From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
今回は、“言い訳しないこと”についてもうひとつ知っておいて欲しいことをお話します。
まず、言い訳の最悪な例をご紹介します。
昔、私が見たインタビューで女優シャロン・ストーンが、出演映画「キャットウーマン」の件で当時のブッシュ大統領を批判していました。彼女の理屈はめちゃくちゃでした。
「ブッシュ政権とFCC(連邦通信委員会)による保守的で厳しい放送規制のせいで、映画プロデューサーは、私とハル・ベリー(「キャットウーマン」主演女優)のレズビアンのラブシーンを入れられなかったの。もし映画にそのシーンが入っていれば、ヒットしていたでしょうね。つまり、この映画の失敗はブッシュのせいなのよ。」
本当ならインタビュアーは、それに対しさらにこんな質問を投げかけるべきでした。
「つまり、ポルノ不足だったがために誰にも魅力が伝わらず、映画が失敗したとおっしゃりたいのですね?」
映画「キャットウーマン」はヒットせず、メディアにも酷評されていていました。それに耐えきれなかった彼女は、映画の失敗の責任は、脚本家のせいでも、プロデューサーのせいでも、俳優のせいでも、スタジオのせいでもなく、単に恐ろしくひどい前提にあったと言ったのです!
近頃、「これは私のせいじゃない」という反論を会話中に聞かない日はないと思いませんか?
非難が辛いとしても、シャロンのような理屈は間違っています。
しかしながら、マーケティングの見地から見ると、“言い訳”したがっている人が多いのは好都合かもしれません。見込み客の心を掴むのに利用できるからです。
覚えておいて欲しいのですが、あなたが売っているものが何であるにせよ、その商品やサービスが見込み客の問題を解決するものであれば、その解決策を提示する前に、見込み客のためにいくつか上手い言い訳を用意しておくといいでしょう。
問題が何であろうと、あなたの商品がその問題解決に効果があろうとなかろうと、問題を解決できない原因が見込み客にあるような言い方は避けるべきです。非や責任が見込み客自身にあるとは感じさせないようにしてください。
見込み客に商品を買ってもらうためにも、問題の原因は見込み客以外の別のところにあるということにするのです。
もちろん、より高品質な商品を維持することは大切です。しかし、あなたは、顧客がもっとも欲しいものを提供したいと思っているはずです。
そうであるなら、見込み客にとって都合のよい“言い訳”を用意してあげましょう。そうすれば、見込み客は他の考えに煩わされることなく、あなたの商品へ関心を真っすぐに向けることができるに違いありません。そして、その商品に満足感を感じながら購入してくれるでしょう。
ちゃんと見込み客のための“上手い言い訳”を用意できているか、広告やセールスレターをチェックしてください。
見込み客が求めているものを見極める目を持っていますか?
次回をお楽しみに。
−ダン・ケネディ
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