From:藤岡将貴
これは自宅に届いた郵便物の写真。全体的にピンクの表紙で、陶器のような写真が載っています。タイトルは「春色をさがしに」。ぱっと見た感じ、雑誌のような、情報誌のようなものでした。
これが透明の袋に入って自宅に送られてきたんです。開封してそのまま中身を開いて見ると、「春色をさがしに」というテーマで、藤の花や芝桜など「春色」に出会える全国のおすすめスポットを紹介している旅雑誌のような感じでした。
ちょうど今日からはじまりましたが、今年のゴールデンウィークは10連休。それだけ休みがあるんだったら、せっかくなんで、一日くらいはちょっと遠出しよう(僕の遠出はせいぜい近畿エリアですがw)なんて話も奥さんとしていたので、「どこかいい所ないかなー」という感じでパラパラと読み続けていました。さらにページを進めると、人気のレストランや、おしゃれな家電、インテリア雑貨の紹介。新作の映画や、お花見にぴったりのおつまみのレシピなんかの情報も載っていました。
「リビングは縦長と横長、どっちがいいか?」といった記事や、低層階マンションと高層階マンションの比較。ちょっとしたお金の講座など。ちょっとテイストが変わってきたんです。そして、そのあとには、マンションの広告やマンション購入者のインタビュー記事広告が続いていました。。。
この段階でようやく気付いたんです。「あ、これは、マンションの広告用の雑誌なんだ」と。つまり、マンションを販売している会社からの一種のダイレクトメール、ということだったんです。
僕たち中小企業がダイレクトメールを送る場合、基本的には商品やサービスを売るために送るのが正しい目的です。ですが、ひと目で広告だとわかるダイレクトメールは、開封されずに捨てられてしまうことも多いものです。
ダイレクトメールの世界に、Aパイル、Bパイル、という話があります。天才セールスライター、故ゲイリー・ハルバートは、お客さんはダイレクトメールを受け取ると、それをAパイルとBパイル(Aの束とBの束)に、ゴミ箱の上で振り分ける、と言っています。Aパイルは、後で読むもの。一方、Bパイルは、その場で捨てるもの。Aパイル以外のものです。つまり、いかに、その場で捨てられる方ではなく、あとで読もうと思ってもらえる方に入れてもらえるか?が重要、というわけです。
そんな”捨てられない方の束に入る”ダイレクトメールの1つのパターンが、雑誌やレポート、あるいはビデオといった、「なにかの情報(もちろん、相手が欲しい情報や知りたい情報)
が得られると期待できるもの」を送ることです。名前をつけるとしたら「コンテンツDM」といった感じでしょうか。こんな雑誌やレポートは貰っただけで嬉しいですよね?少なくとも、売り込み感満載のダイレクトメールよりは悪い気がしないはずです。もちろん、売ることが目的で送りますが、たとえそれで買ってもらえなかったとしても、それ以外に次の3つの効果があるんです。
1つ目は、お客さんの信頼残高を増やすことができること。いつも割引やプレゼントがもらえる案内ばかりでは、短期的には売上アップの効果があるかもしれませんが、長期的には信頼残高を引き出してしまう行為になります。でも、こんな雑誌やレポートを無料でプレゼントすれば、たとえ相手に買ってもらえなかったとしても、信頼残高の預け入れができます。もちろん、買ってもらえば大成功。つまり、これは売りながら信頼残高を増やすこともできる、一挙両得のかなりいい施策なんですね。
2つ目は、ちょっと言い方が適切ではないかもしれませんが、お客さんを教育することができる、ということです。あなたの商品やサービスを買ってもらうために、お客さんに受け入れてもらいたい価値観を、レポートやビデオを通して教育することができます。
そして、最後3つ目は、開封してもらいやすい、ということです。プレゼントの案内や割引キャンペーンの案内はストレートなアピールなので、ちょうど欲しかった人にはありがたい情報ですが、それ以外の人には開封してもらいにくい、というデメリットがあります。で、残念なことに、ほとんどの人は、欲しくない人たちなんですね。
でも、こういった雑誌やレポートなどの役立つ情報だったら、直接的なアピールのダイレクトメールよりも、たくさんの人に開封して見てもらうことができます。直接的なアピールと、こういった間接的なアピールを両方使い分けることで、たくさんの人にアピールすることができるわけです。
最後に、こういった、たとえ相手が買わなかったとしても、もらっただけで嬉しい情報を提供する際に重要なポイントを1つご紹介します。それは、たとえ無料だとしても、ちゃんと価値のあるものを、きちんとしたクオリティで提供することです。やってはいけない間違いは、無料だからといって、雑なもの、質の低いものを送ってしまうこと。そうすると、かえって、信頼残高の低下につながって、逆効果になってしまいます。
その点を注意して、ぜひ、あなたも「コンテンツDM」試してみてくださいね。
-藤岡将貴
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