From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
前回は「顧客が今週、話題にするのは誰で何について」なのかを考えてみました。今回もマインド・キャプチャー(心を掴む)に関するトピックを続けます。
経営者たちの多くは顧客に関して間違った態度を取っています。
既存顧客と新規顧客を相対するものだと思っているのです。
あなたは、彼らが非常に愚かで怠惰な態度を取っているのに気付いていましたか?
経営者は、既存の顧客には時間とお金をかけようとはしません。
近い将来の取引が確実な顧客や、現在取引中の顧客に対しては、
お金と労力を出し惜しみします。
ところが、新規顧客の獲得となると積極的に時間やお金を注ぎ続けます。
つまり、彼らはこれから捕らえる獲物に対しては
よだれを垂らしながら汗だくで必死になるのに、
すでに捕らえた獲物には見向きもしないのです。
そこには多くの理由があります。
人間のひねくれた性質、商売についての無知、怠惰な性格、
顧客ロイヤリティについての誤った考え方など、
挙げればキリがありません。
車のディーラーがいい例です。
彼らは、新規顧客を取り込むために、週に500万円をかけて新聞やラジオ、テレビに広告を出しますが、すでに車を購入した顧客に対してはお金を出すことを渋ります。
DM送付は2万~3万円程度で済みますし、
カーオーナーのためのパーティ開催には20万~30万円ほどの出費で済むというのに、
そういうお金は決して使おうとはしません。
愚かさとケチと怠惰が勢揃いです。
車のビジネスほど、愚かさとケチと怠惰が勢揃いで蔓延っているビジネスはないでしょう。
しかし、多くの他のビジネスにおいても同様の愚かな行為は、
レベルの違いこそあれ蔓延しています。
私が利用しているドライクリーニング屋は、
クーポンマガジンや地元の新聞に、サービスを誇張した内容の派手な広告を出しました。
私は、その店を3年間も利用してきましたし、
その店で何度も月に15000円以上使ったことがあったのに、
DMをもらったのはたったの1回だけです
しかも、クーポンには「新規顧客のみ」と書いてありました。
愚かだと思いませんか。
でも、そのドライクリーニング屋は幸運でした。
なぜなら、私が別のドライクリーニング屋に乗り換えようとは思っていなかったからです。
ですが、気の毒なことに、私が今乗っている車を買ったディーラーは、それほど幸運の持ち主ではなかったようです。
今度新しい車を買うときは、もうこのディーラーからは買おうと思いませんから。
少しのお金と労力をかけるだけでお得様は機嫌よくまた買ってくれるというのに、
それをケチったためにお得様に逃げられるとはもったいないことだと思いませんか?
あなたがビジネスでもっと収益を増やしたいと思うなら、顧客の心を掴むことです。
まずはあなたの既存顧客の中からお買い上げ額上位50%のお得意様に対して始めてみましょう。
それが多すぎるようなら上位40%か30%の顧客でも構いません。
彼らが、毎週「あなた」のことを話題にするように仕向けましょう。
その後で、同じことをターゲット層に対してやってみましょう。関連の産業やコミュニティに向けても良いでしょう。あなたの顧客に対するお金や労力のかけ方のバランスは、大丈夫ですか?
次回は、「亡霊」がいかに成功の邪魔をしているのかについてお話します。
次回をお楽しみに。
−ダン・ケネディ
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