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ソーシャル・プルーフがそんなに重要?

2016.11.2 | ,
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From:リッチ・シェフレン

私は以前、「何か新しいトレンドはありませんか」と聞かれることがよくありました。これは、私が過去のレポートの中でいろいろと予測していた新しいトレンドが見事に的中したことが大きな理由だと思います。

さて、私があるレポートの中で予測したある事柄で大々的に現実になったものがあるので、今回は、そのことについて少し突っ込んだ記事を書き、あなたのマーケティングの知識にしっかり留めてもらおうと思います。

それは、マーケティングの中であなたが見過ごしているかもしれない、ある分野のことです。実は真剣にとらえるべき分野なのですが、あなたがそれほど真剣にとらえていないかもしれない分野のことです。

これは、別に新しいコンセプトではありません。ですが、もしあなたが洗練されたマーケターであったとしても、基本を見直すことは常にとても価値のあることです。実際、あなたが少しでもセールスライティングのことを知っているなら、きっとこのことについて、知りすぎるくらい知っていると思います。

ソーシャル・プルーフとは?

ソーシャル・プルーフ(社会的証明)とは、「あるものに対して賛同者が多くなるにつれて、そのあるものが信頼性を持つようになること」です。「バンドワゴン効果」とか「コンセンサス」ということです。つまり「大衆」の判断を頼りにして自分の判断をすることです。

少し前までは、ソーシャル・プルーフは重要だと考えられていました。肯定的なお客様の声は、どんなマーケティングのコピーにも特大の効果をプラスしました。しかし今はもう、ソーシャル・プルーフは単に重要というレベルに留まりません。絶対になくてはならないものになりました。

私が「アテンション・エイジ・ドクトリン2」というレポートで予測したソーシャルメディアの爆発的広がりによって、ソーシャル・プルーフは必要不可欠になりました。

フェイスブックやインスタグラムの「いいね」とか、ツイッターのリツイートは、ソーシャル・プルーフの実例です。さらに、アマゾンのリストなどのような「レビュー」での詳細な評価システムに見られるように、単なる「いいね」以上の役割を持つようになっています。今では、他の人たちがどう思っているかが、いまだかつてないほど重要になっているのです。

話を戻すと、私はこうなることを予想していました。なぜなら人々はいまだかつてないほど実生活において孤立するようになったからです。一緒に出かける現実の友達よりもネット上の「友達」の方が多くなったからです。

それだけでなく、人々は自分の信条に合致した個別のニッチなサイトから情報を得始めていました。つまり、より一般的なフォーラムでの対話がますます少なくなってきているのです。

現在、「なぜ、ソーシャル・プルーフは重要なのか」を考えることはほとんど意味のないことです。結局のところ、自分の商品やサービスが集めているソーシャル・プルーフに常に気を配らなければ、自らトラブルを招いているようなものです。それでは、なぜソーシャル・プルーフにはそれほど大きな力があるのでしょうか。

あなたは群れで行動する生き物?

例えば、空港で飛行機から降りたときに携帯か何かを使っていて、自分の行き先に注意を払っていなかったとしたら、あなたはきっと、同じ飛行機から降りた人の群れに、ただついていくのではないでしょうか。おそらく、行き先の表示すら見ることもなく、「この人たちはみんな手荷物受取所に行くのだから、ただついていけば自分も手荷物受取所にたどり着くはず」と考えることでしょう。それは、あなたが群れで行動する生き物だからです。

もう1つ、社会心理学者のロバート・チャルディーニ博士による例を紹介します。何度も実験を重ねた結果、人々はつまらない冗談でもサクラの人たちの笑い声が聞こえたときの方が、より面白く感じるということが明らかになったそうです。そして、テレビを観ている人が「サクラの人たちの笑い声」だとわかっていても同じ結果になったそうです。

なぜかというと、私たち人間は「私たち」を意識する生き物だからです。私たちは自分が認識する以上に、はるかに他の人たちから影響を受けているのです。

それは「買い物モード」になっているときも同じです。自分の行動について考えてみれば、あなたも私の言っている意味が分かると思います。

アマゾンで買い物をしているとき、あなたは「買おうかな」と思っている商品についてのコメントをすべて読んでいる自分に気がつくのではないでしょうか。

そして、車などの大きな買い物であれば、あなたはインターネットの検索サイトでその商品やブランドの名前を入力し、どんな結果が表示されるか確認するのではないでしょうか。ですから、顧客による評価や顧客からのフィードバックなど、そういう類のものすべてが重要なのです。

ソーシャルメディアという群れ

何かを購入するという決断は、単に自分にとって適切な選択をすることではありません。現在ではそれと同じくらい(ほとんどの人は絶対に「そんなことはない」と否定するでしょうけど)、何かを購入することは、大衆に人気のあるモノを選ぶことになっています。

ここで、あなたのマーケティングについて質問です。あなたは、自分の見込み客やクライアントに「自分は人気のあるモノを選んだ」とか「これを買うと決めたのは自分だけではない」と確信してもらうために、十分な対処をしているでしょうか?

自宅であれ職場であれ、ウェブサイトの閲覧は孤独な作業です。コンピュータとそれを見ている人だけの世界です。そこで、あなたのウェブサイトを「多くの人が集まる場所だ」と感じてもらうにはどうしたらよいでしょうか?

少し前に、あるクライアントのウェブサイトを見ていて、そのメインページにものすごくたくさんの「いいね」があることに気がつきました。これは、「ここで買い物をするのは、あなただけではない」ということを強烈にアピールしています。ソーシャル・プルーフのパワフルな実例だと思います。

多くのマーケターはソーシャル・プルーフの重要性を理解してはいるものの、マーケティングにおいてはキャンペーンの際に使う要素の1つとか、トリガーの1つとか、戦術の1つくらいにしか考えていません。これも妥当ではありますが、ソーシャル・プルーフはそんなものでは収まらない、はるかに重要なものなのです。

大きな利益とその向こう側へ
リッチ・シェフレン

リッチシェフレン

グーグル、ヤフー、マイクロソフトなど、大手インターネット関連企業へのコンサルティングを行うネットマーケティングの第一人者。ビジネス戦略の構築を得意とする起業家で、マーケティングの世界で巨人と言われているダン・ケネディ、ジェイ・エイブラハムたちとパートナーシップを取り、指導を行っている。そんな経歴からリッチはグルズ・グル(Guru’s Guru = 先生たちの先生)と呼ばれる。

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