トップ > ブログ >  > お得意さんを増やす方法(vol.1)

お得意さんを増やす方法(vol.1)

  •  

From:藤岡将貴

先日、旅行会社のJTBからこんなハガキが届きました。表面には「JTBから大切なお客様へのご案内です」という文字が。ちなみに、ダイレクトメールではこういった開封を促すちょっとした文章のことを「ティーザーコピー」(ティーザーとは”じらす”という意味)と呼んでいます。

圧着はがきを開いて中を見てみると、中にはこんな文章が。

要するに、ポイントによるランクがアップしたよ、という案内でした。JTBでは「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」の3つのステージを用意しているらしく、僕は今回「シルバー」になったとのこと。シルバーになると、レジャー、観光施設の入場割引やスポーツ・アウトドアなどの特典が受けられるようです。で、さらにゴールド、プラチナになると、もっとたくさんの特典やサービスが受けられる、ということのようなんですね。

ランクシステムを取り入れるメリットとは?

こういったランクシステムは、まだ数はそこまで多くない印象ですが、たまに見かけることがあります。僕らも「VIP顧客」と「一般顧客」の2種類ですが、ランクを設けています。なぜ、ランクシステムを取り入れるのでしょうか?どんなメリットがあるのでしょうか?

その1つとして、僕たちも実感していることが、「LTVが高いお客さんほど、よく買ってくれるから」というのがあります。LTV、つまり、僕たちの商品やサービスを初めて買った時から今までの累計購入金額が高いお客さん(お得意さんですね)ほど、商品をたくさん買ってくれやすい、ということなんですね。あなたもきっと感覚的におわかりになると思います。

その理由としては2つ考えられるかな、と思います。1つは信用してくれるようになるから。これまでに買った経験から、品質やサービスに満足してくれたので、また繰り返し買ってくれたり、別の商品を買ってくれる、ということですね。

もう1つは、知識の隙間理論。特に僕たちのような知識やノウハウを販売している場合、お客さんは本や教材で学べば学ぶほど、知らない部分があることを不快に感じて、そこを埋めたい、もっと学びたい、という欲求が働くからです。これは、教育以外にも、例えば美や健康の分野でも言えるでしょう。体の一箇所が綺麗になれば、今度は他の部分が気になり始めて、そこを綺麗にしたいという欲求が高まる、ということですね。

LTVが高いお客さんほど、よく買ってくれる

広く知られた「20:80の法則」というものもありますが、あなたのビジネスでもおそらく「LTVが高いお客さんほど、よく買ってくれる」という状況になっていると思います。言い方を変えれば、例えば同じ商品を売って100万円を得たいなら、LTVが高い20%のお客さんに売る方が、それ以外の80%の人に売るよりも、簡単に100万円を得られる、というわけです。

そういった理由で、「LTVが高い人20%の人からの売上を増やす」というのは、楽に安定して売上をあげるためにはかなり重要なポイントになるんですが、ほとんどの人は新規集客ばかりに目が向いてしまって、この部分を疎かにしてしまいがちなんですね(LTVが高い人からの売上を増やすどころか、LTVの上位20%は誰かを把握することすらできていない人がほとんどでしょう)。

というわけで今日は、上位20%の売上を増やす方法、についてお話したいと思います。こういった方法や施策を考える際には、いきなり大きく考えるのではなく、小さな要素に分解して考えるのが鉄則です。分解する方法はいくつかありますが、ここでは、

売上 = 客数 ✕ 客単価

の計算式で分解してみます。すると、上位20%の売上を増やすためには、客数と客単価のいずれか、または両方増やす、というのが必要になります。では、まずは客数について考えてみましょう。ここで、客数をもう1段階分解します。ここでは、

客数=新規+(維持ー離脱)

と分解します。これはバケツの水で喩えるとわかりやすくなります。

このバケツの中に入っている水が、上位20%のお客さんだとします。でも、このバケツには小さな穴が空いているんですね。なので、少しずつ水が漏れてしまっています。これが離脱客とか休眠客と呼ばれる人たちです。上位20%のお客さんの中にも、定期的に商品を買ってくれているアクティブなお客さんもいれば、最後に買ったのは1年以上前(業種によってはそれ以上)といった、非アクティブなお客さんもいるわけです。あなたにもきっと、これまでにそこそこお金を使っていて、今も通い続けているお店と、一時期めちゃ行ってたけど、最近はもうずっと行っていないお店があるはずです。

で、これは僕たちも計測して傾向が出ていますが、一般的に、離脱期間(最後に買ってから経過した日数)が長くなればなるほど、再び商品を買ってもらうのが難しくなります。つまり、バケツからどんどん水が漏れて、バケツの中の水が減れば減るほど、どんどん売上があがりにくくなってしまう、というわけです。

でも、バケツから漏れてしまう離脱客を完全にゼロにすることは不可能です(そう思った方がいいです)。じゃあどうすればいいか?そのための対策は2つあります。1つはバケツに新しく水を入れること。もう1つは、バケツの穴をできるだけ小さくすること、です。

まず1つ目。バケツに新しく水を入れること。つまり、上位20%の層に新しい人を入れる、ということです。要は、他の商品を買ってもらってLTVを増やしてもらう、ということですね。そのために効果的なことはなんでしょうか?

LTVを増やす2つの方法

いくつかあると思いますが、1つは、関連購買を促すことです。A商品を買った人に「さらにこのB商品があるともっと良くなりますよ」と追加の購入を促すことです。例えば、筋トレの器具を購入した人に「追加でサプリメントを摂れば、もっと効果的に筋肉がつきますよ」と言ったり、ですね。「もっと楽になる」「もっと早くできる」「もっと効果があがる」「もっと便利になる」といった観点でもっと良くなる関連商品を提案すること、これが1つ。

もう1つ挙げるとすれば、それが今回僕の家に届いたようなランクシステムを導入することです。ランクを作って、それぞれに応じたメリットを用意します。そうすれば、単純にそのメリットが欲しいと思って、たくさん買ってくれる人もいるでしょう。

あるいは、ゴールドやプラチナといったステータスを得ることに自尊心を感じて、それが欲しいと思って、たくさん買ってくれる人もいるでしょう。一部の人しか入会できないクレジットカードのブラックカードなんかは、その一例です。これはある意味簡単です。ランクを2つ3つ作って、それぞれにメリットを設けるだけでできるからです。

ランクシステムで大事なこと3つ

このランクシステムで大事なことが3つあります。1つ目は、上位のステージがあることと、どんなメリットが得られるのか?をきちんとお客さんに伝えること。単純な話ですが、その告知がきちんとできていないお店は少なくありません。

2つ目が、最初のステージにはわりと簡単に到達できるようにすること。よくある間違いが、「一回の来店時にポイントカードに1つスタンプを押します。スタンプが全部溜まると次回の来店時に一回分無料になります。」でも、必要なスタンプの数が50個もある、といった類のもの。これだと到達できるのが遥か彼方に感じられて、満タンにするモチベーションが下がってしまうからです。なので、最初のランクアップをなるべく早く経験してもらって次へのモチベーションを持ってもらうために、最初のランクは低めに設定するのがポイントです。

3つ目は、「あなたは次のステージまであと◯点です」という残りの点数と、その期限を知らせること。僕の家に届いたハガキにも「ゴールドステージまで、あと834点です。」と書かれていました。さらに、次回のステージ認定の切替え日も明記されていました。残りの点数とその締め切りを知らされることで、特に残りわずかの人は、意識的に商品を買うようになるでしょう。もしかしたら、多少不要なものでもランクアップのために買うかもしれません。

ここまでの話を少し整理すると、、、上位20%の売上を増やす方法ということで、まずは、売上を「客数 ✕ 客単価」に分解しました。さらに、客数を「新規+(維持ー離脱)」に分解して、バケツに新しく水を入れること、つまり、上位20%のお客さんを増やす方法についてお話してきました。

では、次に、バケツの穴をできるだけ小さくすること、つまり、離脱客を減らして維持客を増やす方法についてお話しようと思いましたが、、、思いのほか長くなってきましたので、こちらは次回に続く、ということで。。。

<お知らせ>

[公開] 2019年ネット集客の最新トレンド
〜スマホ時代で集客するために〜

新規顧客を集める仕組みを作る
5つのステップを公開中

今すぐ確認する

藤岡 将貴

大学卒業後12年間、システム・エンジニアとして自社開発プログラムの企画・開発に従事。その中で、いかにして商品を売るかを模索してきた中で、セールスライティングの技術にその可能性を感じ、【ザ・レスポンス】の「12週間セールスライティング通信講座」でセールスライティングを学び始める。その後、2013年に第1期メンバーとして参加した「セールスライター養成講座アプレンティス」をキッカケに、翌2014年にダイレクト出版に入社。寺本隆裕の監訳本のPPC広告担当を経て、現在は、ダイレクトメールの企画・作成を主に、プロモーションの企画とセールスライティングを担当。

藤岡 将貴の記事一覧

ブログ一覧へ戻る

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

【ザ・レスポンス】の最新記事をお届けします

ページトップへ
Loading