From:昌子幹
アメリカの大統領選の結果が出ましたね。大方の予想(希望?)を裏切ってドナルド・トランプが勝利しました。新聞やテレビでは、これから世界経済はどうなるのか?日本に与える影響は?といった話題でもちきりです。
ですが、この記事では、今回の結果が市場にどんな影響を与えるとか、トランプがいいとか悪いとか、そんなことを話すつもりはありません。そんなことよりも、僕が気になるのは、、、
ということです。というのも、事前調査では大差ではないとはいえ、一応クリントン優勢で進んでいたわけです。なのに蓋を開けたらトランプ勝利。ちょっと前には、イギリスのEU離脱でも同じようなことがありましたよね?つまり、目に見えないところで大衆の、市場の欲求が大きく動いているということです。
これはマーケティングでも同じようなことがよくあります。アンケートをとって、それに基づいて新商品やセールスレターを作ったのに鳴かず飛ばず、といったことはよくあります。なぜ、そんなことが起きるのか?
それはアンケートは必ずしも見込客の本音を反映するものではないからです。というより、アンケートの回答は表面的な言葉に彩られている場合が往々にしてあります。なので、マーケターとして重要なのは、、、
です。そういう意味で、今回の大統領選はマーケターとして研究してみるに値するものだと思います。なぜなら、そうすることで世界で起きている隠れた大衆欲求の変化に気づくかもしれないからです(もちろん、日本も例外ではないでしょう)。そして、それをあなたのマーケティングに活用できるかもしれないからです。
当たり前のことですが選挙では大衆の心をつかんだ候補者が勝ちます。では、アメリカ国民の隠れた欲求は何だったのか?トランプはその中のどの欲求に訴えたのか?そのために彼は何をしたのか?
ダン・ケネディの話にしばしばトランプが登場するように、そもそも彼は世界でも指折りのマーケターです。だとすれば、彼から学ぶ価値はあると思いませんか?
にもかかわらず、メディアや周囲の反応を見ていると、トランプが好きか嫌いかの感情論で終始しているような気がします。もっと言うと、、、
これは何も今回の大統領選に限ったことではありません。
どんなにその商品が市場全体に受け入れられても、嫌いだから、あるいは自分に関係ないから参考にはしないといったことが多いように感じます。例えば、視聴率のとても良いテレビ番組があるけど、低俗なものだから絶対見ないというのと一緒の話です。
でも、もしあなたがビジネスをしているなら、その番組を見た方がいいでしょう。そして、なぜその番組がヒットしているのか?それを自分のマーケティングに活かせないか?を考えてみるべきでしょう。なぜなら、、、
僕たちマーケターは市場の欲求を創りだすことはできません。市場の欲求に乗じることはできても、逆らうことはできないのです。
それが倫理的な商品かどうかは関係ありません。正義か悪かも関係ありません。ましてや、あなたがそれを好きか嫌いかなんて全然関係ないことです。
勘違いしないでくださいね。市場の欲求が非倫理的だから、そういう商品を提供すればいいという話ではありません。でも、少なくとも、市場の隠れた欲求を知ることなしに、何も手を打つことはできないのではないでしょうか?
であれば、私たちマーケターは好き嫌いに関係なくそれに目を向けるべきです。
あなたはYouTubeで「P.P.A.P.」をチェックしましたか?「ポケモンGO」を自分のスマホにインストールしてやってみましたか?「君の名は。」を映画館に行って観ましたか?
なぜそれらは多くの人の心をつかむことができたのか?そして、それを自分のビジネスに活かすことはできないか?
先入観をなくして考えてみると、とてもいいアイデアが浮かぶかもしれませんね。
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