From:藤岡将貴
今日は、先週の続きです。先週の話を少し整理すると、「上位20%のお客さんの売上を増やす方法」ということで、まずは、売上を「客数 ✕ 客単価」に分解しました。
さらに、この絵のように、客数を「新規+(維持ー離脱)」に分解して、バケツに新しく水を入れること、つまり、上位20%のお客さんを増やす方法についてお話しました。
では、今週は、バケツの穴をできるだけ小さくして、漏れる水の量を減らすこと。離脱客を減らして維持客を増やす方法についてお話しようと思います。
バケツの穴を小さくすること。そのために効果的なことはなんでしょうか?いくつかあると思いますが、1つは「定期的な接触」です。ダン・ケネディによると、お客さんが一度行ったお店にリピートしない最大の理由。それは、「そのお店のことを忘れているから」なんですね。それが68%だそうです。ただ単に忘れているだけなんですね(あなたもそんなお店が1つや2つはあるはずです)。なので定期的な接触をして、忘れないでいてもらう、覚えていてもらう。というのが単純ですが効果的です。
じゃあ、どんな接触をするのがいいか?毎週、セールやキャンペーンの案内を、メールやハガキで送るのがいいのか?というと、そうではありません。それをやると、かえってお客さんを遠ざけてしまいます。
例えば、あなたが仕事の相手との付き合いでキャバクラに行ったとします。その時、初めて接客してくれた女性から、その後、毎日のように「◯◯さん、今日暇なんです。よかったら来てくださいね」なんてLINEが来たら、うっとおしいですよね?(あなたはキャバクラには行かないタイプの方かもしれませんが、想像してもらえたらきっとそう思うはず)
でも例えば、今日お店に来た変わったお客さんの話とか、同僚の女の子の軽い愚痴とか、そんな話をちょこちょこしてくれる分には、そこまで嫌な気持ちにはならないでしょう。それどころか、そのうち、その子とまた話がしたくなって、お店に行くかもしれません。つまり、最近あった話とか失敗談とか、ちょっとしたエピソードを話すのがいい、ということですね。
あとは、これは多くの人がやってしまうことなんですが、お客さんが知らないことや、役立つ情報、ためになる情報を送ること。これは、必ずしも必要ではありません。定期的な接触の目的は「あなたのことを忘れないでいてもらう、覚えていてもらう」ことです。そういった意味では、役立つ情報は「いい話聞いたな」で終わってしまいがちです。それよりも、あなたの個人的なエピソードの方が相手の記憶に焼きつくでしょう。それに、役立つ情報を送ろうとすると、なにより、ネタが尽きて、続かないので(笑)
もう1つの方法は、穴を小さくする、離脱する人を減らす、というのとは少し違いますが、離脱してしまった人に、もう一度来店してもらう、ということです。バケツから漏れた水を、もう一度バケツの中に戻す、ということですね。先ほどもお話したように、一度行ったお店にリピートしない最大の理由は、「単に忘れているから」です。料理が美味しくなかった、サービスが悪かった、そんな理由ではないんです。なので、ちょっとしたキッカケがあれば、また来店してもらえる可能性がある、ということですね。
そのための方法としては、たとえば、なにかの理由をつけて(これがポイントです)、今回だけのものすごくお得なオファーをご案内するのも、1つの方法でしょう。あるいは、率直に、「またお店に来て欲しい」とお願いする方法もあります(この2つは、僕らも実際にやっていて効果実証済みの方法です)。
この、「一度離脱してくれた人にもう一度戻って来てもらう」という施策は、上位20%といった優良なお客さんには特に労力対効果の高い施策なんです。というのも、ニンニクやシジミなどの健康食品の通販会社「やずや」の、お客さんを育てる方法が公開された書籍「社長が知らない秘密の仕組み」によると、「離脱したお客さんが再び来店しだすと、それまでと同じくらいの購買行動をしてくれる」ということなんです。つまり、例えば、離脱する前は、あなたのお店に年間で100万円払ってくれていた人に、再び来店してもらえるようになると、また、年間で100万円くらい払ってくれるようになる、ということなんですね(これは言われてみたら「そうかも」と思いますが、ちょっと驚きですよね)。
僕らも経験上、全員が必ずそうなる、ということはありませんが、その傾向にあるのは間違いないです。もともとたくさんのお金を払っていてくれた人に、ちょっとしたキッカケを提供することで、また以前と同じくらいのお金を払ってもらう方が、そのレベルまでゼロからお客さんを育てるよりは、はるかに簡単なことです。一度離れてしまったお客さんにまた戻って来てもらえる、もっとも効果的な方法を見つけることは、かなり労力対効果の高い仕事であることは間違いありません。なので、ぜひ、あなたも試して、試行錯誤して、やってみるのをオススメします。
-藤岡将貴
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