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[実体験]コレ、うまいなーと感じたセールス(ハワイ編)

2017.4.22 | ,
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From:藤岡将貴

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これは、先日、休暇をとって4泊6日でハワイに行った時の写真です。ハワイに行くのは初めてでしたが、仕事を一切せず、ゆっくりと過ごすことができました。ちなみに、6日間もmacを開かなかったのは、ダイレクト出版に入社して以来、初めてでした。きっと仕事好きなあなたも、同じような感じではないでしょうか?(笑)

さて、なぜ、こんな話をするのかというと、このハワイ旅行中に、僕は、あるセールスにまんまと乗ってしまったんですが、、、その販売方法がとてもうまかったんです。その時は自然すぎて気づきませんでしたが、あとから振り返ってみると「あ、この売り方うまいなー」と関心してしまいました。これは、ビジネスをしているあなたにもきっと役に立つと思うので、今日はそのときの話をシェアしたいと思います。

それは、ある免税店で、おみやげに買おうと思って
チョコレートを見ている時でした。。。

「こちらのクジはもうやりましたか?」

突然、後ろから女性の声が聞こえました(たぶん、そんなふうに声をかけられたと思います。ハッキリとは覚えていませんが…)。

振り返ると、ひとりの女性が立っていました。その女性はなにやら1枚のカードのようなものを持っていました。どうやら、カードの中央の部分をめくると商品が当たるクジのようでした。アタリが出ると100ドル(約1万円)の商品券、ハズレでもハワイのコーヒーがもらえる、ということでした。

これは、あとから思い返して気づいたことですが、実は、遡ること数十分前。おそらく同じクジを手にしていた別の女性にも僕たちは話しかけられていました。ですが、その時の女性は、店内の通路を歩いている僕たちの5メートル程度前方の正面に立っていて、「こちらはもうお済みですか?」と遠くから話かけてきました。あなたも、観光地を歩いていて、明らかになにかの売り込みをしてきそうな気配プンプンで近づいてくる人に、「あ〜、結構です」といった感じで聞く耳を持たずに遮った経験があると思います。その時の僕たちもそんな感じで、その女性から離れながら素通りしました。

でも、今回の女性は後ろからの不意打ち。しかも、振り返るとすでに目の前に立っている。これではもう素通りはできません。話を聞くしかありませんでした。これには「してやられた!」と思いました。

でも、本当にうまいなーと思ったのは、
ここからでした。。。

クジをめくれば、ハズレでもコーヒーがもらえるとのこと。これは断る理由がありません。「ノーと言えないオファー」です。僕はクジを手にとってめくりました、、、が、やっぱりハズレ。すると、その女性は、コーヒーをあげるよ、ということで、僕たちを近くにあったカウンターに連れていきました。

コーヒーをもらうためなので、僕たちもなんの迷いもなく、その女性について行きました。その女性は僕たちにコーヒーを2つ手渡すと、すかさず、ハワイのコンドミニアムの話をし始めました。コンドミニアムとはハワイの分譲マンションのこと。どうやら彼女はヒルトンホテルのスタッフで、コンドミニアムのセールススタッフのようでした。「なるほど。このセールスのためなのね…」僕は不動産には興味もないし、マンションを買いたいとも思わないので、普段なら絶対にまともに聞くことはありません。でも、この時は、すでにコーヒーをもらっている。タダでコーヒーをもらったのに、無下に断ることはできません。そうです。いわゆる「返報性の原理」が働いてしまっていたのです。

その女性は、コンドミニアムの簡単なパンフレットを僕たちに見せながら、ハワイに一度来た人は、日本に帰って灰色の空を見た時に、ハワイの空が恋しくなって、また来たくなる、ってみんな言うよ。これから何回か来るなら、コンドミニアムを持った方がお得だよ。使わない時は、世界中からハワイに観光に来る人に貸したらいいよ。といったようなベネフィットで僕たちを誘って来ます。

で、最終のCTA(コール・トゥー・アクション)はと言うと、ヒルトンがハワイに8つ持っているコンドミニアムを見学に来ないか?というものでした。時間は90分。しかも、見てくれたら、それだけで100ドルの商品券をくれる、と言うのです。「100ドルかー」と少し迷いましたが、せっかく初めてのハワイに来ているのに、90分もそれに時間を使うのはもったいなかったので、断りました。すると彼女は「それなら、大阪の梅田のヒルトンでもスクリーンで見れるから、そっちで見てよ」と言ってきました。間髪入れずの「反論処理」です。そんなこんなで、帰国してから大阪で見ることになり、その予約をしてその場を立ち去りました。

このセールスの成功のポイントとは…?

さて、観光中の僕たちに、コンドミニアムのセールスで成約(この場合の成約はコンドミニアムの見学の申し込みでしょう)までもっていくことができたこの女性。僕たちもビジネスで使える成功のポイントが、いくつかあったと思います。

1つは、コーヒーをプレゼントするという理由でスムーズにセールスの場に誘導し、「返報性の原理」を働かせて話を聞いてもらいやすくしたこと。1つは、日本でも見れるという「反論処理」を用意していたこと。

それから、今、実際にハワイを旅行中の人をターゲットとしたことも、成功の理由と言えるでしょう。僕たちも、日本にいる時に同じようにセールスされていたら、たぶん見学の予約は入れなかったでしょう。今、日本にいて「ハワイの空が恋しくなるよ」と言われても、ピンと来ません。ですが、今、まさにハワイを楽しんでいて、見上げると青い空が目の前にある状況では、その主張も受け入れやすくなります。これはつまり、商品やサービスを体験していて、その価値を感じているまさにその瞬間こそ、次のセールスがもっともしやすいタイミング、ということでしょう。これは、特にサービス業をされている方には使えるアイデアではないでしょうか?

そして、最後にもうひとつ。
忘れてはいけないのが、、、

「巻き込み」です。この女性は、まず僕たちに「こちらのクジはもうやりましたか?」と話かけてきました。アタリが出たら商品がもらえる、という娯楽性のあるクジを目の前に差し出されたら、誰でもついつい引いてしまうものです。そうして、僕たちに「クジを引く」という経験をさせることで、もっとも断られやすいセールスの初期の段階で、僕たちをセールスに巻き込むことができました。

ですが「巻き込み」はこれだけではありません。今回の彼女のセールスの成約は「コンドミニアムの見学の予約」だと思いますが、最終の目的は、もちろんコンドミニアムを購入してもらうことのはずです。ですが、いきなり「コンドミニアム買いませんか?」とセールスしても、おそらく成功の確率はかなり低いでしょう。それどころか、まともに話を聞いてもらうことすら難しいかもしれません。そこで、いきなり売り込むのではなく、まずは見学してもらう。そして、見学してもらい、コンドミニアムを保有した疑似体験をさせることで、購入してもらいやすくなる、という狙いなんだと思います(実際、僕たちもコンドミニアムの間取りや価格などの詳細は一切聞かされず、見学することだけを売り込まれました)。

これについて、アメリカの有名なマーケッターで、通販でサングラスを2000万本以上売ったと言われているジョーシュガーマンが、著書「シュガーマンのマーケティング30の法則」の中で、このように言っています。

『「巻き込み」という心理的トリガーは非常に重要なコンセプトなので、対面販売をする人もよく肝に銘じておいてほしい。たとえば、お客を販売プロセスに引き込む。自動車を売っている人はお客に試乗させる。それが肝心だ。なぜなら、お客は義理を感じ、潜在意識ではもう買うつもりになっているからだ。(中略)あなたがやっていることに積極的に関わらせ、販売プロセスに参加させる。こういった行動すべてがお客を巻き込み、知らないうちにお客をあとに引けなくさせるのだ。

「オーナーシップ」という発想も巻き込みとよく似ている。お客に所有者気分を味わせる点が違うだけだ。(中略)つまり、読み手にもう商品を買ったような気にさせる。巻き込むためには所有者となった自分の姿をイメージさせればいいのだ。』

以上、僕がハワイで実際に成約までいってしまった販売方法をご紹介しました。きっと、あなたも僕と同じように、日常の中で、お客さんの立場で「うまいこと成約までもってかれてしまったなー」という経験があるはずです。その時は、こんなふうにその要因を分析してみると、あなたのビジネスでも使えるノウハウが見つかるかもしれません。ぜひ、やってみてくださいね。

-藤岡将貴

PS.
さて、梅田のヒルトンに見学に行く予約をした僕たち。しかし、帰国して1週間も経てば、その熱は冷めて行くものです。ですが、、、見学するだけで1万円の商品券がもらえる、という強いオファーのおかげで、たぶん見学に行くことになるでしょう。これも、もうひとつの成功のポイントですね。やっぱり、オファーは大事ですね(笑)

藤岡 将貴

大学卒業後12年間、システム・エンジニアとして自社開発プログラムの企画・開発に従事。その中で、いかにして商品を売るかを模索してきた中で、セールスライティングの技術にその可能性を感じ、【ザ・レスポンス】の「12週間セールスライティング通信講座」でセールスライティングを学び始める。その後、2013年に第1期メンバーとして参加した「セールスライター養成講座アプレンティス」をキッカケに、翌2014年にダイレクト出版に入社。寺本隆裕の監訳本のPPC広告担当を経て、現在は、ダイレクトメールの企画・作成を主に、プロモーションの企画とセールスライティングを担当。

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