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[事例]顧客を奪う広告

2017.3.14 | ,
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From:山田光彦

これは、昔使われていたDoveのCM。

少し再生してもらえればわかりますが、途中から真ん中に線が出てきて、向かって左側の顔を石鹸(Soap)で洗う。向かって右側の顔をDoveで洗う。

で、その効果の違いを女性が話す、という内容になっています。

僕から見ると、Doveもただの石鹸に見えるのですが、このCMで強調しているのは「Doveは石鹸じゃない。違いは、石鹸で洗った方の肌は乾燥したまま、Doveで洗った方の肌はソフトでうるおいがある」みたいな話。

ちなみに、Doveを「乾燥肌の女性のための化粧石鹸」とポジショニングしたのは、現代広告の父、デイヴィッド・オグルヴィ。オグルヴィの著書「売る広告」の中で、Doveをこのポジショニングにしてから25年以上経ってからも効果を発揮している、と書かれています。(僕はこういうクラシックな広告を見たり、調べたりするのがめちゃ好きです。最近、調べる時間があんまりないのですが悲しいところなのですが)

こういう他社の商品と自社商品を比較するような広告、たまにありますよね。パッと思いつくところでいけば、少し前のMac vs PCのCMとか。↓これですね。

Mac vs PCというか、実質、Mac vs Windowsですが、それは置いておいて。こういう他社商品との比較を中心にした広告。当たり前ですが、こういう広告がとてもうまくいくときもあれば、全然うまくいかない時もあります。というのも、、、

広告には狙いがある

こういう他社商品との比較する広告は、一般的に市場の成長があまり期待できず、競争が激しい市場。いわゆるパイの奪い合いみたいな状況でうまくいくことが多いでしょう。理由はカンタン。この広告は「そのジャンルの商品を買うことは決めているけど、どれにしようか迷っている」というお客さんをターゲットにしているからです。

Doveの事例でいくと「顔の汚れや化粧を落とすための商品を買うのは決めている。でも、どの石鹸がいいのか。もしくは、石鹸以外の別ものがいいのか迷っている」というお客さんを取り込むことを目的にしているものだからです。

違う言い方をすると、どれにしようか迷っている人を取り込み、他社からも顧客を奪うことを目的にしたCM。石鹸を買っている人に「Doveなら石鹸にできないこんなことができます」と伝えて、Doveに乗り換えてもらおうとしているわけです。

もし、まだまだ石鹸というものが世の中に浸透していない状況だったとして、石鹸を使ってくれる人をもっと増やそうとするなら、もっと別の広告(メッセージ)になるでしょう。「汚れを手軽に落とせる石鹸が新発売」とか(まだ、石鹸というものがあまり知られていない状態のとき)、「みんな石鹸使っているけど、あなたはまだ使ってないの??」みたいな感じになったりですね。

あなたが売っている商品のセールスレターを書く時。どういう狙いで書くのか。たとえば、、、

・よく商品を買ってくれるお得意さんに新商品を売りたいなら、
どういう狙いでセールスレターを書けばいいのか?
・あなたには、ライバル・競合がいて、そこから顧客を奪いたいなら、
どういう狙いでセールスレターを書けばいいのか?
・あなたがそんな商品を売っていると知らない人に商品を売りたいなら、
どういう狙いでセールスレターを書けばいいのか?

ということを考えてみると、今までとは違う、新しいアイデアが出てくるかもしれませんよ。

山田 光彦

【ザ・レスポンス】の責任者兼チーフ・セールスライター。以前は、司法書士として事業をやっていたが、顧客を集める重要性を痛感し、セールスライターへ転身。現在、ダイレクト出版のマーケティング部門の事業部長を務める。

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