From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
ある成熟業界で競合が苦戦している中、ある私のクライアントが一人、ものすごい勢いで儲けています。
後発ながら、相当、注目されている経営者になっているようです。
彼がそんな風になったのは、
「会社って右肩上がりで成長しないといけないんですか?」
という質問を私が投げかけた結果でした。
彼が提出してきた計画が「机上の空論」感が漂っていたため、私がこう質問したのです。
この質問で「あ、右肩上がりじゃなくていいんだ」と気付き、売上アップや従業員を増やす事はやめ、徹底的に利益を上げるようなビジネスモデルに変わりました。
そのおかけで、驚くほど儲かるようになりました。
(儲けないという意思決定をして、儲かるようになったという一見矛盾した話ですね。)
それって、あなたの考え?
よく考えてみれば。。。
私たちは「売上や利益を右肩上がりにどんどん増大させていく、というのが正しい」ということを前提にビジネスをしています。
それが資本主義だから、と言われてしまえばそれまでです。
しかし、『ザ・レスポンス』を読んでいる経営者の場合、会社の所有者たる株主も自分ですよね?
ならば、そういう資本主義の価値観に乗っからない、という価値観で経営するのも勝手な訳です。
これを「縮こまり思考」と呼んだり、「負け組だ」と言う人もいるかもしれません。
でも、それも結局はそれも外野の声です。
その人たちに迷惑をかけているわけではありません。
まァ、そういう声を聞いて、ブレてしまう気持ちはわかりますが。。。
会社を小さくしたい
実際、最近多い相談が「どうやって会社を小さくすればいいですか?」というものです。
目標10億円みたいな目標を立てて、がむしゃらにがんばって働いた。
で、ホンの数年でそれを達成した。
じゃあ、それで幸せになったかといえば、そうでない、と。
尋常じゃないプレッシャーを感じるようになった・・・
自分ではなく人に時間が取られるようになった・・・
今まで大好きだった現場の仕事ができなくなった・・・
従業員とのやりとりがしんどい・・・
などなど。
確かにその分、報酬や社会的地位はあがったけれど、失ったものと比べたら釣り合わない。
だから、会社を小さくしたい。
でも、従業員をはじめ利害関係者が多過ぎて何ともならない。
そんな風に悩んでいます。
その結果、大きくしないといけないという無言のプレッシャーを感じてアクセルを踏んでいるけれども、同時に、自分にとって心地よくないからブレーキも同時に踏んでしまう・・・
そんな経営者のマインドが会社を停滞させる結果を生んでいたりします。
さらに、付け加えて言えば、10億円とか20億円とか、こういう規模感の会社が一番中途半端です。
その分野でNO1にまでもっていかないと生き残れないという時代に入っています。
であれば、逆に極小の方が、小回りが利いて儲け易かったりします。
ということは、この規模になったら、今やってしまっている「しんどい」「つらい」「やりたくない」をNO1になるまで、まだまだ続けていく必要があるということになります。
あなたの価値観は?
私がここで会社は大きくすべきだとか、小さいままのほうがいい、ということを論じるつもりはありません。
なぜなら、それは価値観だからです。
法律に違反しない限り、モラルに反しない限り、他の人に迷惑をかけないかぎり、どの価値観を選ぶかは自分次第です。
肉が大好きな私がベジタリアンの人を否定できません。一方で、ベジタリアンの人に肉食を非難される覚えはないのと同様です。
重要なことは、社会的や周りが持っている価値観と自分自身の価値観をハッキリ切り分けて考えましょう、ということです。
右肩上がり型のビジネスにしない、と決めた瞬間、しんどくなる部分もあります。
資本主義の世界の中で戦わないといけないことには変わらない一方で、大きくするという武器が減るということですから。
大きくすること。小さいままでいること。
それぞれにメリット、デメリットがあります。
それを天秤にかけて、考えることが重要です。
大きくしてから、小さくする事は不可能ではありませんが、恐ろしく大変です。
大きくする何倍も。
もしあなたが今、小さい会社ならば・・・
まだ自分で決められるチャンスです。
あなたの価値観はどっち??
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