From:山田光彦
これはロックフェラー・コーポレーションが行なった「なぜ、顧客が会社から離れてしまうのか?」ということについての調査結果。
普通、顧客が他社へ行ってしまう理由は、商品やサービスの価格や品質が原因という風に考えるのが一般的だと思うのですが、、、結果はだいぶ違いました。
68%の人が、会社側が顧客のことを気にかけていない、という風に感じていることが原因でその会社から離れてしまう、とのこと。サービスに不満があるのが14%、競合に奪われるのが9%。合計しても21%にしかならないということを考えると、ほとんどのお客さんが「会社が顧客のことを気にしていない」と感じたことが原因で、その会社を離れているということになります。
僕もこういう話は聞いたことがあったのですが、このデータを見たときに、ここまで大きな差がついていると思っていなかったので、かなり驚きました。しかも、これ。実は、、、
というのも、もし、このデータで競合が原因で顧客を奪われているのが80%とかになってしまうと、僕らが対応するのはとても難しくなるからです。自社がどうのこうのということではなく、競合がめちゃくちゃ頑張っているということになりますから。
でも、問題が自社にあるなら、自分たちがもっと仕事をきちんとやれば、対応できる問題、ということになります。(それでも簡単な課題とは言いません。僕らも、もっと頑張らないといけないのですが、、、)
そして、長い間、顧客が会社を離れずに商品を買い続けてくれるようになれば、売上も上がりますし、しかも、安定します。売上のほとんどを新規に頼ってしまうと、新規を獲得できなくなった瞬間、ガクッと売上が下がってしまいますが、既存のお客さんが買い続けてくれれば、既存の顧客数は変わりませんから、何か大きな変化がない限り、ガクッと売上が落ちるということはあまりなくなるからです。
そして、お客さんが気にかけてもらっていない、と感じるというのは、商品の品質とかというよりも、おそらく、人と人との問題でしょう。
僕もある商品の機能の使い方が分からなかったので、カスタマーサポートに電話をしたときの対応で「あっ、この人は、僕が商品を使えようが、使えまいが、どうでもいいんだな」と感じたことがありました。それが原因で、次からは別のところで買おうと決意したことがあります。もしかしたら、あなたも同じような経験をしたことがあるかもしれません。もちろん、僕が電話をする前、商品に特に不満は持っていませんでした。
人と人との問題ということであれば、王道の方法は、カスタマーサポートであったり、営業をしている人の対応であったりするでしょう。ですが、そのほかにも色々とできることはあります。たとえば、、、
サンキューメールとか、サンキューレターとか呼ばれたりして、ダイレクトマーケティングの世界では、よく使われているもの。なぜ、よく使われているかというと、それはとても効果が高いからです。
ダイレクトマーケティングの権威でもあるドレイトン・バードが著書「セールスレターの成功技術」の中で、効果は抜群だと言っています。
なので、特にあなたのところではじめて商品・サービスを購入したお客さん、取引を開始してから1年が経過した既存のお客さんなどなどに、感謝を伝えるメールや手紙を送っていないなら、やってみてください。
心理学の世界では、単純接触効果とか、ザイアンスの法則とかといわれたりしますが、誤解を恐れずにいうと、要するに何度も見たり、聞いたりすると、よい感情が強まるという法則です。なので、何度も何度もお客さんとコミュニケーションをとることで、お客さんから好感が持ってくれる可能性も高まりますし、ケアされていないと感じることも少なくなるでしょう。
実際、僕たちもメルマガを数日に1回から日刊に変更したとき、ざっくり月商3000万から5000万ぐらい伸びたということがあります。ダン・ケネディがいつもニュースレターを送れ、と言っているのも同じ理由ですね。
ちなみに、240日以内に何かしらの商品を購入してもらった方にザ・レスポンス・マガジンを月刊でお送りしています。(来月号はスタートアップの特集になっていますので、ぜひ、楽しみにしておいてくださいね)
※来月号の表紙はこちら
これを発行しているのも、商品を買ってくれたお客さんに価値を提供しつつ、接触頻度を上げて、好感を持ってもらえたら嬉しいな、とも思っているからですw
商品を買ったのはいいけど、まったく使っていない。Amazonで本を買ったけど、机に積まれているだけで全く読まない、、、という経験ありませんか?
きっとあなたも僕と同じように、こういう経験をしているんじゃないかと思います。つまり、お客さんは商品を買ったからといって、必ず使うわけではないということですね。売った方としては、そりゃ使うだろう、という感覚もありますが、現実はそういうわけではありません。そして、当然ですが、商品を使わなければ、満足することもありませんし、買わなければよかったと思っていても不思議ではありません。なので、もし、あなたの売っている商品が使われにくいものなら、ぜひ、商品を使ってもらうサポートをやってみてください。
具体的には、お客さんが商品を使いたくなるように、商品を使うことで得られるベネフィットを伝えたり、効果を実感しているお客さんの声を紹介したり。商品の詳しい使い方や、商品を使うベストなタイミングを伝えることで、商品を使ってもらって満足してもらう活動が結構重要になることがあります。
美容室なんかは典型的ですが、次に髪を切るベストなタイミングをきちんと伝えてくれるところと、何の連絡もないところ。この2つがあれば、ほとんどの人は、きちんとベストなタイミングを教えてくれるところの方にケアをしてもらっていると感じるでしょう。
これは、歯科医院でも定期健診をするタイミングを伝えるのも同じでしょうし、整体院やスポーツジムなどでも週2回はきた方がいいよ、といったことをきちんと伝えるというのも同じです。
これは、売り手としてプロの立場から顧客にアドバイスするという形で価値も提供できますし、売上にそのまま繋がるので、やらないと損ですね。
ここが抜けがちな視点になるのですが、、、
人と人との接点やコミュニケーションを増やすとなると、売上も上がるのですが、、、一方でコストもかかります。こういう活動を通じてガンガン売上が上がるなら、どんどん活動を強化していけるのですが、、、逆にコストばかりかかってしまうと、続けていくことはかなり難しくなってしまうでしょう。
なので、こういった活動を続けていくためにも、こういう活動を通じて、きちんと売上が上がる仕組みを作っていくことが、かなり重要になります。
たとえば、1つ目の感謝を伝えるということでいけば、既存のお客さんに、、、
「お客様の記録を調べておりましたら、あなた様が私どもと取引を開始してちょうど1年になることに気がつきました。
あなたの様のビジネスには日ごろから高い敬意を払っております。この日を記念し、また日ごろの感謝を表すために、特別なオファーをご提供させていただきます」
と伝えて、このお客さんが以前に買ってくれたものを元にオファーを提供する、といった方法です。(ちなみに、これはドレイトンバードの著書「セールスレターの成功技術」からの引用です)
顧客が他社に行かないようにするためには、色々と方法があります。ですが、それにはコストがかかるので、売上を上げる仕組みとセットにして、全体を作り上げていってください。もちろん、これを作り上げいくのは簡単ではないというのはわかっています。
ですが、これを作り上げることができれば、競合になびかない、あなたの会社のファンと言ってもいい人たちが、あなたのビジネスを支えてくれるようになるはずです。
ー山田光彦
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