数2という数字が、10000アクセスの2件(成約率0.02%)であれば悪いですし、100アクセスの2件(成約率2%)であれば、かなりいいです。
このように、同じ“2”という数字にもかかわらず、アクセス数によって成約率が変わるので、良い・悪いかが変わってきます。
さらに、アクセス数を尋ねる事によって、売上アップしないのは、Webサイトの成約率が悪いためなのか、Webサイトへのアクセス数が足りないためなのか、という原因の切り分けをできるようになります。
10000アクセスで2個(成約率0.02%)であれば、SEO対策をしたり、PPC広告を出したり、Facebookを始めるというアクセスアップの解決策は、明らかに間違いです。
確かに、アクセスを増やせば成約率に応じた結果を出すことは可能です。
(アクセスを2倍にすると、2倍売れることになります。)
しかし、成約率2%と同じ成果を上げるためには、いまの100倍の100万アクセスを集める必要があります。
いったいどれだけの時間と費用がかかることでしょう。
一方、セールスレターのヘッドラインの修正・オファーの変更などWebサイトを修正し、成約率を上げていく方法ですとどうでしょうか。
ヘッドラインを変更しただけで、成約率が10倍以上もアップすることもありますので、こちらの方が、手間暇もかからず、はるかに効率的といえます。
ですから、クライアントのための解決策は、アクセスを増やすのではなく、成約率をアップさせる方法です。
どうでしょう。具体化することと、深掘りすることの大切さをご理解いただけたでしょうか?
このように、「ほとんど売れませんでした」という答えに対して、具体化もせず、深掘りもせず、スグに答えを出してしまっては、結果として売上個数が伸びる事になるとはいえ、
クライアントの時間と費用を浪費することになってしまいます。
ですから、世の中に氾濫している“似非コンサルタント”には、ぜひとも注意してほしいというわけです。
ちなみに、今回のクライアントのアクセス数は300でした。
300アクセスの2個販売。成約率、0.67%。
単価が十万円近くする商品で、既存顧客からのアクセスではないので、まずまずだと思うのですが、よくよく聞いてみると、売上は2件ですが、見積もり依頼は8件だったそうです。
ここでも深掘りしなければ、わからないとこでした。
300アクセスで、8件の問い合わせ。
成約率2.6%。
これ、決して悪い数字ではありません。かなり良い数字です。
アクセス数を増やせば、ガンガン売上を伸ばすことができる予感がします。
どちらかというと問題があるのは、問い合わせ8件のうち2件しか販売できなかった点(成約率25%)です。
ですから、“ほとんど売れていない”わけではなく、かなりよい数字がでているという説明をした後で、アクセスアップの具体的な方法論と問い合わせ後の電話でのトークスクリプトの具体的な組み立て方法を説明して、コンサルティングは終了しました。
来月が楽しみです。
-中森清久
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