From:北岡秀紀
先日とあるセミナーの懇親会で「リスト」「お客」と呼ぶのは「お客様に失礼なのでは?」という指摘を受けました。
メルマガの読者さんからもしばしばこの指摘を受けます。
この指摘に対して私の回答は一貫しています。
「もしあなたが儲かっていないのなら、『お客様』と読んでいるからかもしれない」です。
どれだけ素晴らしいサービスをして、良い商品を提供したとしても、お客さんはリピートしてくれるとは限りません。
例えば、あなたが過去に行ってサービスも素晴らしくて、美味しかったというレストランを思い出してください。
いくつかは出てくるはず。
では、それらのレストランを二度三度と利用しているでしょうか?
もちろんリピートしているところもあるはずですが、大半は一度だけのはず。
つまり、二度、三度と来てもらうためには、お客さんを集めるためには、それなりの施策を打つことが必要だということです。
ただし、施策はうまくいくものもあれば、うまくいかないものもある。
うまくいかないものは、やめるという判断が必要になります。
では、うまくいっているか、うまくいっていないかを何で判断するか?
それ数字、ですよね?
リピート獲得を目的として施策を打ったけれども、リピート率が増えないとしたら?
その施策はやめないといけませんよね?
ここに私が「お客様」ではなく「リスト」「お客」と呼ぶ理由があります。
極端な話、目の前でお客さんがめちゃくちゃ喜んでくれたとしても、それが数字に反映されないならやめる必要があります。
しかし、その時に「お客様」というメンタリティの場合、「お客様が喜んでいるからやめられない!」なんてことが起こります。
「リスト」「お客」とデータとして見れば、「はい、この施策はうまくいかなかったね。次」と冷徹に判断ができます。
もちろん施策を考えるときは「リスト」「お客」ではなく「『お客さん』は何を求めているか?」と徹底的に考えます。
(ビジネスはお金と価値の等価交換と考えていますから、弊社では「お客様」ではなく「お客さん」「クライアント」と呼びます。)
でも、実際に施策を実行したあとは、そこには一切感情を入れません。
成果が出たか、出なかったから、ただそれだけで判断します。
この話をすると必ず出てくるのは「数字に見えないものもあるだろう!」という反論です。
ビジネスは人の営みですから、すべて数字で判断できるものではありません。
そんなことは百も承知です。
しかし、我々のような小さな会社の場合、人やお金など資源は限られています。
ならば、成果が明らかに出るところだけにフォーカスするのが当然でしょう。
また、そんな風に客観的に評価できるようにしておかなければ、いつまでたってもあなた頼りの会社になります。
あなたには「数字には見えない。でも、大切なもの」がわかるかもしれません。
しかし、他の従業員がわかる可能性は限りなく低いです。
会社が小さいうちはそれでなんとかなります。
しかし、ある程度大きくなったら、そういうわけにいきません。
客観評価できる文化は、今、利益を残すのにも、将来会社を大きくするのにも必要だということです。
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