From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
私の経験上、これをやりさえすれば売上がアップする!方法論は存在します。でも、それをやらない方がいい、ということもあります。
ある化粧品会社の事例です。
この会社のビジネスモデルはかなりシンプルです。
これぞダイレクトレスポンスマーケティングの王道!という会社です。
サンプル請求をしてもらう
↓
請求してくれた人にフォローアップする
↓
商品を販売する↓定期購入してもらう
この会社のサンプル請求ページの成約率は5%。その5%のうち、商品を購入してくれる割合は1.8%。
要するに、サンプル請求ページに20000アクセスを送るとすると、そのうちサンプル請求してくれるのが1000人。その後、購入に至るのは18人ということ。
で、この会社の社長が、ある日、情報起業家あがりのなんちゃってコンサルタントと広告代理店にそそのかされて、サンプル請求ページのコピーを変更しました。
すると。。。サンプル請求の成約率が15%に跳ね上がった!!
凄い!サンプル請求が3倍ということは、売上も3倍じゃないか!!このコンサルタントは天才だ!!と神扱いされたほど。
しかし、2ヶ月後…売上は3倍どころか、ちょうど半分になっていました。つまり、20000人のアクセスがあって、サンプル請求は3000人。でも最終購入者は9人。
15%サンプル請求者の中から購入してくれた割合はたった0.3%になってしまったということ。
なぜこんなことが起こってしまったのでしょうか?
それはサンプル請求のコピーのせいでした。
ヘッドラインを見るだけでもその違いは一目瞭然です。
成約率5%の頃のヘッドラインは、「本当に価値がわかる人だけにお届けしたいから…一度お試しください」
しかし、このコンサルタントが作ったヘッドラインは、「今だけ、無料お試しのチャンス!」
この違いわかりますよね?この化粧品会社はいわゆるオーガニックのこだわり商品を販売しています。さらに言えば、商品の価格帯も高めです。
ですから、商品の「価格」ではなく、「価値」に重きを置くお客さんでなければ、購入に至りません。
では、「今だけ、無料お試しのチャンス!」に反応するお客さんは???
確実に「価格」に反応するお客さんです。つまり、そもそもお客さんになり得ない人を引きつけてしまった結果、当然、その後も売れない、というわけです。
あなたはこんな罠に引っかかっていませんか?
確かに、これはかなり極端な例ではあります。
しかし、この『ザ・レスポンス』を読むような勉強家のあなたは、本やセミナーや教材などでたくさん勉強をされていると思います。そんな勉強家の方だからこそ、陥ってしまいがちな罠があります。
勉強する中で「あ、これは使えそう」と思ったアイデアがあったとします。
それスグに実行するというのは、とても良いことです。しかし、実行する前にひとつだけ考えるべきことがあります。それは本当にあなたの会社にフィットしているのかということ。
・もしあなたの会社が商品の品質をウリにしているのであれば、「安い」と言ってはいけません。
・もしあなたの会社が社長の誠実なキャラクターで売っている会社であれば、「反社会的」「非道徳」で煽るコピーを書くべきではありません。
・もしあなたの会社が徹底した顧客サービスを標榜するなら、「こんなお客は来るな!」なんて言うべきではありません。
(コンサルビジネスなんかには、「こんな方は来ないでください」というのは強力な武器ですが。)
・もしあなたの会社が高級イメージで売っているなら、どれだけ反応率が良くても縦長のセールスレターで商品を売るべきではありません。
つまり、あなたがお客さんに約束したことを外れるようなメッセージは絶対に発するべきでないのです。
例えば、ルイ・ヴィトンが「全品50%OFFセール!!」をやったとしたら、多分、初めはお客が殺到するでしょう。しかし、ブランドイメージが低下して、スグにダメになるのは想像に難くありません。
お客さんとのファーストコンタクトから実際に購入してもらうまで、何度もコンタクトを取ることになります。コンタクトを取るたびにメッセージが変われば、当然、お客さんは不信感を持つ事になり、商品は売れません。
品質を売るなら、品質を訴え続けてください。安さを売るなら、安さを貫いてください。
あなたの会社はお客さんにどんなイメージを持ってもらいたいと考えていますか?
そこから外れるようなことは、どれだけ効果がある(と見える)ものであっても、絶対にやるべきではありません。メッセージの一貫性こそが、お客さんからの信頼を生む最大の要素です。
【邪魔の入らない週末こそ!社長のためのアクションプラン】
あなたの会社はお客さんにどんなイメージを持ってもらいたいのでしょうか?それと外れるようなメッセージを発していませんか?ウェブサイト、パンフレット、営業トーク、封筒、納品書…お客さんの目に触れるあらゆるものをチェックしてみましょう。
–北岡秀紀
追伸 私はこの化粧品会社のサンプル請求ページを一切変更せず、購入者の数を2.7倍にしました。
それはどうやってだと思いますか?来週お話ししますので、楽しみにしていてください。
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