From:山田光彦
USP。
ユニーク・セリング・プロポジション。
「独自の売り」とか「独自の売りの提案」といわれていますよね。USPがなければ競合との競争が激しくなり、価格競争に陥り、利益が少なくなってしまう。でも、自社のUSPができれば、独自の提案をできるようになるので、競合と比べられることなく、簡単に集客できるようになる。という、なかなか魅力的な効果を持っています。
代表例としては、大ヒットしたドミノピザの「熱々のピザを30分以内でお届けします。できなければ料金はいりません」というのが有名です。
ですが、、、僕も自分で事業をやっていたときに経験があるのですが、このUSPを作るが結構難しくないですか?
そもそもUSPがわかったような、わからないような、、、印象もありました。
なので、今日は小さな会社が自社や商品のUSPを作るためのコツをご紹介したいと思います。あなたがUSPを作ろうと思ったことがあるなら、ぜひ参考にしてください。
上の図の赤色のところが顧客の欲求。青色があなたの商品が満たすことができる欲求。緑が競合の商品が満たすことができる欲求です。
で、USPというのは、要するに赤色と青色が重なっているけど、緑色が重なっていない部分のこと。つまり、、、
この部分のこと。
バリュープロポジションとか言ったりもしますが、同じようなものなので、あんまり気にする必要はありません。
そして、この図の最大のポイント。それは、自社商品の「ユニークな部分(ユニーク=競合が持っていない特徴)」が「顧客の欲求を満たすものじゃないといけない」こと。
たとえば、めちゃくちゃユニークな商品であっても、誰も欲しいと思わなければUSPにはなりません。それとは逆に、商品自体にユニークな部分がなければ、商品からはUSPは作れないということになります。(あくまで商品からUSPを作れないというだけで、売り手である自社の特徴などを使ってUSPを作ることもできます)
なので、上の図の赤色と青色の重なっている部分を見つける、もしくは、作り出すというのがUSPを作るということになります。
USPを作る時にはいろんなパターンがあるのですが、その中でよく使われているものをいくつかご紹介すると、、、
①王道パターン
王道のUSPの作り方は、上の図にもあるように商品のユニークな特徴が、どんな顧客の欲求を満たすのか?ということから見つける方法。
差別化とか、ポジショニングとか言われる部分。これは商品自体が競合と結構違うときに、効果を発揮する方法です。
Appleがはじめてipodを発売した時の「1000曲をポケットに」というコピーは、携帯用CDプレイヤーなどでは実現できなかったことを端的にあらわしています。MacはWindowsと差別化するためにCoolなイメージを売っているというようなものですね。
②オファー
これは競合とはまったく違うオファーを提供することをUSPにするパターン。価格とか、特典とか、保証などなど、いろんなパターンがあります。
これが得意なのはおそらくSoft Bankの孫正義さんでしょう。インターネットのブロードバンドの契約を取るためにやっていた、Yahoo!BBの施策「モデムの無料配布」やSoft Bankをスタートしたときの通話料無料を打ち出して一気にシェアを拡大していきました。
最初にご紹介したドミノピザも、商品(ピザ)からではなく、オファーでUSPを作ったパターンですね。
③売主
これも商品からUSPを作るのとは別のパターン。簡単に言ってしまうと同じものを買うなら、よく知っている人から買いたい。好きな人、価値観の合う人、信頼できる人から買いたい、というもの。
ダンケネディもよく「ニュースレターを送れ」と言っていますが、ニュースレターを送ることでお客さんとの関係性を深める。その結果、**の商品を買うなら、あの人からだな、と思ってもらえれば、それは立派なUSPになります。
そもそもダイレクト・レスポンス・マーケティングは関係性ビジネスとも言われていますから、ダイレクト・レスポンス・マーケティングを実践するなら、やらないともったいないですね。
④販売方法・広告媒体
競合がやっていない販売方法や広告媒体を使って売ることで、競合と比較されることを防ぐ。顧客の頭の中には、競合がいないので比較されることがなくなるという方法です。
典型的な例としては、広告媒体自体が伸びている時に、そこへ広告を出して売るパターン。たとえば、今なら顧客がスマホで買い物ができれば便利と思っているのに、スマホでの買い物に対応している会社があんまりない。そんな状態の時に、いち早くスマホに対応すれば売上が上がります。
これは販売方法・広告媒体と商品の合わせ技みたいな感じですが、スマホ用で自宅のものを販売できるフリマアプリ「メルカリ」。これもパソコンならヤフオクがありましたが、それをスマホ用にカスタマイズすることで大ヒットしています。
ランチェスター経営と言われたりもしますが、ある一定の地域のみに販売活動を集中させることで、その地域ではNo.1を取るというのもだったり。他にも、おそらくですが、ジャパネットたかたはテレビショッピングでの販売を中心に行っていますが、インターネットを使えない高齢者の方にとっては、競合がアプローチできない部分になっているでしょう。
他にも、USPの作り方はありますが、さいごに1つだけ。
USPは時間をかけて、育てたり、作り出したりするもの。そうでなければ、せっかく見つけたUSPも競合にすぐにマネされてしまって、USPでなくなってしまう可能性があるんです。
たとえば、上に書いたドミノピザの「熱々のピザを30分以内でお届けします。できなければ料金はいりません」。これも、ドピノピザが熱々のピザを30分以内で届けられるように、ピザを2種類に減らしたり、様々な工夫をしていたんです。だからこそ、競合も簡単にマネすることができず、長い期間、大きな成功を収めることができました。
他にも、上の②にあるオファー。これを強くしようと思ったら、強いオファーをしても利益を出すための裏側の仕組みが必要になります。それがなければ、赤字になるか、競合に簡単に真似されてしまうでしょう。
ですので、USPを作ったあとも、そのUSPを育てて、その成功を3年後、10年後、20年後も続くものにしていってください。ヒットしたUSPはそれだけの労力をかけて、守る価値があると思います。
ー山田光彦
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