From:昌子幹
From:昌子 幹
先日、ある商品を返品しました。1ヶ月ほど使ってみたのですが、期待していたものとかなり違ったので、返金保証を利用して返品することにしたのです。お金は返ってきたのですが、どこか腑に落ちないものを感じました。なぜなら、その商品を使うために結構な時間を費やしていたからです。
返金保証は、お客さんが商品を購入する時に発生する「お金のリスク」を取り除くためのものです。貴重なお金を出して買ったのに、期待した結果や効果が得られなかったらどうしよう?あるいは想像していたものと違ったら?といった不安を排除するために返金保証を付けます。
返金保証があれば、お客さんはお金のリスクを負うことなく安心して購入しやすくなるのは間違いありません。しかし、商品やサービスを購入する時にお客さんが負うリスクは果たしてお金だけでしょうか?
冒頭の例で言えば、時間を失うこともリスクのひとつです。あるいは、商品を梱包して発送伝票を貼って、それを送り返す面倒くささもリスクのひとつです。そう考えると、お客さんが商品やサービスを選ぶ時には、他にもいろいろなリスクを負っていることに気づきます。例えば、、、
・購入を夫や妻に納得させるリスク
・がっかりするリスク
・他の選択肢をあきらめるリスク
・恥ずかしい思いをするリスク
・体に危害を与えるリスク
などなど、、、その商品やサービスによってもちろん違いますが、それぞれにいろいろなリスクが考えられるはずです。そして、お客さんはどんなにその商品に興味があったとしても、そういったリスクを負うことを嫌って購入をためらってしまうのです。
逆を言えば、それらのリスクをすべて取り除いてあげることができれば、「購入しない」という選択肢はなくなることになります。それが「リスク・リバーサル」と呼ばれる手法です。
きっとあなたもリスク・リバーサルという言葉は聞いたことがあるでしょう。ですが、僕たちはややもすると「リスク・リバーサル=返金保証」と短絡的に考えてしまいがちです。「返金保証を付けておけば大丈夫」と。
もちろん、返金保証は重要です。返金保証をするということは、お客さんのお金のリスクを排除するだけでなく、その商品に自信があることの表れでもあります。逆に言えば、返金保証を付けることができないような商品ならば、そもそも売るべきではありません。(もちろん、目的によってはあえて付けないという場合はありますが)
ですが、先ほども言った通り、お客さんが商品を購入する時に生じるリスクはお金だけではありません。時間、手間、マイナスの感情、、、などなど様々なリスクが発生します。そう考えると、無料の商品ですらお客さんにとってはリスクがあることが分かります。
リスク・リバーサルとは本来、そういったお客さんのリスクをすべて取り除くことであり、そのリスクをあなたが代わりにかぶることです。そして、「どうすればお客さんの代わりに自分がリスクを負えるか?」を考えていくと、他にはないユニークで強いオファーを作ることができます。例えば、、、
もし、日曜日に経営者を対象にセミナーをするなら、「満足いただけなかった時には返金します。さらに、家族との貴重な時間を無駄にしたお詫びに◯◯円分のお食事券を差し上げます」といったオファーも考えられます。
もし、返品するにしてもそれが面倒だとお客さんが思っているなら、「宅配業者が直接あなたの家に商品を回収に伺うので、あなたは何もする必要はありません」と言うこともできるでしょう。
もし、お客さんが購入したいけど夫や妻を説得するのが面倒だと思っているなら、説得のためのトークスクリプトを用意してもいいかもしれません。
いずれにせよ、お金以外のリスクを排除する方法についても考えていくことで、他にはないユニークで強いオファーを作ることができます。その結果、例え商品が似たようなものであっても、価格も同じようなものであっても、お客さんは他ではなくあなたを選んでくれるでしょう。それが、リスク・リバーサルがセールスにおいて最も強力な手法のひとつだと言われる理由です。
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